《心太》の正しい読み方
「心太」の正しい読み方
「心太」の正しい読み方は、「ところてん」である。当て字としての読み方であり、「心」に「ところ」、「太」に「てん」という読みは存在しない。「心」と「太」が組み合わさり、「心太」となった場合のみ「ところてん」と読める、熟字訓である。場合によっては、人名、主に男性の名前として「しんた」と読むことがあるが、あくまでも例外的な読み方。「心太」の意味解説
「心太」とは、寒天質を固めて作られた食品である。隋の時代の中国から日本に伝わったとされ、日常的な食材として親しまれている。栄養価はほとんどないが、ミネラルと食物繊維が豊富であり、腹に溜まるため、健康やダイエット目的で食されることもある。材料となるのは主に海で採れる天草であり、水に入れて煮込んだ際に出る寒天質を容器に入れ、冷やし固めて作る。天突きと呼ばれる専用の道具で、細長い形にして食されるのが一般的である。なぜ「心太」と読むのか・理由
「心太」は古来、「凝海藻(こるも)」と呼ばれていた。その中の「凝る(こる)」の部分が、「心(こころ)」に変化した。そして、太い藻が原料であったため、「太」という字が採用され、「心太(こころふと)」と呼ばれるようになった。そこから、「太」が「ふと」ではなく音読みの「たい」となり、「心太」の読みが「こころたい」に変わった。さらに、「こころたい」が訛る形で、「ところてい」に変化し、最終的には「ところてん」となったと言われている。「心太」の類語・用例・例文
「心太」という言葉は原則として、食材である心太そのものを指すために使用する。例文を作ると、「私は心太の触感が好みだが、香りが苦手である」「先日、心太を作る体験をしてきた」「心太は、サラダやデザートなど、幅広い使い道がある食材だ」といった形となる。「心太」の類語として代表的なものには、「寒天」がある。心太と同じく天草からできている食材であり、心太に手を加えることで寒天が出来上がる。天草から寒天質を取り出し固めて心太を作った後、その心太を屋外に置き、冷凍と乾燥をさせると寒天となる。乾燥させることで、心太が持つミネラルはなくなるが、その分磯臭さが減る。そのため、ゼリー状の甘味を始めとする、磯の香りが必要ない食べものの素材には、寒天が使用される。
「心太」の英語用例・例文
「心太」は英語で、「gelidium jelly」と表現する。「gelidium」が、天草を含む葉状体紅藻を指し、「jelly」は日本でも「ゼリー」と呼ばれる、ゲル状のものを意味する。また、日本で食される心太を指す場合、ローマ字表記で「Tokoroten」とすることもある。それらの表現を使用して例文を作ると、「I usually eat gelidium jelly with vinegar(私は普段、心太を酢で和えて食す)」「I ate Tokoroten as a dessert in Kyoto(京都でデザートとして心太を食べた)」という風になる。- 《心太》の正しい読み方のページへのリンク