小説版あらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 00:58 UTC 版)
「ロロナのアトリエ 〜アーランドの錬金術士〜」の記事における「小説版あらすじ」の解説
初めての調合に一喜一憂したり、採取に出かけて青ぷにや緑ぷにに敗北したりしていた頃から1年。ロロナも腕を上げ、多少のドジを踏みつつも近くの森に大量発生した怪鳥ヴァルチャーを退治する王国依頼を達成し、それを苦々しく思う大臣メリオダスの思惑をよそに、ロロナのアトリエは2年目の運営に入っていた。しかしアトリエに対する人々の評価は上がっているものの錬金術に対する偏見は根強く、それを見かねたステルクの提案をきっかけに、ロロナとその仲間たちは人々に錬金術への理解を深めてもらおうと、12月の王国祭で錬金術を題材にした舞台劇を上演する計画を立てる。 師匠アストリッドが考案した脚本は、 かつてアストリッドが子供の頃のロロナに何度も聞かせていた、聞くたびに結末が変化する不思議な物語『〈偉大な錬金術士〉のアトリエ』(マリーのアトリエ)を原作とした翻案作品。最終的には錬金術を極めて「賢者の石」を作り上げたとも、竜や魔王を退治して冒険者として活躍したとも、課題を達成できずに教師に激怒されるバッドエンドを迎えたとも言われる、落ちこぼれの錬金術士の少女の成長物語である。ロロナはその錬金術士の少女(マリー)役を、ステルクは意地悪な優等生(クライス)役、クーデリアは健気な親友(シア)役、イクセルは頼れる戦士(ルーウェン)役、リオネラは南国の女剣士(ミュー)役、タントリスは盗賊の首領(シュワルベ)役、ティファナは女教師(イングリド)役、エスティは販売員(アウラ)役、ハゲルは武器屋の親父役、その他ホム男、ホム女、コオル、ホロホロ、アラーニャらは妖精さん役、パメラはナレーション……といった配役が決まり、劇の準備と練習が始められる。 ロロナとステルクは演技が得意ではなく、役作りに苦戦する。泡立つ水の採取のために水着を持って来たネーベル湖畔でアイディアを出し合ったり、匿名で劇の中止を要求するメリオダスからの脅迫状に恐怖したり、舞台演出に用いるアイテムを調合したり、王国依頼で王国祭に用いる大砲とたるの素材を準備したりしながら、ロロナは自分が演じる錬金術士(マリー)の偉大さに思いを馳せる。そんなある日、迂闊にもジオからのフレンドクエストの期日を破ってしまい自己嫌悪に陥っていたロロナは、ステルクが自分に対する陰口を言っている現場を見てしまう。更にアストリッドは脚本を最後まで完成させないまま旅に出てしまい、突き放されたと感じたロロナは落ち込む。しかし皆に励まされ支えられ、クエストの期日を守れるようスケジュールを練り直し、どうにか皆で作った脚本も完成して王国祭の日を迎えたロロナは、ステルクの陰口と思っていたものが、マリーを罵るクライス役の演技の練習であったと知って安堵する。 舞台の幕が上がると、調合に失敗して爆発する場面を爆弾で再現したり、うにを投げて戦闘シーンを再現したり、冬の採取地を表現するために舞台を凍らせたりといった演出は好評を博し、病気で倒れたシアのため、マリーが困難なエリキシル剤の調合を決意して採取地に向かう場面での熱演は観客を惹きつける。メリオダスによる妨害で本物の盗賊とゴロツキの乱入があるものの、タントリスの機転で劇は破綻せず、仲間たち総出演の殺陣でこれを退ける。アドリブで進行していく劇の中、物語の中のマリーに自分を重ねたロロナは、「みんなを幸せにしたい」という自分自身の願いを見いだす。劇中のマリーはエリキシル剤の調合を成功させ、物語は無事に大団円を迎える。劇の最後はアストリッドの最後の意向で「実はクライスはマリーのことが好き」であることを打ち明ける告白で締めくくられ、王国依頼でロロナが献上した大砲による祝砲や花火が華を添える。 最後に『〈偉大な錬金術士〉のアトリエ』の物語が、アストリッドがその師匠から聞かされていたもので、過去の錬金術士たちの物語が混ざり合ってマルチストーリー化したものであるという設定が明かされたり、その後日の様子などを描いたりしてから、アトリエの運営が3年目に入る場面で小説は終わる。
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小説版あらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 03:41 UTC 版)
