「朝鮮・中国人強制連行」の項目のみ存在する例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 10:13 UTC 版)
「強制連行」の記事における「「朝鮮・中国人強制連行」の項目のみ存在する例」の解説
「朝鮮人強制連行」や「中国人強制連行」の項目は存在しても、「強制連行」の項目が存在しない百科事典や歴史事典(辞典)もある。 小学館の日本大百科全書には「朝鮮人強制連行」 という項目があり、「朝鮮人強制連行の記録」の著者である朴慶植が執筆している。そこでは「朝鮮総督府の官公吏・警察官および会社労務係らが一体となって暴力的に各事業所に強制連行した。それらは割当て動員数を満たすため昼夜を分かたず、畑仕事の最中や、勤務の帰りまでも待ち伏せしてむりやりに連行するなど「奴隷狩り」のような例が多かった。(中略)陸軍慰安婦として数万人の女性が女子挺身(ていしん)隊の名のもとに狩り立てられた。」と記載している。 吉川弘文館の『国史大辞典』における、正確な項目名は「朝鮮人強制連行問題」と「中国人強制連行問題」。朴慶植の志を受け継いで建てられた在日韓人歴史資料館 の館長を後に務める事になる姜徳相が「朝鮮人強制連行」の項目を執筆している。国家総動員法を公布した日本国が、「国民職業能力申告令」「国民徴用令」などの勅令を相次ぎ発令し、「国家権力の動員計画により、軍部・官憲・資本家が一体となり強制的に動員」したとする。数万人の従軍慰安婦が含まれるとも、連行された120万人を含む当時の在日人口250万人が、現在の在日朝鮮人のルーツであるともしている。「中国人強制連行問題」は、臼井勝美が担当。東条内閣が「華人労務者内地移入ニ関スル件」を閣議決定。中国人労務者の大部分は華北労工協会の取り扱いで、その七割が事実上農村から拉致されたとしている。参考文献として、中国人強制連行事件資料編纂委員会編『草の墓標』と、田中宏、内海愛子、石飛仁解説の『史料中国人強制連行』の二冊が挙げられている。 山川出版社の『日本史広辞典』。「朝鮮人強制連行」の項目の執筆者は不明。やはり戦時中の政策としている。「中国人強制連行」の項目も執筆者不明。42年の閣議決定から説明。大半は日本軍の捕虜か占領地で強制的に集められたとする。 東洋経済新報社の『日本近現代史辞典』は、「朝鮮人強制連行」「中国人強制連行」共に井口和起が執筆。朝鮮人強制連行は、国家の動員計画に基づいて実行されたとしている。参考文献として朴慶植の『朝鮮人強制連行の記録』、朝鮮人強制連行真相調査団の『朝鮮人強制連行強制労働の記録』。中国人強制連行についても東条内閣の閣議決定により5万人が強制連行されたとしている。参考文献は『草の墓標』。
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