《こんにちは》と《こんにちわ》どちらが正しいか
「こんにちは」と「こんにちわ」の、どちらか正しいのか
「こんにちは」と「こんにちわ」では、「こんにちは」の方が、より日本語として本来的な表記であるといえる。どちらが正しいか? という問いには「《こんにちは》の方が正しい」と回答することになる。「こんにちわ」は、非本来的な表記であり、使える場面もカジュアルな文脈に限られる。かしこまった場面や文脈では「こんにちは」の表記が推奨される。
「こんにちは」は、もともとは「今日(こんにち)は~」という表現だった。「今日は、ご機嫌いかがですか」とか「今日はよいお天気ですね」などのような口上で、おおむね共通して用いられる「今日は」の部分が、あいさつ表現の定形として独り歩きするようになった、というわけである。
「今日は御機嫌いかが」のような文で用いられる「は」係助詞である。いわゆる「てにをは」の「は」。この「は」は、表記上はハ行の「は」で記し、発音上はワ行の「わ」と読む。これと同じ理屈が「こんにちは」にも引き継がれている。そのため「こんにちは」の表記が正しい、といえるわけである。
「こんにちわ」の表記は、不正確もしくは非本来的な表記といえる。ただし、口語的な(くだけた)文脈においてカジュアルな表現であることを明示するために敢えて「こんにちは」ではなく「こんにちわ」表記が用いられる場合がある。これは女子中高生が係助詞の「は」を敢えて「わ」で表記する(例「メロスゎ走った」)感覚に通じるといえる。
あいさつ表現としての「こんにちは」は、あいさつ表現=感動詞として独立し、日本語の文法からは半ば切り離されている。現代ではまだ「今日は~」という語源と強く結びついており、あくまでも「こんにちは」表記が正しいという認識が残っているが、今後も永久に「《こんにちわ》は誤用」という認識が残るとも断言しがたい。
- 《こんにちは》と《こんにちわ》どちらが正しいかのページへのリンク