天体物理学者たちは、太陽内部の水素がヘリウムに転換する速度が、突然加速したのを発見した。そこで一万を超える探査機を太陽に射ち込み、太陽の完璧で正確な数学模型を創り上げた。大型コンピューターでこれを計算した結果、太陽はすでにメインシークエンスの段階から偏移しつつあることが明らかになった。ヘリウム元素の核融合が非常に短時間のうちに太陽の内部全体に伝わり、激しいヘリウムフラッシュ(爆発)が起こり、地球は消滅してしまう。そして太陽は、巨大だが暗い赤色巨星に変わってしまう。これらは400年以内に発生すると計算され、物語の開始時点では380年が経過していた。人類が生存する唯一のチャンスは、太陽系外の恒星系に移住することである。地球から最も近い4.3光年離れたケンタウルス座の恒星(プロキシマ・ケンタウリ)が目標となった。この点では地球規模の合意に達し、論議の争点は移民の方法になった。 宇宙船を建造して移住する方法も考えられたが、物語世界の設定では、宇宙船のサイズは、上海、ニューヨークくらいが技術的限界である。プロキシマ・ケンタウリには惑星は無く(事実とは異なる)、一番近い惑星を有する恒星は850光年離れている設定である。人類に建造できる最も速い宇宙船でも、光速の0.5%である。850光年先に行くためには17万年かかる。宇宙船規模の生態系では、その10分の1の時間も維持することはできない。こうした理由から、地球をプロキシマ・ケンタウリに移動させることになった。岩石を燃料とする重元素核融合で動く「地球エンジン」を、堅牢な地盤を持つアジア・アメリカ大陸に、計1万2千基を建設した。エンジンの燃料となる岩石を確保するために、世界各地の山岳地帯が掘削機械で切り崩された。計画前半の500年間で、アジア大陸の山脈の半分が消費される計画である。 第一段階では、地球エンジンを使って地球の自転を停止させ、エンジンの噴出口を太陽とは逆方向に固定する。この段階は、連合政府(世界政府)の初期計画よりも3年長い42年を要した。エンジンが発する高熱による地球温暖化で、極地の氷が解け、津波に拍車がかかり、上海は百メートルの巨大な波に呑み込まれた。第二段階では、地球を太陽系から飛び出せる速度まで加速させ、太陽の周囲を15回公転した後に、太陽系を脱出する。第三段階では、外宇宙でも加速を継続し、地球エンジンを500年間稼働させる。それから一定の速度で1300年間航行する。第四段階では、エンジン噴出口の向きを変え、500年間の減速をする。第五段階では、100年間をかけてプロキシマ・ケンタウリの軌道に乗り、その惑星となる。これらの全行程は2500年間、百世代にわたり続く。行程における極端な高温、低温を避けるために、人類は世界各地に建造された地下都市に移住した。地球は、衛星である月を連れていくことができないので、月にもエンジンを付け、地球周回軌道から切り離した。 太陽系からの脱出時には、加速度と運行軌道の改変により、地球の火山活動が活発化し、各地の地下都市にマグマが流れ込む被害が頻繁に発生した。地球が、小惑星帯に接近した時には、宇宙艦隊が反物質爆弾を使って、接近した小惑星を迎撃した。迎撃に失敗した小惑星の一部は、地球と衝突した。主人公である中国人男性の父は、宇宙艦隊のパイロットだったが、小惑星を迎撃するために、単座宇宙船を操縦している時に、小惑星と衝突して死亡した。こうした困難を乗り越えて、地球は木星とのスイングバイを成功させ、太陽系からの脱出速度に達した。主人公は、日本人女性の加代子と結婚し、子供が生まれた。 しかし、太陽の表面的な見た目は、以前と変化していなかったことから、太陽の寿命が近いとの説は誤りだったのではないかと考える人が相次いだ。地球を元の軌道に戻すことを求める人々が、世界各地で反乱を起こし、敗北した連合政府の首脳など5千人が処刑された。しかし、処刑が実施された直後に、太陽はヘリウムフラッシュを起こし、赤色巨星になった。加代子は、反乱軍に加わり死亡した。 物語の最後は、地球が冥王星の軌道を越えて20年(冒頭からは半世紀以上)後、主人公が老年になった時期である。外宇宙の極端な低温で、地球の空気は凍結で固体化して、地表に散らばった。地球が将来、ケンタウリに到達して、固体の空気が解け、青空が復活し、2千年以上を経た植物の種がよみがえり、大地は再び緑となる日を想像して、老いた主人公の目を涙が潤した。
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