減食と運動は無意味とは? わかりやすく解説

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減食と運動は無意味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 22:52 UTC 版)

痩身」の記事における「減食と運動は無意味」の解説

1990年代初期アメリカ国立衛生研究所(The National Institutes of Health)は、『The Women's Health Initiative』(『女性の健康構想』)と題した、約10億ドルに及ぶ研究行った。このとき、「低脂肪食事心臓病や癌を本当に予防できるか」という研究同時に行われた5万人近く女性登録しそのうち19541人を無作為に選んだ研究1993年開始し8年続けられた。研究者たちは、参加した女性たち対し果物野菜全粒穀物食物繊維豊富なもの・脂肪少ないもの・・・これらを優先的に食べるよう指示した。この食事続けにあたり女性たち定期的にカウンセリング受けた脂肪の摂取量については、摂取カロリーのうちの38%から20%に減らすことを目標とし、参加した女性たちについて、体重増減コレステロール数値脳卒中心臓発作乳癌直腸癌その他の心血管疾患発症するかどうかについても調べた毎日の食事摂取カロリーは360kcal分減らし少ない量を食べ続けた参加した女性たちは「少なく食べるように」「脂肪少ないものを食べるように」「運動するように」という指示与えられ減食運動忠実にこなし続けた。 この生活を8年続けた結果女性たちは(実験開始前比べて1人あたり平均で約1kg体重減ったが、その腰回り膨らんだ。この事実意味するところは、「彼女ら身体から減ったのは脂肪ではなく筋肉である」ということである。また、研究者たちは「脂肪分の少な食事は、心疾患、癌、その他の病気予防できなかった」とも報告している。脂肪の摂取量が少な食事には、乳癌心臓病脳卒中発症リスク下げ効果も、閉経後の女性結腸直腸癌リスク下げ効果一切無かった彼女ら受けたカウンセリングおよび食事の意味として、意識的無意識的かを問わず、「少なく食べるよう心掛けた」ことである。「消費カロリー摂取カロリーを上回れ体重は減る」のが本当であるのなら、この試験参加した女性たち太った理由説明できなくなる。脂肪は1kgにつき、約7000kcalのエネルギー相当する彼女らが、毎日の食事摂取カロリーを360kcal減らしていたのなら、実験開始して3週間で約1kgの脂肪減っていたはずであり、1年続ければ16脂肪が減る計算になる。試験開始時点で、参加した女性たち半数肥満体であり、大多数少なくとも過体重であった研究者たちは、「低脂肪食乳癌患うリスク下げるだろう」と考え栄養士たちは「脂肪の摂取量について、目標数値である20%まで下げれば、低脂肪食効果明白になった可能性がある」と述べた8年間かけて行われたこの研究結果アメリカ医師会雑誌(『Journal of the American Medical Association』)に掲載された。『女性の健康構想』の研究結果示しているのは、「癌や心血管疾患を防ぐという目的において、低脂肪食には何の効果も無い」ということである。 ハーバード大学研究者ブルース・ビストリアン(Bruce Bistrian)は、「減食食べる量を減らす)は、肥満対す処置にも治療法にもならない。最も目立つ症状一時的に緩和する方法しかない。もしも減食肥満対す処置にも治療にもならないとするなら、これは『過食肥満の原因ではない』ことを示す」と述べている。「過食肥満の原因である」という考え疑問投げかけるあらゆる理由の中で最も明確なものは、「肥満は、食べる量を減らして治せない」という事実である。 1977年アメリカ合衆国において、運動熱の高まり強まっていたころ、アメリカ国立衛生研究所は、肥満および体重制御についての2度目会議主催した。この会議集まった専門家たちは、「体重制御するという点において、運動の重要性は、想像している以上に低い。ヒト運動量増やせば、同時に食べる量も増えがちになり、運動による消費エネルギー増加食べる量の増加に勝るのかどうか、それを予測するのは不可能である」という結論達したカリフォルニア州ローレンスバークリー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)の統計学者ポール・ウィリアムズ(Paul Williams)と、スタンフォード大学研究者ピーター・ウッド(Peter Wood)は、普段からよく走る習慣のある13000人を集め、これらのランナーたちの1週間累計走行距離と、年ごと体重変化比較する研究行った。ピーター・ウッドは、運動健康にどのような影響を及ぼすのかについて、1970年代から研究行っていた人物でもある。この13000人のランナーについての研究では、最もたくさん走った人ほど最も体重少な傾向こそあったが、これらのランナー全員、「年を追うごとに太っていく(身体脂肪蓄積していく)」傾向にあった1970年代までに、「運動には肥満解消する効果は無い」という証拠多数あったが、研究者たちを「運動すれば体重維持あるいは減少できる」という信念駆り立てたのは、それが「真実である」と信じたがっていた彼らの願望と、公に「そうではない」と認めることに対する彼らのためらいがあった。研究者たちは、実際証拠何を示そうとも、「運動エネルギー消費肥満の程度決めるという考え後押しする結果だけ」を論議した一方で、この見解反証する証拠に対しては、その数がどれほど多かったとしても、無視した2007年ハーバード大学医学部長ジェフリー・フライアー(Jeffrey Flier)とその妻テリー・マラトス・フライアー(Terry Maratos-Flier)は、雑誌Scientific American』に論文寄稿しその中でヒト食欲エネルギー消費について、この2つ人間意識的に変えられるような代物ではない」「この2つ要素バランス補正結果脂肪組織増減につながるなどという、そんな単純な変数ではない」と述べている。 