堺市 地理

堺市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/17 03:39 UTC 版)

地理

堺市中心部周辺の空中写真。1985年撮影の10枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

大阪平野のやや南を西流する大和川の左岸下流域に位置する。大阪湾に西面し、北は大阪市、北東は松原市、東は羽曳野市富田林市、南東は大阪狭山市河内長野市、南西は和泉市高石市に接している。市内は7つの行政区に分かれ、堺区が北西部に、美原区が東端部に位置する他は、中区東区西区南区北区と方位による区割となっている。

地形

市域は丘陵台地低地埋立地に分けられる。泉北丘陵に堺市最高点(標高268.9m)がある。信太山台地に位置する大仙陵古墳(標高44m)は「大山古墳」とも表記されるが、高さ35mの古墳である。低地に位置する蘇鉄山(標高6.97m)は築山堺台場跡)である。

丘陵

  • 泉北丘陵
  • 富田林丘陵

台地

  • 信太山台地
  • 美原台地

河川

湖沼

湾岸

気候

典型的な瀬戸内海式気候である。以下は気象庁が公開しているデータ[7]

堺市大仙公園、標高20m)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 19.1
(66.4)
23.9
(75)
25.6
(78.1)
30.2
(86.4)
33.0
(91.4)
36.3
(97.3)
38.3
(100.9)
39.7
(103.5)
36.8
(98.2)
32.7
(90.9)
28.6
(83.5)
25.5
(77.9)
39.7
(103.5)
平均最高気温 °C°F 9.6
(49.3)
10.5
(50.9)
14.3
(57.7)
20.0
(68)
24.9
(76.8)
28.1
(82.6)
32.0
(89.6)
33.9
(93)
29.6
(85.3)
23.6
(74.5)
17.8
(64)
12.3
(54.1)
21.4
(70.5)
日平均気温 °C°F 5.6
(42.1)
6.0
(42.8)
9.3
(48.7)
14.6
(58.3)
19.4
(66.9)
23.1
(73.6)
27.2
(81)
28.6
(83.5)
24.6
(76.3)
18.6
(65.5)
12.9
(55.2)
7.9
(46.2)
16.5
(61.7)
平均最低気温 °C°F 1.6
(34.9)
1.7
(35.1)
4.5
(40.1)
9.3
(48.7)
14.4
(57.9)
19.1
(66.4)
23.4
(74.1)
24.5
(76.1)
20.6
(69.1)
14.3
(57.7)
8.4
(47.1)
3.9
(39)
12.1
(53.8)
最低気温記録 °C°F −5.0
(23)
−5.3
(22.5)
−3.3
(26.1)
−1.1
(30)
4.1
(39.4)
9.1
(48.4)
15.5
(59.9)
16.6
(61.9)
9.7
(49.5)
2.7
(36.9)
−0.9
(30.4)
−3.4
(25.9)
−5.3
(22.5)
降水量 mm (inch) 48.3
(1.902)
57.8
(2.276)
97.8
(3.85)
92.2
(3.63)
126.7
(4.988)
164.1
(6.461)
154.2
(6.071)
87.3
(3.437)
139.0
(5.472)
139.3
(5.484)
74.6
(2.937)
51.9
(2.043)
1,232.9
(48.539)
平均降水日数 (≥1.0mm) 6.4 6.9 9.5 9.3 9.6 11.8 10.3 6.6 10.0 8.9 6.8 6.6 102.6
平均月間日照時間 138.3 138.7 173.5 194.6 206.9 160.6 190.6 228.6 160.4 163.0 147.5 138.7 2,041.4
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年[8]、極値:1977年-現在[9])


地域

市内の地名

行政区

(1) 堺区 (2) 北区
(3) 西区 (4) 中区 (5) 東区 (6) 美原区
(7) 南区

次の7区が設置されている。詳細は各区の項を参照のこと。

コード 区名 人口
(人)[注 2]
面積
(km2)
人口密度
(人/km2
(1) 27141-1 堺区 149,451 23.66 6,317
(2) 27146-2 北区 156,874 15.60 10,056
(3) 27144-6 西区 132,804 28.62 4,640
(4) 27142-0 中区 117,521 17.88 6,573
(5) 27143-8 東区 84,455 10.49 8,051
(6) 27147-1 美原区 36,659 13.20 2,777
(7) 27145-4 南区 130,607 40.39 3,234

