Timex_Sinclair_1500とは? わかりやすく解説

Timex Sinclair 1000

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/18 00:07 UTC 版)

Timex Sinclair 1000
種別 ホームコンピュータ
発売日 1982年7月
販売終了日 1983年
OS Sinclair BASIC
CPU Zilog Z80A @ 3.25 MHz
メモリ 2 KB

Timex Sinclair 1000 (TS1000) は、タイメックスシンクレア・リサーチの合弁企業タイメックス・シンクレア英語版が製造販売した最初のコンピュータ。1982年7月に発売された。

目次

概要

TS1000は、Sinclair ZX81PALRFモジュレータNTSC版に差し替えたバージョンであり(ポルトガル版はPALのまま)、主基板上のRAM容量を2倍の2kBにしている。ケースはシールディングがZX81から若干改善されているが、キーボードはメンブレンキーボードのままである。表示はモノクロで、サウンド機能はない。その後、改良版の Timex Sinclair 1500 がリリースされている。

Sinclair ZX81 と同様、BASICを主インタフェース兼プログラミング言語としている。メンブレンキーボードでのプログラミングを多少容易にするため、BASICのコマンドを1文字の「キーワード」で入力できるショートカットシステムを採用している(例えば、キーワードモードで "P" を押下すると "PRINT" が入力される)。一部のキーワードは1文字では入力できず、複数文字によるショートカットになっている(例えば、SHIFT-ENTER S は "LPRINT" になる)。カーソルの形状を変化させることで、入力モードがわかるようになっていた。

アメリカでの発売当初99.95ドルで販売され、当時最も安価なホームコンピュータだった(広告でも "the first computer under $100" と謳っていた)。それがきっかけとなって低価格競争が始まり、コモドールVIC-20の価格を対抗できるレベルに下げ、さらにコモドール64購入時に他のコンピュータを一律100ドルで下取りするキャンペーンを行った。そのころTS1000は49ドルで売られていたため、多くの顧客がTS1000を買ってコモドール64購入時の下取りに出し、差額を儲けていた。

モノクロで32文字×24行の文字表示が可能である(24行のうち、1行はデータ入力専用、1行はエラーメッセージ表示用となっていた)。非ASCIIの文字セットに様々な図形文字があり、それらを組み合わせて擬似的なグラフィックス表示も可能である。永続的記憶装置としては、家庭用カセットテープレコーダーを接続して使用する。16kBのメモリ拡張モジュールが49.95ドルで売られていた。標準の2kBではほとんどソフトウェアが動作できず、メモリ拡張モジュールも品薄だったため、TS1000はプログラミングの入門用以外にはほとんど使えなかった。当時のパソコン雑誌 Compute! などでは、TS1000に様々な装置を接続する企画が掲載され、TI音声合成玩具 Speak & Spell英語版 を接続したり、メモリポート経由でロボットを制御したり、店頭広告用にディスプレイの表示をスクロールさせるといったことが行われていた。

TS1000の周辺にはその制約を打ち破るための様々な改造を施すサードパーティ業者が生まれた。フルサイズのキーボードを接続したり、音声合成機能を追加したり、サウンド機能を追加したり、ディスク装置を接続したり、メモリを64kBまで拡張したりといった改造が行われた。ForthPascalBASICコンパイラアセンブラなどの言語処理系も開発されている。Microcomputing誌の1983年4月号の記事では、TS1000のメンブレンキーボードを非難し、フルキーボードを外付けする方法を紹介している。

Timex Sinclair 1500

Timex Sinclair 1500

TS1500 はTS1000の後継機である。TS1000はキーボードとメモリ拡張モジュール関連で大きな問題を発生させていたため、タイメックス・シンクレアがそれらの問題に対処すべく設計した。ケースには TS2068 の発売決定で発売が見送られたTS2000の ZX Spectrum によく似た銀色のケースを流用した。キーボードは ZX Spectrum と同じゴム製のチクレットキーボードで、(フェランティ製ではない)カスタムULAを搭載し、主基板上に16kBのRAMを搭載している。

RFモジュレータを内蔵し、ディスプレイには普通のテレビを使用する。チャンネルは2または3で、デフォルトは2だが、電源投入時にキーボードの "3" を押下すると3チャンネルに変更される。

TS1500は16kBのRAMを内蔵しているが、16kBのメモリ拡張モジュールも接続可能で、合わせて32kBの容量が可能である。RAMパックを追加した場合、キーボードコマンド (POKE) をいくつか実行しないとそれを認識できない。

様々な改良を施したが、ZX81 の仕様は既に時代遅れであり、商業的には失敗に終わった。アメリカ以外にポルトガルでも販売されていた。

バグ

TS1000とTS1500にはソフトウェアに2つの若干の差異があった。

TS1000とZX81では、

LPRINT 0.00001

というコマンドを打ち込むとプリンターに 0.0XYZ1 と印字される。このよく知られたバグはTS1500では修正されている。

TS1000では、次のようなループを正しく実行できるが、TS1500ではうまくいかず、ループ回数が1回少なくなる。

10 FOR I = 0 TO 1 STEP .25
20 PRINT I
30 NEXT I

周辺機器

タイメックスはTS1000向けにROMカートリッジ・インタフェース Timex Sinclair 1510 Command Cartridge Player を製造販売した。TS1510 向けのROMカートリッジは4種類しか発売されていない。

  • 07-9001 Supermath
  • 07-9002 States and Capitals
  • 07-9003 Chess
  • 07-9004 Flight Simulator

なお、TS1000でTS1510を使う場合、16K RAMパックを必要とする。

外部リンク


Timex Sinclair 1500

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Timex Sinclair 1000」の記事における「Timex Sinclair 1500」の解説

TS1500 はTS1000後継機である。TS1000キーボードメモリ拡張モジュール関連大きな問題発生させていたため、タイメックス・シンクレアがそれらの問題対処すべく設計したケースには TS2068発売決定発売見送られたTS2000の ZX Spectrum によく似た銀色ケース流用したキーボードZX Spectrum と同じゴム製のチクレットキーボードで、(フェランティ製ではない)カスタムULA搭載し主基板上に16kBのRAM搭載している。 RFモジュレータ内蔵しディスプレイには普通のテレビ使用するチャンネルは2または3で、デフォルトは2だが、電源投入時にキーボードの "3" を押下すると3チャンネル変更される。 TS1500は16kBのRAM内蔵しているが、16kBのメモリ拡張モジュール接続可能で、合わせて32kBの容量が可能である。RAMパック追加した場合、キーボードコマンド (POKE) をいくつか実行しないとそれを認識できない様々な改良施したが、ZX81仕様は既に時代遅れであり、商業的に失敗終わったアメリカ以外ポルトガルでも販売されていた。

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