2007年8月アメリカ心臓協会(The American Heart Association)とアメリカスポーツ医学会(The American College of Sports Medicine)は、身体活動健康に関すガイドライン共同発表した。この団体専門家たちは、週に5日1日30程度精力的な運動が「健康を保ち促進するために必要である」と述べた。しかし、「肥満になることや痩せたままでいることに対して運動どのような影響与えるのか」という質問になると、彼らは以下のようにしか答えられなかった。 「1日あたりエネルギー消費の多い人は、それが少ない人に比べて時間とともに体重増える可能性が低い、と仮定することは理にかなっている。これまでのところ、この仮説支持する証拠となるものについては、『説得力がある』とは呼べない」 1970年代まで一般アメリカ人多くは、避けられるであれば空いた時間汗を流すべきであるとは考えていなかった。1977年ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)は当時アメリカについて、「運動熱の高まり真っ只中にある」と報じた1960年代アメリカではExercise is bad for you」(「運動身体に毒である」)というのが広く行き渡った考え方であったが、それがいつしか、「Strenuous exercise is good for you」(「苦痛覚えるほどの運動身体良いのだ」)と変遷していった。 2007年ハーバード大学医学部長ジェフリー・フライアー(Jeffrey Flier)とその妻テリー・マラトス・フライアー(Terry Maratos-Flier)は、雑誌Scientific American』に論文寄稿しその中でヒト食欲エネルギー消費について、この2つ人間意識的に変えられるような代物ではない」「この2つ要素バランス補正結果脂肪組織増減につながるなどという、そんな単純な変数ではない」と述べている。 2007年8月アメリカ心臓協会(The American Heart Association)とアメリカスポーツ医学会(The American College of Sports Medicine)は、身体活動健康に関す指針共同発表した。この団体専門家たちは、週に5日1日30程度精力的な運動が「健康を保ち促進するために必要である」と述べた。しかし、「肥満になることや痩せたままでいることに対して運動どのような影響与えるのか」という質問になると、彼らは以下のようにしか答えられなかった。 「1日あたりエネルギー消費量が多い人は、それが少ない人に比べて時間とともに体重増える可能性が低い、と仮定することは理にかなっている。今のところ、この仮説支持する証拠となるものについては、説得力は無い」。 1960年疫学者のアルヴァン・ファインシュタイン(Alvan Feinstein)は、医学雑誌The Journal of Chronic Diseases』に掲載され批評様々な肥満治療の有効性について分析しその中で、「エネルギー消費量増やすという点において、運動何の役にも立たない」とし、肥満治す手段として「運動」を却下した。ファインシュタインは、「体重を減らす目的十分なカロリー消費するには、『やり過ぎ』と呼べるぐらいの身体活動必要になる。 さらに、身体運動食べ物対す欲求惹起しその後カロリー摂取量が、運動中に失われたものを超えてしまう可能性出てくる」と指摘した1973年10月アメリカ国立衛生研究所(The National Institutes of Health)は肥満についての会議主催した。この会議参加者1人スウェーデン人研究者、パル・ビヨントルプ(Per Björntorp)は、肥満運動に関する自身臨床試験結果について報告した。ビヨントルプは肥満体被験者7人に対して3回運動計画実施し半年続けた結果は、半年間の運動経て被験者たちの身体は相変わらず重く太ったままであった1977年アメリカ国立衛生研究所2度目肥満会議主催した。この会議集まった専門家たちは最終的に以下の結論達した。 「体重管理における運動の重要性信じがたいほどに低い。ヒト運動量増やせば、同時に食べる量も増えがちになり、運動による消費エネルギー増加食べる量の増加に勝るのかどうか、それを予測するのは不可能である」。 1989年デンマーク人研究者が、身体活動体重減少に及ぼす影響について研究結果公表している。普段から座りがちな被験者を、マラソン(26.2マイル)を走れるよう訓練させた。18か月間の訓練経て被験者らは実際にマラソン参加した。この研究参加した18人の男性体脂肪平均で5ポンド(約2.3減っていたが、女性被験者9人については、「体組成変化一切見られなかった」と書いている。この年ニューヨークにあるセントルーク・V・ルーズヴェルト病院肥満研究センター長、ハビエール・ピサニイェール(Xavier Pi-Sunyer)は、「運動量増やせ体重減らせる」という考え分析している現存する試験について再調査行った彼の結論以下のとおりであった。「体重と体組成における減少増加について、変化一切見られなかった」。 1950年代半ばハーバード大学栄養学者ジョン・マイヤーJean Mayer)は、ラット使ったある実験行った毎日数時間強制的に運動させられラットと、運動強制されなかったラットとで、ラット食事量と体重の変化について研究した運動プログラム沿って運動行ったラットは、運動をしなかった日にはより多く餌を食べ運動をしていない時には身体動かさないようにすることで消費エネルギー減らした一方運動強制されラット体重は、運動強制されなかったラットと「全く同じまま」であった。