H.P.45(H.P.42W)
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「ハンドレページ H.P.42」の記事における「H.P.45(H.P.42W)」の解説
H.P.45は、インペリアル・エアウェイズのヨーロッパ路線用として、航続距離と貨物搭載能力を減らす代わりに、より多くの乗客を運べるようにしたものである。 G-AAXC「ヘラクレス」号 G-AAXCは、ギリシャ神話の有名な英雄で、ゼウスとアルクメーネーの息子ヘーラクレースの名が付けられた。ヘラクレス(Heracles)号の初飛行は1931年8月8日で、1940年3月3日にイギリス空軍に徴用された。本機はブリストルのウィットチャーチ空港で1940年3月19日に強風によってハンノ号と衝突し、ともに修理不能の損害を受けた。 本機はベルギーのコミック「ヨーコ・ツノ」の第5巻『永遠へのメッセージ(en:Message pour l'éternité)』に登場し、またロイ・ロックウッドが1934年に製作した短篇ドキュメンタリー『空港(Airport)』でも取り上げられている G-AAXD「ホラティウス」号 G-AAXDは、古代ローマの伝説的な英雄ホラティウスの名が付けられた。ホラティウス(Horatius)号は1931年11月6日に初飛行した。1938年9月、ホラティウス号はケント州リム空港で不時着し、左舷下部と左の下翼に損害を受けたが、修理を受けてサービスに復帰した。第二次世界大戦は始まると空軍に徴用された。1939年11月7日、輸送任務でフランスから戻る途中、悪天候により目的地のエクセターを見出すことができず、デヴォン州ティヴァートンのゴルフコースに緊急着陸したが、その際2本の木に衝突して破壊された。 G-AAXE「ヘンギスト」号 G-AAXEは当初「ヘスペリデス(Hesperides)」号と名付けられたが、すぐに伝説的なイギリスの征服者でホルサの兄弟であるヘンギスト(Hengist)の名に改称した。ヘンギスト号は1931年12月8日に初飛行した。後にヨーロッパ航路用から東方航路用に改造された。ヘンギストは1937年5月31日、カラチでの飛行船格納庫火災事故に巻き込まれて焼失した。本機はH.P.42 / 45のうち第二次世界大戦前に失われた唯一の機体である。また、クロフツの倒叙推理小説『クロイドン発12時30分』の冒頭に登場する旅客機も本機である。 G-AAXF「ヘレナ」号 G-AAXFは「トロイのヘレン」として知られるギリシャ神話のヘレネーから、「ヘレナ(Helena)」と名づけられた。初飛行は1931年12月30日だった。その後ヘンギスト号と同じく東方空路用に改造された。ヘレナ号は、1940年5月に空軍第271飛行隊に徴用された。同年、着陸事故を起こして飛行停止となり、事故後の検査によって腐食のため廃棄処分と決定され、1941年にスクラップとなった。しかし胴体前部はなお数年の間、イギリス海軍のオフィスとして使用されていた。 H.P.45「ヘレナ」号(G-AAXF)
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