《時雨》の正しい読み方
「時雨」の正しい読み方
「時雨」は「しぐれ」と読む。音読みで「じう」と読むこともできる。「時雨」の意味解説
「時雨」は気象用語の一種で、晩秋から初冬の時期に降る小雨のことである。降ったりやんだりを繰り返す小雨を「時雨」と称する他、短時間でやむ通り雨も「時雨」と呼ぶことがある。「しぐれ」ではなく「じう」と読む場合は「ちょうどよい時期に降る雨」の意味で使われることが多い。ちょうどよいとは気候や時間帯のことであり、気温が上昇する夏の日中や畑の土が乾いた農地、人の行き来が少ない早朝や深夜などに降った小雨が該当する。人の体が濡れない、土が適度に湿るなど人の生活に悪影響が及ばない降り方に対して「じう」の読みが用いられる。なぜ「時雨」と読むのか・理由
「時雨」を「しぐれ」と読む理由は諸説あるが、嵐の時は風の強さが短時間で何度も変化することから「嵐が狂う」と読み、それがなまって「しぐるい」、さらに一時的な通り雨を意味するようになったことで「時雨」と表記するようになった説がある。すぐに通り過ぎる通り雨なので「過ぐる」と読み、そこから「時雨」に変化したという説もある。雨が降ると雲で日光が遮られることから、「しばらく暗くなる」の意味である「しばしくらき」が語源になったともされている。「しばしくらき」が変化して「しぐれ」になり、特定の季節や降雨量にだけ用いられるようになった。「時雨」の類語・用例・例文
「時雨」の類語は「にわか雨」「夕立」「村雨」などがある。いずれも短時間でやむ雨であり、長時間降り続ける雨ではない。「時雨」は晩秋から初冬に降る弱い雨を意味するのに対し、「夕立」は夏の夕方に降る強い雨を意味している。「にわか雨」や「村雨」は降る季節や時間帯は問わないが、「村雨」は降る勢いの変化が激しい特徴がある。類語はそれぞれ「時雨」とは多少の違いがあるので、会話や文書で用いる際は注意が必要である。例文としては「時雨は冬の季語である」「にわか雨に当たってずぶ濡れになった」「夕立の後に綺麗な虹が出た」「何日もほぼ同じ時間に村雨が降る」などがある。「時雨」の英語用例・例文
「時雨」を英語で記す場合、一般的なにわか雨としての意味で英訳するなら「shower rain」になる。晩秋から初冬の時期に降る、本来の意味での「時雨」なら読みは「しぐれ」のまま、「shigure」と表記する。「秋に降るにわか雨」と言い換えた場合は「shower in late autumn」と英訳することができる。「shower」は「シャワー」と読むが、雨が降っていると訳することもできる。「late autumn」は晩秋であり、単に秋と訳しても間違いではない。「今日は時雨が降った」を英文にすると「it rained today」になるが、shigureには「雨が降った」という過去形が存在しないため、一般的な雨を意味するうえに過去形もある「rain」が使われる。- 《時雨》の正しい読み方のページへのリンク