そして、実験用ラットがこの運動プログラムか解放されると、かつてなかったほどの量の餌を食べるようになり、運動強制されなかったラットよりも、歳とともに急速に体重増えたまた、ハムスターアレチネズミ使った研究では、運動させると「体重と体脂肪増加する結果終わったこのように運動は、動物肥満にさせることはあっても痩せさせることは無かった1970年代まで一般アメリカ人多くは、避けられるであれば空いた時間汗を流すべきであるとは考えていなかった。1977年ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)は当時アメリカについて、「運動熱の高まり真っ只中にある」と報じた1960年代アメリカではExercise is bad for you」(「運動身体に毒である」)というのが広く行き渡った考え方であったが、それがいつしか、「Strenuous exercise is good for you」(「苦痛覚えるほどの運動身体良いのだ」)と変遷していった。 2019年発表された研究で、24週間毎日ウォーキング続けることで身体に及ぼす影響について調べ実験が行われた。歩数それぞれ10000歩、12500歩、15000歩であった結果は、除脂肪体重増えた脂肪増加し体重は全く減らなかった。研究者らは、「ウォーキングには、体重増加脂肪増加を防ぐ効果見られなかった」と結論付けている。 ジョギング普及させたことで知られるジム・フィックス(Jim Fixx)は、自身ジョギング励んでいる最中心臓発作起こして倒れそのまま死亡しており、運動身体臓器負担をかける。 ジョギング最中およびジョギング終えた直後冠状動脈性心臓病(Coronary Heart Disease)で死亡する例は決して珍しいものではない。精良運動能力運動中の死亡事故から身体保護することを示す証拠は無い。 走っている最中死亡した40歳上の人間の死因多く冠状動脈性心臓病である。10年間で22 - 176km、週に平均で53kmの距離を走っていた40 - 53歳平均年齢46歳)の5人の白人ランナー走行中に突然死し、その剖検によればランナーとして走るようになる前に心臓病患っていた者は1人もいなかった。 体育館にてトレッドミル使って走っていた57歳男性が、その最中突然死亡した。彼の死因は「虚血性心疾患」(Ischemic Heart Disease)であった研究者らは「身体活動不定期に行う人は、そうでない人に比べて突然死の危険が高い」「極端な身体活動は、たとえ以前にその症状無かったとしても、心臓致命的な結果もたらす可能性がある」と報告している。 ケープタウン大学教授運動生理学スポーツ医学専門家ティム・ノークス(Tim Noakes)は、運動中の突然死について、「50歳以上の人は、あらゆる種類運動を開始する前に心血管の診断を受ける必要がある50未満の人でも、突然死した人物の家族歴について面談行い心血管疾患症状とその臨床徴候についての診断を受ける必要がある」「肥大型心筋症患っている場合運動中に死亡する危険が高くなる」「アスリートたちは運動中の心臓病発症予防できるとは限らないと書いている。 運動していても、炭水化物食べている限り高血糖防げず(高血糖惹き起こす最も一般的な原因炭水化物摂取にある)、インスリン感受性運動終えた途端に低下するインスリン抵抗性高くなる)。インスリン抵抗性運動では防げない。 「インスリン感受性が低い」ということは、「インスリン抵抗性が高い」(インスリン効き目が悪い)状態を意味する度が過ぎる運動ミトコンドリア(Mitochondria)の機能障害惹き起こし耐糖能(Glucose Tolerance, 上昇した血糖値下げる、血糖値正常に保つ能力)も低下させてしまう。 ゲアリー・タウブスは、「『体重を減らす目的で、食べる量を減らして運動量増やす』という考え方一見筋が通っているように見えるが、実際に間違っているだけでなく、何の役にも立たない」、「We don't get fat because we overeat; we overeat because we're getting fat.」(「ヒト過食するから太るのではなく身体が今まさに太りつつあるから過食に走るのである」)と明言している。また、肥満は、エネルギーバランス、カロリー理論過食熱力学物理法則とは、何の関係も無い」「過食運動不足肥満の原因ではなく、あくまで『結果』でしかない」「『肥満』とは『栄養過剰ではなく、『栄養失調』の一種である」と断じている。また、「もしも座りがちな生活が我々を肥満にさせ、運動がそれを防いでくれるというなら、肥満ではなく痩せ』が流行するはずである。しかし実際には、運動熱の始まり同時に肥満の流行起こった」と指摘している。また、減量目標であり、あなたの健康と生活がそれに左右されるとしても、『1年半の間毎日努力続ければ脂肪を5ポンド(約2.3減らせるかもしれないと言われたら、あなたは26マイル(42km)を走れるようになるための訓練をするだろうか?」と問いかけている。

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減食と運動は無意味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 04:37 UTC 版)

肥満」の記事における「減食と運動は無意味」の解説

