《ご承知おきください》の敬語
「ご承知おきください」の敬語表現
「ご承知おきください」は、ビジネスなどの場面において連絡や説明を行う状況で使用される言葉で、あらかじめ自分の要求や要望を理解したり受け入れておいて欲しいという意味で使用されます。「ご承知おきくださいは」は、「ご(御)」「承知」「おき」「ください」の4つに分けられます。「ご(御)」は、相手の動作を立てる意味で使用される接頭語です。「承知」は、知ること・わかることの意味で使用される言葉で、謙譲語としてよく用いられます。「承る」という漢字が入っていることからも、目上の人の指示に対して自分をへりくだって使用するイメージが強い言葉となります。「おき」は動詞の「おく(置く)」の連用形で、心をそこにとどめるという意味で使用されます。「ください」は、何かを相手にお願いする時に用いる丁寧な表現の補助動詞になります。
「ご承知おきください」という言葉自体は相手を立てる尊敬語を含んだ敬語表現なのですが、目上の人を含めて全般的に使用する場合は、「お含みおきください」や「ご認識おきください」という敬語表現が適切となります。
「ご承知おきください」の敬語の最上級の表現
「ご承知おきください」の敬語の最上級の表現としては、「お含みおきくださいませ」や「お含みおきくださいますようお願いいたします」があります。へりくだって使われる謙譲語の印象が強い「承知」よりも「含む」という言葉を用いることで、よりやわらかく丁寧に「受け入れておいて欲しい」という印象を与えルことができます。さらに、末尾に「ませ」や「ますようお願いいたします」といった言葉を入れることで丁寧かつやわらかな印象の言葉になります。「ご承知おきください」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールや手紙で「ご承知おきください」の敬語表現が使用される状況としては、文中で念を押して連絡をする場合や要望を伝える際によく使用されます。自分の要望や要求を相手にお願いする内容となるため、一方的な説明にならないように気をつけて、相手を敬いつつ失礼にならない文章になるように気をつける必要があります。「今月の会費は15日に集金をさせていただきますので、お手数おかけしますがご認識おきください。」、「現在、弊社の営業時間は16時までと短縮されております。ご不便をおかけいたしますが、なにとぞご容赦くださいますようお願いいたします。」、「なお弊社の営業時間の関係上、18時以降は電話での対応ができませんので、ご不便おかけしますがご容赦くださいませ。」、「なお、いただいた書類に関してはご返却できません。なにとぞご認識おきいただきますようお願いいたします。」、「今回のご要望に関して、お応えすることが叶わず申し訳ありませんでした。なにとぞご容赦いただきますようお願いいたします。」
「ご承知おきください」を上司に伝える際の敬語表現
会社の上司に「ご承知おきください」の敬語表現が使用される状況としては、簡潔に状況や結果を報告・連絡する場合によく使用されます。この場合は報告・連絡が優先されるため、ビジネスメールや手紙のように相手に配慮した内容の説明は好まれません。業務を円滑に遂行することが目的であり、簡潔な説明の後の結びの言葉として使用されることが望ましいでしょう。「〇〇部長、本日の会議は16時からとなっておりますので、お含みおきください。」、「システムの復旧にはまだしばらくかかるとのことで、ご容赦ください。」、「明日の出張は先方の都合でキャンセルとなりましたので、ご認識おきください。」、「明日の展示会の後の打ち上げは残念ながら中止となってしまいましたので、なにとぞご容赦ください。」、「〇〇様は体調不良のため本日欠席されるとのことですので、お含みおきください。」
「ご承知おきください」の敬語での誤用表現・注意事項
「ご承知おきください」という言葉は尊敬語を含んだ敬語表現で一般的にも使用できるのですが、「承知」という謙譲語の印象が強い言葉が入っているため、上から目線で押し付けがましく捉えられてしまう場合もあるので注意が必要です。目上の人や上司に対しては、「承知」という言葉は使用せず、その他の敬語表現が望ましいと言えます。また、似たような言葉で「了承」という言葉も「ご承知おきください」の敬語表現として使用されますが、「承る」という漢字が入っていることから、同様に目上の人や上司に対しての使用は控えるべきでしょう。また、「ご承知おきください」の敬語表現すべてにおいて、自分が相手に対してお願いをする状況で使用する言葉です。「承知」以外の言葉を使用しても、人によっては「命令されている」といった押し付けがましい印象を持ったり、場合によっては反発をされてしまうこともあるかもしれません。そのような場合、「ご承知おきください」の敬語表現の前後に、「なにとぞ」という副詞や「ませ」「ますようお願いいたします」などの語尾を付け加える表現方法があります。この付け加えにより、相手を敬っているという丁寧さが強調され、自分の要望を相手に受け入れてもらいやすくなるでしょう。
「ご承知おきください」の敬語での言い換え表現
「ご承知おきください」の敬語での言い換えとしては、「なにとぞよろしくお願いいたします」「ご容赦ください」「お見知りおきください」などがあります。- 《ご承知おきください》の敬語のページへのリンク