アモルファス アモルファスの概要

アモルファス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/10 16:34 UTC 版)

amorphous は、morphous(形を持つ)に「非」の意味の接頭辞 a‐ が付いた語(19世紀スウェーデンイェンス・ベルセリウスが非結晶の固体に対して命名した[1])。結晶は、明礬水晶のようにそれぞれ固有の結晶形態を持っており、morphous である。しかし、急冷や不純物が混じった状態で出来た固体は、時間的空間的に規則的な原子配列が取れず非晶質となり、不定形である。

アモルファス状態は、非金属ではしばしば見られる状態である。しかし、金属にもアモルファス状態が存在することが、アメリカのポール・デュエイ英語版カリフォルニア工科大学教授によって1960年に発見されている。

潜晶質

アモルファスとされるものには結晶構造を完全にもたないものと、光学的には結晶構造が見られない場合でもX線回折ではハロー図形(halo pattern)を示す潜晶質とがある(ただし、潜晶質は結晶質と解される場合もある)。天然に産出する鉱物の場合、「非晶質」と言われるもののほとんどが潜晶質である(例:オパール、ネオトス石)。

特徴

均質で等方性であることが挙げられる。結晶が存在しないため、結晶粒界格子欠陥のような「弱い」構造が存在しないことが利点になる。

結晶状態とアモルファス状態では、同じ材料でも物性が大幅に変わることがある。例えば電気伝導性熱伝導性禁制帯幅光透過率光吸収率透磁率、物理的強度、耐蝕性、超伝導性などである。

製法

応用例

脚注

関連項目


  1. ^ ベルセリウス著(田中豊助、原田紀子訳)『化学の教科書』内田老鶴圃 47頁 ISBN 4-7536-3108-7


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