1990年代初期アメリカ国立衛生研究所(The National Institutes of Health)は、『The Women's Health Initiative』(『女性の健康構想』)と題した、約10億ドルに及ぶ研究行った。このとき、「低脂肪食事心臓病や癌を本当に予防できるか」という研究同時に行われた5万人近く女性登録しそのうち19541人を無作為に選んだ研究1993年開始し8年続けられた。研究者たちは、参加した女性たち対し果物野菜全粒穀物食物繊維豊富なもの・脂肪少ないもの・・・これらを優先的に食べるよう指示した。この食事続けにあたり女性たち定期的にカウンセリング受けた脂肪の摂取量については、摂取カロリーのうちの38%から20%に減らすことを目標とし、参加した女性たちについて、体重増減コレステロール数値脳卒中心臓発作乳癌直腸癌その他の心血管疾患発症するかどうかについても調べた毎日の食事摂取カロリーは360kcal分減らし少ない量を食べ続けた参加した女性たちは「少なく食べるように」「脂肪少ないものを食べるように」「運動するように」という指示与えられ減食運動忠実にこなし続けた。 この生活を8年続けた結果女性たちは(実験開始前比べて1人あたり平均で約1kg体重減ったが、その腰回り膨らんだ。この事実意味するところは、「彼女ら身体から減ったのは脂肪ではなく筋肉である」ということである。また、研究者たちは「脂肪分の少な食事は、心疾患、癌、その他の病気予防できなかった」とも報告している。脂肪の摂取量が少な食事には、乳癌心臓病脳卒中発症リスク下げ効果も、閉経後の女性結腸直腸癌リスク下げ効果一切無かった彼女ら受けたカウンセリングおよび食事の意味として、意識的無意識的かを問わず、「少なく食べるよう心掛けた」ことである。「消費カロリー摂取カロリーを上回れ体重は減る」のが本当であるのなら、この試験参加した女性たち太った理由説明できなくなる。脂肪は1kgにつき、約7000kcalのエネルギー相当する彼女らが、毎日の食事摂取カロリーを360kcal減らしていたのなら、実験開始して3週間で約1kgの脂肪減っていたはずであり、1年続ければ16脂肪が減る計算になる。試験開始時点で、参加した女性たち半数肥満体であり、大多数少なくとも過体重であった研究者たちは、「低脂肪食乳癌患うリスク下げるだろう」と考え栄養士たちは「脂肪の摂取量について、目標数値である20%まで下げれば、低脂肪食効果明白になった可能性がある」と述べた8年間かけて行われたこの研究結果アメリカ医師会雑誌(『Journal of the American Medical Association』)に掲載された。『女性の健康構想』の研究結果示しているのは、「癌や心血管疾患を防ぐという目的において、低脂肪食には何の効果も無い」ということである。 ハーバード大学研究者ブルース・ビストリアン(Bruce Bistrian)は、「減食食べる量を減らす)は、肥満対す処置にも治療法にもならない。最も目立つ症状一時的に緩和する方法しかない。もしも減食肥満対す処置にも治療にもならないとするなら、これは『過食肥満の原因ではない』ことを示す」と述べている。「過食肥満の原因である」という考え疑問投げかけるあらゆる理由の中で最も明確なものは、「肥満は、食べる量を減らして治せない」という事実である。 カリフォルニア州ローレンス・バークリー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)の統計学者ポール・ウィリアムス(Paul Williams)と、スタンフォード大学研究者ピーター・ウッド(Peter Wood)は、普段からよく走る習慣のある13000人を集め、これらのランナーたちの1週間累計走行距離と、年ごと体重変化比較する研究行った。ピーター・ウッドは、運動健康にどのような影響を及ぼすのかについて、1970年代から研究行っていた人物でもある。この13,000人のランナーについての研究では、最もたくさん走った人ほど最も体重少な傾向こそあったが、これらのランナー全員、「年を追うごとに太っていく(身体脂肪蓄積していく)」傾向にあった1970年代までに、「運動には肥満解消する効果は無い」という証拠多数あったが、研究者たちを「運動すれば体重維持あるいは減少できる」という信念駆り立てたのは、それが「真実である」と信じたがっていた彼らの願望と、公に「そうではない」と認めることに対する彼らのためらいがあった。研究者たちは、実際証拠何を示そうとも、「運動エネルギー消費肥満の程度決めるという考え後押しする結果だけ」を論議した一方で、この見解反証する証拠に対しては、その数がどれほど多かったとしても、無視した2007年ハーバード大学医学部長ジェフリー・フライアー(Jeffrey Flier)とその妻テリー・マラトス・フライアー(Terry Maratos-Flier)は、雑誌Scientific American』に論文寄稿しその中でヒト食欲エネルギー消費について、この2つ人間意識的に変えられるような代物ではない」「この2つ要素バランス補正結果脂肪組織増減につながるなどという、そんな単純な変数ではない」と述べている。 2007年8月アメリカ心臓協会(The American Heart Association)とアメリカスポーツ医学会(The American College of Sports Medicine)は、身体活動健康に関す指針共同発表した。この団体専門家たちは、週に5日1日30程度精力的な運動が「健康を保ち促進するために必要である」と述べた。しかし、「肥満になることや痩せたままでいることに対して運動どのような影響与えるのか」という質問になると、彼らは以下のようにしか答えられなかった。 「1日あたりエネルギー消費の多い人は、それが少ない人に比べて時間とともに体重増える可能性が低い、と仮定することは理にかなっている。これまでのところ、この仮説支持する証拠となるものについては、『説得力がある』とは呼べない」 1960年疫学者のアルヴァン・ファインシュタイン(Alvan Feinstein)は、医学雑誌The Journal of Chronic Diseases』に掲載され批評様々な肥満治療の有効性について分析しその中で、「エネルギー消費量増やすという点において、運動何の役にも立たない」とし、肥満治す手段として「運動」を却下した。