TNDMについてとは? わかりやすく解説

TNDMについて

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/22 14:41 UTC 版)

トレヴァー・デュピュイ」の記事における「TNDMについて」の解説

デュピュイが開発したのは、数値的戦術決定モデルTactical Numerical Deterministic Model : TNDM)といわれるトップダウン型コンピューター化され戦闘シミュレーションプログラムである。相対戦闘力と損害戦闘時間と戦場起動速度焦点当てて分析したデータをもとに戦術機動選択に役立つよう研究したのである多くアメリカ製シミュレーションモデルが、ボトムアップ方式採用している。これは個々兵器威力能力、とくに命中率と殺傷率を合計した数値から戦果予測するのであるこの方式は、異な種類兵器装備間の相互作用影響計算入れておらず、一定の人員装備兵器組み合わせが、過去実際戦闘においてどのような実効をあげたかという点の考察抜けている。つまり、兵器威力過大に評価しがちになる。まして部隊の単位大きくなったり、相互支援共同作戦を行うようになると、その調整自体発生する摩擦による損失計算を行うことができない。まして、人為的なミス組み入れ不可能である。 逆にトップダウン方式の手法は、まず歴史上戦闘結果をおのおのの戦闘における両軍人員兵器装備など数値比較し摩擦などの相互作用実質的な影響大まかに測ることができる。データベース十分な歴史的事実の例を蓄積することにより、ボトムアップ方式生じた歪み修正することが可能になるのである。 TNDMの欠点は、戦史データの収集データ対す解釈専門性にあるとされる軍事専門家分析しデータ作成しなければ誤りが出る。さらに戦史データ通常軍事機密属するので、一般学者ソフトメーカーの手には入らない例え一つ戦闘において、兵士死因がなんであるかはどこの国も公開しない判明してしまうと、相手側はその研究結果編成装備組み込んでしまうからである。TNDMは、米国防省から原資料提供されている。つまり、情報占有できる特定の国だけがこのシミュレーション活用しうるといえる。 デュピュイが開発したTNDMだけが、1991年1月から2月にかけての湾岸戦争原因結果正しく予想できたとされている。米軍陸・海・空軍統合軍作戦見積もりにおける兵士損害は2~3万人であった。ところがTNDMでは、約1000人との損害予想であった国防省はTNDMの見積もり信用せず膨大な医療準備中心とする兵站部隊と物資ペルシャ湾地域整えた。しかし、結果はTNDMの見積もりどおり4日間でクウェート奪回し、その損害は約500であったとされる

※この「TNDMについて」の解説は、「トレヴァー・デュピュイ」の解説の一部です。
「TNDMについて」を含む「トレヴァー・デュピュイ」の記事については、「トレヴァー・デュピュイ」の概要を参照ください。

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