《普請》の正しい読み方
「普請」の正しい読み方
「普請」の正しい読み方は「ふしん」である。「普」の音読みは「ふ」。訓読みは「(あまね)く」で、常用漢字表にはない。「請」の音読みは「せい」「しん」で、常用漢字外の読み方として「しょう」がある。訓読みは「(こ)う」と「(う)ける」。「普請」の意味解説
「普請」の意味は、家の建築や修理をすることである。建築工事のことも言う。道や水路などの土木工事も「普請」だ。禅寺で、多数の人に普く請うて堂塔建造などに従事してもらったことから来ている。なぜ「普請」と読むのか・理由
「普請」の、「普」の音読みは「ふ」である。「請」の音読みは「しん」なので、「普請」を音読みして「ふしん」である。「普請」の類語・用例・例文
「普請」の類語は、「建築」や「建設」である。 泉鏡花 「みさごの鮨」には「あいにく宅は普請中でございますので、何かと不行届の儀は御容赦下さいまして、まず御緩りと」という用例がある。太宰治は「葉」の中で、「普請」を「心細く感じながらも、ひとりでそっと床から脱け出しまして、てらてら黒光りのする欅普請の長い廊下をこわごわお厠のほうへ」のように使っている。例文は「親戚の新居の普請が完成したので、先週の日曜日は久しぶりに親族が集まってお披露目をした」や、「年度末になると道路の普請が増えるので、迂回して遅刻しないようにしなければならない」などだ。「歴史ある禅寺の立派な建物を見ると、当時の人々の普請の苦労がしのばれる」といった使い方もできる。「普請」の英語用例・例文
「普請」の英語は「building」や「construction」である。「building」という場合は「建物を建てること」を指す。「construction」の場合は「工事」を指し、「建物の工事」だけでなく「土木工事」も含まれる。「普請」は「building」と「construction」の2つを併せた意味を持ち、用例では「普請」をそのまま「fushin」としているものもある。用例としては日英京都関連文書対訳コーパスの、「Fushin as public works project and fushin as local autonomy」(公共事業としての普請や自治としての普請)がある。「建物を建てること」としての「普請」の用例には、EDR日英対訳辞書の「the act of breaking ground in order to begin building」(普請を始めるための地面を破壊する行為)がある。「建設工事」としての「普請」の用例は、同じ斎藤和英大辞典の「We shall stop business during construction.」(普請中、店の仕事を休みます)だ。「普請」を「building」と訳した場合は、「My father wasn't rich, but he didn't give up on building a house.」(父は裕福とは言えなかったが、家の普請をあきらめなかった)となる。「普請」を「construction」と訳した例文には「A friend who fulfilled her dream of owning a shop is happy that the construction will be completed soon.」(店を持つという夢を叶えた友人は、普請がもうすぐ完成すると喜んでいる)などがある。
《普請》の正しい読み方
「普請」の正しい読み方
「普請」の正しい読み方は、「ふしん」である。「道普請(みちぶしん)」「安普請(やすぶしん)」といった複合語においては、連濁が生じて「-ぶしん」と読まれる。
「普請」の意味解説
「普請」は、土木や建築などの工事を指す言葉である。元々「普請」は仏教用語であり、大勢の信徒に請い願い、寺社の建築や清掃などをしてもらうことを指した。「普く(あまねく)人々に請う」という意味で、大勢の人に作業をしてもらう作業=工事を指したわけである。これが転じて工事全般を指す語として用いられるようになった。
現代では「工事」や「建築」といった言葉がもっぱら用いられ、工事を指すために普請が使用されることはほとんどない。「安普請(やすぶしん)」のような定型的な言い方で用いられることは少なからずある。
なぜ「ふしん」と読むのか・理由
日本では、複数の漢字を組み合わせた熟語は、音読みに統一するのが基本である。そのため、「普請」は音読みの「ふしん」となる。元々が仏教用語の「普請(ふしん)」であるため、「ふせい」や「ふしょう」といった読み方にはならず、「ふしん」のまま定着した。- 《普請》の正しい読み方のページへのリンク