ファインシュタインは、「体重を減らす目的十分なカロリー消費するには、『やり過ぎ』と呼べるぐらいの身体活動必要になる。 さらに、身体運動食べ物対す欲求惹起しその後カロリー摂取量が、運動中に失われたものを超えてしまう可能性出てくる」と指摘した1973年10月アメリカ国立衛生研究所肥満についての会議主催した。この会議参加者1人スウェーデン人研究者、パル・ビヨントルプ(Per Björntorp)は、肥満運動に関する自身臨床試験結果について報告した。ビヨントルプは肥満体被験者7人に対して3回運動計画実施し半年続けた結果は、半年間の運動経て被験者たちの身体は相変わらず重く太ったままであった1977年アメリカ国立衛生研究所2度目肥満会議主催した。この会議集まった専門家たちは最終的に以下の結論達した。 「体重管理における運動の重要性信じがたいほどに低い。ヒト運動量増やせば、同時に食べる量も増えがちになり、運動による消費エネルギー増加食べる量の増加に勝るのかどうか、それを予測するのは不可能である」。 1989年デンマーク人研究者が、身体活動体重減少に及ぼす影響について研究結果公表している。普段から座りがちな被験者を、マラソン(26.2マイル)を走れるよう訓練させた。18か月間の訓練経て被験者らは実際にマラソン参加した。この研究参加した18人の男性体脂肪平均で5ポンド(約2.3減っていたが、女性被験者9人については、「体組成変化一切見られなかった」と書いている。この年ニューヨークにあるセントルーク・V・ルーズヴェルト病院肥満研究センター長、ハビエール・ピサニイェール(Xavier Pi-Sunyer)は、「運動量増やせ体重減らせる」という考え分析している現存する試験について再調査行った彼の結論以下のとおりであった。「体重と体組成における減少増加について、変化一切見られなかった」。 1950年代半ばハーバード大学栄養学者ジョン・マイヤーJean Mayer)は、ラット使ったある実験行った毎日数時間強制的に運動させられラットと、運動強制されなかったラットとで、ラット食事量と体重の変化について研究した運動プログラム沿って運動行ったラットは、運動をしなかった日にはより多く餌を食べ運動をしていない時には身体動かさないようにすることで消費エネルギー減らした一方運動強制されラット体重は、運動強制されなかったラットと「全く同じまま」であった。そして、実験用ラットがこの運動プログラムか解放されると、かつてなかったほどの量の餌を食べるようになり、運動強制されなかったラットよりも、歳とともに急速に体重増えたまた、ハムスターアレチネズミ使った研究では、運動させると「体重と体脂肪増加する結果終わったこのように運動は、動物肥満にさせることはあっても痩せさせることは無かった1970年代まで一般アメリカ人多くは、避けられるであれば空いた時間汗を流すべきであるとは考えていなかった。1977年ニューヨーク・タイムズ当時アメリカについて、「運動熱の高まり真っ只中にある」と報じた1960年代アメリカではExercise is bad for you」(「運動身体に毒である」)というのが広く行き渡った考え方であったが、それがいつしか、「Strenuous exercise is good for you」(「苦痛覚えるほどの運動身体良いのだ」)と変遷していった。 2019年発表された研究で、24週間毎日ウォーキング続けることで身体に及ぼす影響について調べ実験が行われた。歩数それぞれ10000歩、12500歩、15000歩であった結果は、除脂肪体重増えた脂肪増加し体重は全く減らなかった。研究者らは、「ウォーキングには、体重増加脂肪増加を防ぐ効果見られなかった」と結論付けている。 ジョギング普及させたことで知られるジム・フィックス(Jim Fixx)は、自身ジョギング励んでいる最中心臓発作起こして倒れそのまま死亡しており、運動身体臓器負担をかける。 ジョギング最中およびジョギング終えた直後冠状動脈性心臓病(Coronary Heart Disease)で死亡する例は決して珍しいものではない。精良運動能力運動中の死亡事故から身体保護することを示す証拠は無い。 走っている最中死亡した40歳上の人間の死因多く冠状動脈性心臓病である。10年間で22 - 176km、週に平均で53kmの距離を走っていた40 - 53歳平均年齢46歳)の5人の白人ランナー走行中に突然死し、その剖検によればランナーとして走るようになる前に心臓病患っていた者は1人もいなかった。 体育館にてトレッドミル使って走っていた57歳男性が、その最中突然死亡した。彼の死因は「虚血性心疾患」(Ischemic Heart Disease)であった研究者らは「身体活動不定期に行う人は、そうでない人に比べて突然死の危険が高い」「極端な身体活動は、たとえ以前にその症状無かったとしても、心臓致命的な結果もたらす可能性がある」と報告している。 ケープタウン大学教授運動生理学スポーツ医学専門家ティム・ノークス(Tim Noakes)は、運動中の突然死について、「50歳以上の人は、あらゆる種類運動を開始する前に心血管の診断を受ける必要がある50未満の人でも、突然死した人物の家族歴について面談行い心血管疾患症状とその臨床徴候についての診断を受ける必要がある」「肥大型心筋症患っている場合運動中に死亡する危険が高くなる」「アスリートたちは運動中の心臓病発症予防できるとは限らないと書いている。 運動していても、炭水化物食べている限り高血糖防げず(高血糖惹き起こす最も一般的な原因炭水化物摂取にある)、インスリン感受性運動終えた途端に低下するインスリン抵抗性高くなる)。インスリン抵抗性運動では防げない。 「インスリン感受性が低い」ということは、「インスリン抵抗性が高い」(インスリン効き目が悪い)状態を意味する度が過ぎる運動ミトコンドリア(Mitochondria)の機能障害惹き起こし耐糖能(Glucose Tolerance, 上昇した血糖値下げる、血糖値正常に保つ能力)も低下させてしまう。 