西部(堺区・西区)

沖積平野を含みおおむね平坦で、海岸線に沿って南北に通る紀州街道国道26号大阪府道204号)と熊野街道(小栗街道。大阪府道30号)に沿って早くから市街化している。元来の市街地である堺区の環濠内は紀州街道を大道と称して南北幹線としており、西区の中心となるは小栗街道に沿う大鳥大社鳥居前町として発展した。鉄道も両街道に沿うように南海本線阪堺線阪和線が通っている。これらの他、環濠内の堺市街地から東へ長尾街道大阪府道12号)と竹内街道大阪府道31号)、南東へ西高野街道国道310号)が伸び、鉄道は西高野街道に沿うように南海高野線が通っている。

おおむね熊野街道の東側は信太山台地と呼ばれる高台が広がり、閑静な住宅地が多い。上野芝駅に近い霞ヶ丘や向ヶ丘といったやや規模の大きい住宅地は阪和線の母体である阪和電気鉄道により昭和初期に分譲された。また、この高台には北区にかけて古墳が多い(百舌鳥古墳群)。沿岸部は旧堺港南側の大浜海岸をはじめとして、かつては一大海浜リゾート地で知られ、西区の浜寺には高級住宅街も建設された。しかし、堺泉北臨海工業地帯の造成によって石津川以北は往時を偲ぶ影もなくなり、以南の浜寺水路と浜寺公園林に辛うじて名残が見られる。

中南部(中区・南区)

信太山台地から南へ泉北丘陵が広がり、石津川水系の河川に沿って古くからの集落が見られる。上述の交通網の影響から、交通過疎地といった状態が続いて発展が遅れていたが、泉北ニュータウンの開発で一変し、大阪市のベッドタウンとなった。鉄道は南海高野線に乗り入れる泉北高速鉄道が縦断する。また、この地域は須恵器の窯跡が多数発掘されている(陶邑窯跡群)。

東部(北区・東区・美原区)

西除川を境に西側の信太山台地と東側の美原台地に分かれる。台地は比較的平坦であるが、東除川の東側には富田林丘陵が広がる。西除川と東除川はどちらも狭山池の放水路であり、かつ大和川水系の河川である。大半が南河内郡の旧郡域にあたる。

東区では、昭和初期から高野沿線で住宅開発が行われ、南海鉄道(現・南海電気鉄道)の分譲による初芝住宅や、街の中央に噴水広場を設けた大美野の高級邸宅街が開発されている。第二次世界大戦前は堺市街の東縁・東郊に過ぎなかった北区は戦後、金岡団地新金岡団地、中百舌鳥公園団地等の開発で急速に市街化した。1987年には御堂筋線なかもず駅まで延伸され、現在では泉北ニュータウンから伸びる泉北高速鉄道と大阪市内へ向かう御堂筋線の接続駅として、多くの人に利用されている。また、この地域は美原区を中心に河内鋳物師ゆかりの地である。現在は何れの区も典型的な大阪市のベッドタウンとなっている。

新興住宅地

人口

2010年以降、人口は減少傾向にある[10]

堺市と全国の年齢別人口分布(2005年) 堺市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 堺市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
堺市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 616,558人
1975年(昭和50年) 777,009人
1980年(昭和55年) 839,421人
1985年(昭和60年) 852,864人
1990年(平成2年) 844,899人
1995年(平成7年) 840,384人
2000年(平成12年) 829,636人
2005年(平成17年) 830,966人
2010年(平成22年) 841,966人
2015年(平成27年) 839,310人
2020年(令和2年) 826,161人
総務省統計局 国勢調査より


隣接自治体・行政区


注釈

  1. ^ 商店街の名称及びバス停名には残るが、地名としては消滅している。
  2. ^ いずれも2024年6月1日時点の推計人口
  3. ^ 堺市消防局。堺市高石市消防組合を前身とする。大阪狭山市の受託は2021年(令和3年)4月1日からである。
  4. ^ 2018年2月28日をもって一時閉店
  5. ^ 元は高島屋と関係がある丸高ストア
  6. ^ 大阪市ではあるが、大和川の南側の地域で、松原市に食い込んでいる。

