起電力 起電力と電極電位

起電力

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 05:27 UTC 版)

起電力
electromotive force
量記号 E
次元 M L2 T−3 I−1
種類 スカラー
SI単位 ボルト (V)
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起電力(きでんりょく、英語: electromotive force、略: EMF)とは、電流の駆動力のこと。または、電流を生じさせる電位の差(電圧)のこと。単位は電圧と同じボルト (Volt, V) を用いる。起電力を生み出す原因には、電磁誘導によるもの(発電機)、熱電効果ゼーベック効果)によるもの(熱電対)、光電効果光起電力効果)によるもの(太陽電池)、化学反応によるもの(化学電池)などがある。

化学電池の起電力

化学電池(電気化学セル)の起電力は、電気化学平衡状態における電極の電位差である。「電流が0の時の電極間の電位差(開回路電圧)」と説明されることもあるが厳密には異なる。電極上では電気化学平衡が成り立っていないにもかかわらず、電極間を流れる電流が 0 となることがあり(1つの電極上で複数の電気化学反応が起こっている場合など。混成電位という)、このような場合は、起電力と開回路電圧は異なる。

電位差を測定する方向や電池反応の表現方法に任意性が存在するため起電力の符号について混乱があったが、1953年ストックホルムで開かれたIUPACの会議において、起電力の符号の決め方について勧告[1]が出された(ストックホルム規約と呼ばれることがある)。

起電力の定義

次のような電池図式で表される電池を考える。

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化学電池以外の起電力

誘導起電力

電磁誘導による起電力で、ファラデーの電磁誘導の法則より、1つの回路に生じる誘導起電力の大きさはその回路を貫く磁界の変化の割合に比例するもので、発電機に利用されている。

熱起電力

ゼーベック効果により、異なる物体に温度差があると発生する起電力で、熱電対(温度センサ)に利用される。

光起電力

光起電力効果により、半導体pn接合部などにが照射されたとき発生する起電力で、太陽電池フォトダイオード(光センサ)に利用される。

電気回路における起電力

キルヒホッフの法則 (電気回路)より、任意の閉路の起電力の総和と電圧降下の総和は等しい。

脚注

出典

  1. ^ Christiansen (1960) p.5517.

参考文献

  • J. A. Christiansen (1960). “Manual of Physico-Chemical Symbols and Terminology”. J. Am. Chem. Soc. 82. 

関連項目





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