ゲアリー・タウブスは、「『体重を減らす目的で、食べる量を減らして運動量増やす』という考え方一見筋が通っているように見えるが、実際に間違っているだけでなく、何の役にも立たない」、「We don't get fat because we overeat; we overeat because we're getting fat.」(「ヒト過食するから太るのではなく身体が今まさに太りつつあるから過食に走るのである」)と明言している。また、肥満は、エネルギーバランス、カロリー理論過食熱力学物理法則とは、何の関係も無い」「過食運動不足肥満の原因ではなく、あくまで『結果』でしかない」「『肥満』とは『栄養過剰ではなく、『栄養失調』の一種である」と断じている。また、「もしも座りがちな生活が我々を肥満にさせ、運動がそれを防いでくれるというなら、肥満ではなく痩せ』が流行するはずである。しかし実際には、運動熱の始まり同時に肥満の流行起こった」と指摘している。また、減量目標であり、あなたの健康と生活がそれに左右されるとしても、『1年半の間毎日努力続ければ脂肪を5ポンド(約2.3減らせるかもしれないと言われたら、あなたは26マイル(42km)を走れるようになるための訓練をするだろうか?」と問いかけている。

※この「減食と運動は無意味」の解説は、「肥満」の解説の一部です。
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減食と運動は無意味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 13:56 UTC 版)

ダイエット」の記事における「減食と運動は無意味」の解説

1990年代初期アメリカ国立衛生研究所(The National Institutes of Health)は、『The Women's Health Initiative』(『女性の健康構想』)と題した、約10億ドルに及ぶ研究行った。このとき、「低脂肪食事心臓病や癌を本当に予防できるか」という研究同時に行われた5万人近く女性登録しそのうち19,541人を無作為に選んだ研究1993年開始し8年続けられた。研究者たちは、参加した女性たち対し果物野菜全粒穀物食物繊維豊富なもの・脂肪少ないもの・・・これらを優先的に食べるよう指示した。この食事続けにあたり女性たち定期的にカウンセリング受けた脂肪の摂取量については、摂取カロリーのうちの38%から20%に減らすことを目標とし、参加した女性たちについて、体重増減コレステロール数値脳卒中心臓発作乳癌直腸癌その他の心血管疾患発症するかどうかについても調べた毎日の食事摂取カロリーは360kcal分減らし少ない量を食べ続けた参加した女性たちは「少なく食べるように」「脂肪少ないものを食べるように」「運動するように」という指示与えられ、「食べる量を減らして運動量増やす」を忠実にこなし続けた。 この生活を8年続けた結果女性たちは(実験開始前比べて1人あたり平均で約1kg体重減ったが、その腰回り膨らんだ。この事実意味するところは、「彼女ら身体から減ったのは脂肪ではなく筋肉である」ということである。また、研究者たちは「脂肪分の少な食事は、心疾患、癌、その他の病気予防できなかった」とも報告している。脂肪の摂取量が少な食事には、乳癌心臓病脳卒中発症リスク下げ効果も、閉経後の女性結腸直腸癌リスク下げ効果一切無かった彼女ら受けたカウンセリングおよび食事の意味として、意識的無意識的かを問わず、「少なく食べるよう心掛けた」ことである。「消費カロリー摂取カロリーを上回れ体重は減る」のが本当であるのなら、この試験参加した女性たち太った理由説明できなくなる。脂肪は1kgにつき、約7,000kcalのエネルギー相当する彼女らが、毎日の食事摂取カロリーを360kcal減らしていたのなら、実験開始して3週間で約1kgの脂肪減っていたはずであり、1年続ければ16脂肪が減る計算になる。試験開始時点で、参加した女性たち半数肥満体であり、大多数少なくとも過体重であった研究者たちは、「低脂肪食乳癌患うリスク下げるだろう」と考え栄養士たちは「脂肪の摂取量について、目標数値である20%まで下げれば、低脂肪食効果明白になった可能性がある」と述べた8年間かけて行われたこの研究結果アメリカ医師会雑誌(『Journal of the American Medical Association』)に掲載された。『女性の健康構想』の研究結果示しているのは、「癌や心血管疾患を防ぐという目的において、低脂肪食には何の効果も無い」ということである。 ハーバード大学研究者ブルース・ビストリアン(Bruce Bistrian)は、「減食食べる量を減らす)は、肥満対す処置にも治療法にもならない。最も目立つ症状一時的に緩和する方法しかない。もしも減食肥満対す処置にも治療にもならないとするなら、これは『過食肥満の原因ではない』ことを示す」と述べている。「過食肥満の原因である」という考え疑問投げかけるあらゆる理由の中で最も明確なものは、「肥満は、食べる量を減らして治せない」という事実である。 カリフォルニア州ローレンス・バークリー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)の統計学者ポール・ウィリアムス(Paul Williams)と、スタンフォード大学研究者ピーター・ウッド(Peter Wood)は、普段からよく走る習慣のある13000人を集め、これらのランナーたちの1週間累計走行距離と、年ごと体重変化比較する研究行った。ピーター・ウッドは、運動健康にどのような影響を及ぼすのかについて、1970年代から研究行っていた人物でもある。