ポートの再構築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/15 05:44 UTC 版)
「インテークマニホールド#ヘルムホルツ共鳴」および「エキゾーストマニホールド#排気干渉」も参照 極めて高度な技術や大規模な加工施設が必要とされる作業であるが、元のシリンダーヘッドのポートを一度アルゴン溶接などで埋めてしまい、エアフロー試験などで流量などを慎重に検討した新しい形状のポートを、NCフライス盤やグラインダーなどで再度開け直すポート再構築の手法が存在する。 主に社外品ヘッドがまだ存在しなかった時代の海外のフォーミュラカーレース用のスペシャルエンジンに用いられていた手法であり、一般の市販車のチューニングではこれ程手間と費用が掛かる改造を施す例は稀である。 なお、今日の自動車メーカーではこうしたエアフロー試験を重ねた結果を元に純正ポートの形状を決定している事は言うまでもない。 ポート再構築の概念図。元々存在する曲がりの強い黄色のポートをアルゴン溶接で埋め、青色の新しい形状のポートに再加工する。 開け直すポートの形状も単に勘や当てずっぽうや行き当たりばったりで開けるのではなく、このようなエアフロー試験施設で流量や特性を極めて緻密に計算した上で、NCフライス盤などで正確に加工を行うのである。 悪いとされるポートの一例。フォード・フォーミュラ2000用エンジン(2000cc 115PS/5500rpm)のもので、シリンダーヘッドを極限まで薄く設計した事で、結果的にはポート形状に制約が生じてしまった一例である。ポート再構築の際にはこのような型取りを元のヘッドから取り出した上で慎重に検討を開始する。 良いとされるポートの一例。社外シリンダーヘッド「GM Pro Stock head」のもので、1300PS/8500rpm以上を発揮する。シリンダーヘッドを薄く設計出来るクロスフローレイアウトであっても、極限の出力を追求した場合このような形状の吸排気ポートと、分厚いシリンダーヘッドが必要になる。
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