Modus Indorum
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/11 02:55 UTC 版)
「算盤の書」の記事における「Modus Indorum」の解説
「算盤の書」において、フィボナッチは次のようないわゆるModus Indorum(インドの方法)を紹介している。それは今日ではアラビア数学として知られるものである。 私の父が故国からブギア(現アルジェリアのブージー)の税関の州当局者に任命された後、彼はそこに集まるピサの商人から税金の徴収をしていた。そして、将来の有用性、利便性から少年であった私もそこに連れて行き、そこで私に将来のため計算の勉強に専念し、指導を受けることを望んでいた。そこで、次の素晴らしい技術の指導の結果としての私のヒンディーの9つの数字の序論とは、他の何よりも私の興味を引いた技術の知識である。それのために私はその全ての側面がエジプト、シリア、ギリシャ、プロヴァンスで様々な方法で研究されたことに、その後これらの地では、商業の傍らで気付いた。私は深い勉学と論争の意見交換の学習を推し進めた。しかし、ピタゴラスなどの幾何学など、それら全ては「ヒンディーの方法」と比べるとほとんど間違っているとわたしは考えた。 それ故に、私はヒンドゥーの方法をより厳格に組み込み、なお一層研究に骨を折りながら、私の知識から幾分かのものを付け加え、またユークリッド幾何学の技術の精密さからもいくつかのことを挿入し、この本を丸ごと、できるだけ分かりやすく、15の章に分けて構成した。私が正確な証明とともに発表したほぼ全ての導入したものは、この知識のさらなる探究のため、その優れた方法で指導されるかもしれない。そして将来、今までのように、ラテン語の民はそれ無しでは発見できないかもしれない。もし私がたまたま何かを多かれ少なかれ適切もしくは必要なことを書き落としていたら、私は許しを乞う。責任のない者も、完全に全てのことに用心深い人もいないのだから。 9つのインドの数は、1,2,3,4,5,6,7,8,9である。これら9つの数に記号0を加えれば、どのような数でも書き表せるだろう。 つまり、彼はこの本で0から9の数字及び桁の値の使用を提唱している。 彼は著作において新しい数学体系の実用的な重要性を、格子乗算とエジプト式分数を用いながら、それを簿記、単位の換算、利子の計算、両替、その他多くの用法に応用することで示している。この十個の数の使用が三世紀後の1585年に活版印刷術が発明されて初めて広まったにもかかわらず、この本は写本という形でヨーロッパの知識層へ広く受け入れられ、ヨーロッパ人の考え方そのものに大きな影響を及ぼした。
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