《ご逝去》の正しい読み方
「ご逝去」の正しい読み方
「ご逝去」の正しい読み方は、「ごせいきょ」である。「逝」は、音読みでは「せい」と読む。訓読みでは「ゆ(く)」「(いく)」となる。「去」の読み方は、音読みでは「きょ」「こ」である。訓読みでは「さ(る)」「ゆ(く)」「のぞ(く)」と読むが、「ゆ(く)」「のぞ(く)」は常用漢字表にはない読み方である。「ご逝去」の意味解説
本来「ご逝去」という表現は「逝去」の誤用である。「逝去」は「死」の尊敬語なので、尊敬の意味を表す「ご」をつけると二重敬語となる。しかし、「ご逝去」という使い方も一般的であるため、許容の範囲内とされている。「ご逝去」に対応する「死」の意味は、「命がなくなること」である。「逝去」は尊敬語のため、「死」の意味に尊敬の気持ちを添えることができる。
なぜ「ご逝去」と読むのか・理由
「ご逝去」の「ご」は敬語表現である。「逝去」はそれぞれ音読みするので「せいきょ」。そのため「ごせいきょ」と読む。「ご逝去」の類語・用例・例文
「ご逝去」の類語は、「亡くなられる」「お亡くなりになる」などである。「ご逝去」の用例としては幸田露伴の「言語体の文章と浮雲」の中に「二葉亭主人の逝去は、文壇に取っての恨事で、如何にも残念に存じます」という一文がある。小説では「逝去二年後に発表のこと、と書き認められた紙片が、その蓄積された作品の上に、きちんと載せられているのである」という文が、太宰治の「愛と美について」の中に認められる。しかし文脈からすると自身の作品の発表時期に言及していると考えられ、尊敬語である「逝去」を使うのは誤用である。例文としては「小学生のころお世話になった先生の逝去の報を、随分あとになってからアメリカの地で聞き私は涙が止まらなかった」などという使い方がある。「逝去は尊敬語ですが、天皇の死の場合にも使えますか」という使い方もできる。
「ご逝去」の英語用例・例文
「ご逝去」の英語は、「death」である。「death」は「死」の英訳であるが、英語には「ご逝去」と同じような尊敬語は見当たらない。「Please accept my heartfelt condolences on the death of your father」(お父様の逝去を心よりお悔み申し上げます)などのように使い、特別に「死」をほかの語に置き換えることはない。翻訳の際は、文脈によって敬語表現とする。例文としては「Many fans mourn the death of a popular writer」(人気作家の逝去を、多くのファンが悼んだ)などがある。「He was a well-known actor, but he didn't even appear on the stage in his later years, so his death wasn't much news」(彼は名のある俳優だったが、晩年は表舞台に立つこともなかったので逝去はそれほどニュースにならなかった)のような使い方もできる。
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