この13,000人のランナーについての研究では、最もたくさん走った人ほど最も体重少な傾向こそあったが、これらのランナー全員、「年を追うごとに太っていく(身体脂肪蓄積していく)」傾向にあった1970年代までに、「運動には肥満解消する効果は無い」という証拠多数あったが、研究者たちを「運動すれば体重維持あるいは減少できる」という信念駆り立てたのは、それが「真実である」と信じたがっていた彼らの願望と、公に「そうではない」と認めることに対する彼らのためらいがあった。研究者たちは、実際証拠何を示そうとも、「運動エネルギー消費肥満の程度決めるという考え後押しする結果だけ」を論議した一方で、この見解反証する証拠に対しては、その数がどれほど多かったとしても、無視した2007年ハーバード大学医学部長ジェフリー・フライアー(Jeffrey Flier)とその妻テリー・マラトス・フライアー(Terry Maratos-Flier)は、雑誌Scientific American』に論文寄稿しその中でヒト食欲エネルギー消費について、この2つ人間意識的に変えられるような代物ではない」「この2つ要素バランス補正結果脂肪組織増減につながるなどという、そんな単純な変数ではない」と述べている。 2007年8月アメリカ心臓協会(The American Heart Association)とアメリカ・スポーツ医学会(The American College of Sports Medicine)は、身体活動健康に関す要綱共同発表した。この団体専門家たちは、週に5日1日30程度精力的な運動が「健康を保ち促進するために必要である」と述べた。しかし、「肥満になることや痩せたままでいることに対して運動どのような影響与えるのか」という質問になると、彼らは以下のようにしか答えられなかった。 「1日あたりエネルギー消費の多い人は、それが少ない人に比べて時間とともに体重増える可能性が低い、と仮定することは理にかなっている。これまでのところ、この仮説支持する証拠となるものについては、『説得力がある』とは呼べない」 1960年疫学者のアルヴァン・ファインシュタイン(Alvan Feinstein)は、医学雑誌The Journal of Chronic Diseases』に掲載され批評様々な肥満治療の有効性について分析しその中で、「エネルギー消費量増やすという点において、運動何の役にも立たない」とし、肥満治す手段として「運動」を却下した。ファインシュタインは、「体重を減らす目的十分なカロリー消費するには、『やり過ぎ』と呼べるぐらいの身体活動必要になる。 さらに、身体運動食べ物対す欲求惹起しその後カロリー摂取量が、運動中に失われたものを超えてしまう可能性出てくる」と指摘した1973年10月アメリカ国立衛生研究所肥満についての会議主催した。この会議参加者1人スウェーデン人研究者、パル・ビヨントルプ(Per Björntorp)は、肥満運動に関する自身臨床試験結果について報告した。ビヨントルプは肥満体被験者7人に対して3回運動計画実施し半年続けた結果は、半年間の運動経て被験者たちの身体は相変わらず重く太ったままであった1977年アメリカ国立衛生研究所2度目肥満会議主催した。この会議集まった専門家たちは最終的に以下の結論達した。 「体重管理における運動の重要性信じがたいほどに低い。ヒト運動量増やせば、同時に食べる量も増えがちになり、運動による消費エネルギー増加食べる量の増加に勝るのかどうか、それを予測するのは不可能である」。 1989年デンマーク人研究者が、身体活動体重減少に及ぼす影響について研究結果公表している。普段から座りがちな被験者を、マラソン(26.2マイル)を走れるよう訓練させた。18か月間の訓練経て被験者らは実際にマラソン参加した。この研究参加した18人の男性体脂肪平均で5ポンド(約2.3減っていたが、女性被験者9人については、「体組成変化一切見られなかった」と書いている。この年ニューヨークにあるセントルーク・V・ルーズヴェルト病院肥満研究センター長、ハビエール・ピサニイェール(Xavier Pi-Sunyer)は、「運動量増やせ体重減らせる」という考え分析している現存する試験について再調査行った彼の結論以下のとおりであった。「体重と体組成における減少増加について、変化一切見られなかった」。 1950年代半ばハーバード大学栄養学者ジョン・マイヤーJean Mayer)は、ラット使ったある実験行った毎日数時間強制的に運動させられラットと、運動強制されなかったラットとで、ラット食事量と体重の変化について研究した運動プログラム沿って運動行ったラットは、運動をしなかった日にはより多く餌を食べ運動をしていない時には身体動かさないようにすることで消費エネルギー減らした一方運動強制されラット体重は、運動強制されなかったラットと「全く同じまま」であった。そして、実験用ラットがこの運動プログラムか解放されると、かつてなかったほどの量の餌を食べるようになり、運動強制されなかったラットよりも、歳とともに急速に体重増えたまた、ハムスターアレチネズミ使った研究では、運動させると「体重と体脂肪増加する結果終わったこのように運動は、動物肥満にさせることはあっても痩せさせることは無かった1970年代まで一般アメリカ人多くは、避けられるであれば空いた時間汗を流すべきであるとは考えていなかった。1977年ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)は当時アメリカについて、「運動熱の高まり真っ只中にある」と報じた1960年代アメリカではExercise is bad for you」(「運動身体に毒である」)というのが広く行き渡った考え方であったが、それがいつしか、「Strenuous exercise is good for you」(「苦痛覚えるほどの運動身体良いのだ」)と変遷していった。 2019年発表された研究で、24週間毎日ウォーキング続けることで身体に及ぼす影響について調べ実験が行われた。