ヘルムホルツ共鳴とは? わかりやすく解説

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ヘルムホルツ共鳴器

(ヘルムホルツ共鳴 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/03 03:16 UTC 版)

ヘルムホルツ共鳴器の一例

ヘルムホルツ共鳴器(ヘルムホルツきょうめいき)は、開口部を持った容器の内部にある空気ばねとしての役割を果たし、共鳴共振)することでを発生する装置である[1]で、ヘルムホルツ共振器ともいう[2]。この装置で発生する共鳴をヘルムホルツ共鳴(Helmholtz resonance)と呼ぶ。

概説

ヘルムホルツ共鳴器の共振周波数固有振動数)は、容器の内容積と開口部の面積などによって決まる。日常的な例では、びんの開口部に横から息を吹きかけることで、一定の高さの音が発生し、びんの中に水を入れて内容積を減少させると、発生する音が高くなることが確認できる。口腔の内容積やの開き方などを加減して音高を変える口笛も、この一種とみなすことができる[1]

楽器に用いられる最も簡単な共振系であり、オカリナギターヴァイオリンホイッスルなどの共振系は、ヘルムホルツ共鳴器とみなせる。オカリナの場合は指孔を開閉して、開口部の面積(開いている指孔の面積の総和)を変えることによって音高を変化させる[2]。ギターやヴァイオリンなどの共鳴胴は、これを構成している板材自体も共振系なので、特定の周波数だけでなく、楽器の発生する広範囲の音に対して共鳴するのであるが、ヘルムホルツ共鳴器としての共振(「ヘルムホルツモード」と呼ばれる)も発生しており、それぞれの楽器に固有の音色音量を決める要素のひとつとなっている[3]

ヘルムホルツ共鳴器は、特定の周波数の音に共鳴する性質を利用して、楽音の中に含まれる倍音の検出や、さまざまな混合音の周波数成分分析に用いられていた。今日そのような目的にはソノグラフスペクトラムアナライザFFTアナライザ)などが使われるようになっている[3]が、現在も楽器はもちろんのこと、スピーカー建築物の吸音装置などの技術として利用されている[1]

固有振動数

体積V の容器(空洞)から、開口部の断面積S 、首の長さL の細いが伸びているとき、容器の内部にある空気はバネとしての役割を果たすので、管の内部に存在する空気塊は、運動方程式


ヘルムホルツ共鳴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 20:42 UTC 版)

インテークマニホールド」の記事における「ヘルムホルツ共鳴」の解説

インテークマニホールド集合部分に広い空間作ってサージタンク(英: surge tank)とし、各シリンダー接続される枝管長さ内径調整してヘルムホルツ共鳴を利用してエンジン性能向上させる設計とられる場合がある。吸入行程燃焼室へと送り込まれる気体速度高く吸気バルブ閉じられても気体には慣性働いて閉じたバルブ衝突する。これにより吸気ポート内の圧力脈動的に変化しエンジン回転速度、すなわち吸気バルブ開閉周波数によってはヘルムホルツ共鳴が発生する共鳴発生するエンジン回転速度枝管内径管長依存し、インテークマニフォールドを適切に設計して圧力高くなる位相吸気バルブが開くタイミング一致させることで吸気効率高くすることができる同時に共鳴がほかのシリンダー枝管影響する設計通り働き示さない場合があることから、管の集合部にはサージタンク設けて共鳴が他の枝管影響するのを抑える構造になっているキャブレター仕様V型8気筒エンジンクランク角位相が180度異なシリンダー吸気脈動分離するように二層分割型のサージタンクを持つインテークマニホールド採用される場合がある。一方シリンダーからもう一方への圧力波干渉減少しエンジン回転速度中程度領域において吸気流れ滑らかにすることでエンジン出力より高くなる。こうしたマニホールドは、元は2バレルや4バレルキャブレターのために設計されたが、燃料噴射装置普及した現在、スロットルボディインジェクションやマルチポイントインジェクション用いられている。

※この「ヘルムホルツ共鳴」の解説は、「インテークマニホールド」の解説の一部です。
「ヘルムホルツ共鳴」を含む「インテークマニホールド」の記事については、「インテークマニホールド」の概要を参照ください。

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