ハンノ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 08:16 UTC 版)
「傭兵の乱 (カルタゴ)」の記事における「ハンノ」の解説
カルタゴのアフリカ軍団の司令官として、ハンノが出陣した。配下軍のアフリカ人は大半が忠誠を保った。彼らは同輩アフリカ人との対決行動には慣れていた。配下の非アフリカ部隊はシチリア島の軍が逐われた際にカルタゴ宿営を続けており、同様に忠誠を保った。未だシチリアに駐留していた僅かな軍勢がこの時点に至る支払いを受けてハンノとともに転進し、また新たな部隊を雇うための金が調達された。不明な数のカルタゴ市民がハンノの軍に編入された。ハンノがこの軍勢を編成した頃には、反乱軍は既にウティカとヒッポ(現在のビゼルト)を封鎖していた。 紀元前240年の初め、ハンノはウティカ解囲のため軍を率いて発った。100頭の象と攻城兵器を伴っていた。ウティカの戦い(英語版)においてハンノは反乱軍の陣営を急襲し、象群が攻囲側を潰走させた。ハンノの軍は陣営を奪取し、ハンノ自身は凱旋式を催して入市した。しかし、戦いで鍛えられたシチリア軍の古参兵連は近傍の丘陵に再集結して、追撃に遭うこともなくウティカ方面に戻った。ヌミディア各市の民兵との戦いに慣れていたカルタゴ軍が未だ勝利を祝っているところへ、反乱軍が逆襲をかけた。カルタゴ軍は荷物や攻城兵器を失って逃走し、多数が落命した。当年の残りにかけてハンノは反乱軍と小競り合いを行い、相手を戦闘に引き込み、あるいは不利に置く機会を繰り返して逃し続けた。軍事史家のナイジェル・バグノール(英語版)はハンノの「戦場指揮官としての無能力」を記している。 ローマは明白に、カルタゴの難局の利用から退いていた。イタリア人は反乱側との取引を禁じられ、カルタゴとの取引を奨励された。未だ拘束されていた2,743名のカルタゴ軍捕虜が、求められていた身請け金なしに解放されて直ちにカルタゴの軍へ編入された。ローマの衛星国シラクサの王ヒエロンは、カルタゴが必要としており、もはや彼らの国の後背地からは得られなかった大量の食糧をカルタゴへ供給することを認められた。紀元前240年の暮れ、もしくは239年初頭にサルデーニャ島のカルタゴ守備隊が反乱に加わり、上官や島の総督を殺した。カルタゴ人は島を奪還するための軍を派遣した。到着するとその兵士たちも反乱を起こして既存の反乱側に加わり、島のカルタゴ人を皆殺しにした。次いで反乱側はローマへ保護を懇請し、拒否された。古典学者リチャード・マイルズ(英語版)は「ローマは新たな戦争に乗り出すような状況ではなかった」とし、また反乱的な暴動への支援という世評を得ることを避けたがっていたと記している。
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