歩数それぞれ10000歩、12500歩、15000歩であった結果は、除脂肪体重増えた脂肪増加し体重は全く減らなかった。研究者らは、「ウォーキングには、体重増加脂肪増加を防ぐ効果見られなかった」と結論付けている。 ジョギング普及させたことで知られるジム・フィックス(Jim Fixx)は、自身ジョギング励んでいる最中心臓発作起こして倒れそのまま死亡しており、運動身体臓器負担をかける。東イリノイ大学教授運動生理学マラソン生理学専門家、ジェイク・エメット(Jake Emmett)はジム・フィックス死について、「彼の死は、走る行為冠状動脈性心疾患(Coronary Artery Disease)を防げないだけでなく、突然死を招く可能性出てくることを世界中確信させた」と書いている。 ジョギング最中およびジョギング終えた直後冠状動脈性心臓病(Coronary Heart Disease)で死亡する例は決して珍しいものではない。精良運動能力運動中の死亡事故から身体保護することを示す証拠は無い。度が過ぎる運動ミトコンドリア(Mitochondria)の機能障害惹き起こし耐糖能(Glucose Tolerance, 上昇した血糖値下げる、血糖値正常に保つ能力)も低下させてしまう。 ゲアリー・タウブスは、「『体重を減らす目的で、食べる量を減らして運動量増やす』という考え方一見筋が通っているように見えるが、実際に間違っているだけでなく、何の役にも立たない」、「We don't get fat because we overeat; we overeat because we're getting fat.」(「ヒト過食するから太るのではなく身体が今まさに太りつつあるから過食に走るのである」)と明言している。また、肥満は、エネルギーバランス、カロリー理論過食熱力学物理法則とは、何の関係も無い」「過食運動不足肥満の原因ではなく、あくまで『結果』でしかない」「『肥満』とは『栄養過剰ではなく、『栄養失調』の一種である」と断じている。また、「もしも座りがちな生活が我々を肥満にさせ、運動がそれを防いでくれるというのなら、肥満ではなく痩せ』が流行するはずである。しかし実際には、運動熱の始まり同時に肥満の流行起こった」と指摘している。また、減量目標であり、あなたの健康と生活がそれに左右されるとしても、『1年半の間毎日努力続ければ脂肪を5ポンド(約2.3減らせるかもしれないと言われたら、あなたは26マイル(42km)を走れるようになるための訓練をするだろうか?」と問いかけている。

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減食と運動は無意味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 18:10 UTC 版)

フィジカルトレーニング」の記事における「減食と運動は無意味」の解説

1990年代初期アメリカ国立衛生研究所は、『The Women's Health Initiative』(『女性の健康構想』)と題した、約10億ドルに及ぶ研究行った。このとき、「低脂肪食事心臓病や癌を本当に予防できるか」という研究同時に行われた5万人近く女性登録しそのうち19541人を無作為に選んだ研究1993年開始し8年続けられた。研究者たちは、参加した女性たち対し果物野菜全粒穀物食物繊維豊富なもの・脂肪少ないもの・・・これらを優先的に食べるよう指示した。この食事続けにあたり女性たち定期的にカウンセリング受けた脂肪の摂取量については、摂取カロリーのうちの38%から20%に減らすことを目標とし、参加した女性たちについて、体重増減コレステロール数値脳卒中心臓発作乳癌直腸癌その他の心血管疾患発症するかどうかについても調べた毎日の食事摂取カロリーは360kcal分減らし少ない量を食べ続けた参加した女性たちは「少なく食べるように」「脂肪少ないものを食べるように」「運動するように」という指示与えられ、「食べる量を減らして運動量増やす」を忠実にこなし続けた。 この生活を8年続けた結果女性たちは(実験開始前比べて1人あたり平均で約1kg体重減ったが、その腰回り膨らんだ。この事実意味するところは、「彼女ら身体から減ったのは脂肪ではなく筋肉である」ということである。また、研究者たちは「脂肪分の少な食事は、心疾患、癌、その他の病気予防できなかった」とも報告している。脂肪の摂取量が少な食事には、乳癌心臓病脳卒中発症リスク下げ効果も、閉経後の女性結腸直腸癌リスク下げ効果一切無かった彼女ら受けたカウンセリングおよび食事の意味として、意識的無意識的かを問わず、「少なく食べるよう心掛けた」ことである。「消費カロリー摂取カロリーを上回れ体重は減る」のが本当であるのなら、この試験参加した女性たち太った理由説明できなくなる。脂肪は1kgにつき、約7000kcalのエネルギー相当する彼女らが、毎日の食事摂取カロリーを360kcal減らしていたのなら、実験開始して3週間で約1kgの脂肪減っていたはずであり、1年続ければ16脂肪が減る計算になる。試験開始時点で、参加した女性たち半数肥満体であり、大多数少なくとも過体重であった研究者たちは、「低脂肪食乳癌患うリスク下げるだろう」と考え栄養士たちは「脂肪の摂取量について、目標数値である20%まで下げれば、低脂肪食効果明白になった可能性がある」と述べた8年間かけて行われたこの研究結果アメリカ医師会雑誌(『Journal of the American Medical Association』)に掲載された。『女性の健康構想』の研究結果示しているのは、「癌や心血管疾患を防ぐという目的において、低脂肪食には何の効果も無い」ということである。

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