音の高さを変える方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 22:12 UTC 版)
弦楽器においては、発音体である弦の振動数は主に弦の長さや張力及び線密度(単位長さあたりの質量)によって決まるため、音の高さ(ピッチ)は共鳴胴の寸法や形状には依存しない。一方、管楽器の発音体であるリード(エアーリードを含む)の振動数は、管楽器の共鳴体である管内部の空気柱の長さ、音速、および構造(開管であるか閉管であるか)によって決まるため、単なる筒構造では基音とその倍音しか出すことができない。 そのため、一般的な管状の管楽器では、共鳴管の長さを変化させることによって共鳴する音の高さを変え、様々な高さの音を得る。金管楽器ではバルブ機構や二重管を用いたスライド機構(トロンボーン等)で実際の管の長さを変えることがほとんどだが、木管楽器の場合には、主として、管に側孔を開け、それを指または指に代わる機構によって開閉することにより、共鳴管の音響学的な長さを変化させる。このために開放する穴を音孔(トーンホール)という。邦楽・民族音楽・西洋の古楽で使われるような単純な(キー機構がない)木管楽器においては「音孔」を「指穴」と呼ぶことが多い。 音孔をすべて塞いだ状態が、その木管楽器の最も長い共鳴長となる。歌口から遠い方の音孔から順次開放していくと、共鳴長は歌口から最初の開放音孔までの長さに対応し、より高い音が得られる。順次音孔を開放していき、最初の倍音(閉管であるクラリネットでは第3倍音、その他では第2倍音)に達したら、再びすべての音孔を塞いで1オクターヴ高い倍音を奏する(実際の楽器では多少の例外が生じる)。 一方、共鳴器が管状でないオカリナなどはヘルムホルツ共鳴器に分類され、指穴を開閉すると共鳴空洞の体積に対する開口面積が変わり、これによって音高が変化する。
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