《時の長さ》を表すもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 02:57 UTC 版)
人はもともと何かの変化を《時そのもの》として感じていた、何かの変化と時をはっきりと区別していなかった、ということは学者によって指摘されることがある(下の「古ゲルマン」などでも述べる)。 《年》は神話的・宗教的概念とも深く結び付いていることが指摘されるが(後述)、一方で人類の農耕活動の定着や知的活動の高まりと関連付けられて説明されることのあるものであり、古今東西の文明で広く用いられている。 《週》は7日をひとまとめと見なす概念・制度(7曜制)であるが、近・現代になるまで万国共通とは言えない状態であった。例えば日本では、平安期に伝わりはしたものの実際上は用いられておらず、生活周期としても日々の意識としても無きにひとしかった。日本人は10日等ごとに何かを行っていた。明治政府が国策として西洋各国に倣い法律で定めたことで日本に広まった。何日かをひとまとまりとして見なす文化・制度としては、例えば5曜制、6曜制もあり、10日、90日などをひとまとまりと見なす文化もある。7日をひとまとまりと見なす文化は、(確かなことは判らない面もあるが)バビロニアが起源だとも言われている。そしてユダヤ人がバビロニアに捕虜として連行された時に(バビロン捕囚)その地でその習慣を取り入れ、ユダヤ教文化からキリスト教文化へと継承され、同文化が広まった結果7曜制も世界に広まったと言われている。キリスト教と一体化していた王権と敵対・打倒し成立した革命政府(たとえばフランス革命政府、ロシア革命政府など)では7曜制を排止して10日や5日を週とする制度を定めた時期もあったという。 機械式時計が制作されるようになると、天体とは切り離された人工的な時間概念が意識されるようになった。時計は、より短い周期で振動するものを採用することで精度を上げる技術革新が続き、遂には原子の発する電磁波の周波数によって精密に時間を計測できるようになった。これが原子時計である。 現代の国際単位系では、1967年以降、時間の基本単位として秒を原子時計によって定義している。すなわち、「秒(記号は s)は、時間のSI単位であり、セシウム周波数 ∆νCs、すなわち、セシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位 Hz(s−1 に等しい)で表したときに、その数値を9192631770 と定めることによって定義される」とされている。国際単位系におけるこの秒の定義は、世界的に統一されたものとして、社会生活や産業活動において最もよく使用されている。 「時刻」も参照
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