出典

  1. ^ 政令指定都市比較資料(面積・人口・区役所組織等)大阪府(2021年4月27日閲覧)
  2. ^ 国勢調査でみる堺 平成27年度国勢調査結果”. www.city.sakai.lg.jp. 2022年2月4日閲覧。
  3. ^ 参考表)製造品出荷額等の全国順位(拡大版)”. 太田市. 2024年5月21日閲覧。
  4. ^ 魅力あふれる自由都市・堺”. www.city.sakai.lg.jp. 2023年9月8日閲覧。
  5. ^ 堺環濠都市遺跡”. www.city.sakai.lg.jp. 2023年9月8日閲覧。
  6. ^ 地名と市章の由来 堺市(2021年4月27日閲覧)
  7. ^ 堺(大阪府)観測史上1~10位の値(年間を通じての値)気象庁(2021年5月4日閲覧)
  8. ^ 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2023年11月8日閲覧。
  9. ^ 観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2022年7月2日閲覧。
  10. ^ GD Freak.com”. 2024年6月5日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i 堺歴史年表 堺市(2021年5月8日閲覧)
  12. ^ 小学校の倒壊相つぎ学童ら多数死傷『大阪毎日新聞』昭和9年9月21日号外(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p228 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  13. ^ 大阪府立三国丘高等学校. “紡がれる120年の歴史”. 2021年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月20日閲覧。
  14. ^ 『堺市学童集団下痢症報告書』2.患者数 堺市ホームページ(2012年12月19日)2022年5月24日閲覧
  15. ^ 開票結果”. 堺市. 2021年5月11日閲覧。
  16. ^ 市議会の構成 堺市(2021年5月12日閲覧)
  17. ^ a b 第19期大阪府議会議員一覧 選挙区別 大阪市議会(2021年5月12日閲覧)
  18. ^ a b 堺市の合併の歴史”. www.city.sakai.lg.jp. 2021年5月14日閲覧。
  19. ^ a b c 政令指定都市への歩み”. www.city.sakai.lg.jp. 2021年5月14日閲覧。
  20. ^ 【いいね!探訪記】ドカンと誕生、ものづくりの街 堺鉄砲館(堺市堺区)朝日新聞』夕刊2022年4月2日3面(2022年5月24日閲覧)
  21. ^ 命名権者との初回契約は2025年3月末まで。原山公園のネーミングライツ・パートナーが決定しました - 報道提供資料” (PDF). 堺市 (2020年2月28日). 2021年3月5日閲覧。
  22. ^ 海外姉妹・友好都市”. www.city.sakai.lg.jp. 2021年5月23日閲覧。
  23. ^ 国内友好都市”. www.city.sakai.lg.jp. 2021年5月23日閲覧。
  24. ^ 郵便局・ATMをさがす - 日本郵政グループ 大阪府堺市の検索結果”. 2022年8月11日閲覧。
  25. ^ a b 市外局番の一覧”. 2022年8月11日閲覧。
  26. ^ 教職員の懲戒処分について
  27. ^ “校長、テスト用紙を誤って破棄した女性教諭に「ばれたら文書訓告だ」”. 讀賣新聞オンライン. (2020年7月19日). https://www.yomiuri.co.jp/national/20200719-OYT1T50075/ 2020年7月19日閲覧。 
  28. ^ 藤本雅之 (2007). “新居浜の航空路回顧”. 愛媛県総合科学博物館研究報告 12: 20. https://www.i-kahaku.jp/research/bulletin/12/kagaku01.pdf. 
  29. ^ 森口誠之『鉄道未成線を歩く〈私鉄編〉』pp.148-150、JTB、2001年。
  30. ^ 大阪モノレールの延伸について (PDF) - 大阪府、2016年1月
  31. ^ ふれあいバス・みはらふれあい号廃止の告知 Archived 2013年9月20日, at the Wayback Machine.
  32. ^ 一等三角点 大浜公園 - 国土地理院測地部






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「堺市」の関連用語

1
デジタル大辞泉
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||

6
100% |||||

7
100% |||||


9
100% |||||

10
100% |||||

堺市のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



堺市のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの堺市 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS