DPP-4阻害薬
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◯◯gliptinといった名称の薬物で、GLP-1受容体作動薬と同様にインスリン分泌増加、グルカゴン分泌抑制効果を示す。DPP-4は上記のGLP-1、ならびにGIPを分解する酵素なので、この酵素の作用を阻害することでGLP-1の効果を増強する。DPP-4阻害薬は、注射薬であるGLP-1受容体作動薬とは異なり経口薬であるという大きなメリットがある。 2009年12月11日にシタグリプチン(商品名 ジャヌビア・グラクティブ)が日本で上市された。アメリカとヨーロッパが本年一月に発表した共同声明によれば、DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬のいずれもまだ十分検証がなされていないので、慎重に選択された状況でのみ使用すべきであると勧告されている。
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DPP-4阻害薬
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クラス一般名血中半減期(hr)作用時間(hr)一日/一週の使用量(mg) 慎重投与または禁忌III シタグリプチン 9.6~12.3 50~100 (慎)中等度以上の腎機能障害 I ビルダグリプチン 1.77~3.95 50~100 (禁)重度肝機能障害(慎)肝機能障害・ 中等度以上の腎機能障害・心不全 II アログリプチン 17.1 25 (慎)中等度以上の腎機能障害・心不全 II リナグリプチン 96.9~113 5 特になし III テネリグリプチン 17.4~30.2 20~40 (慎)高度肝機能障害・心不全 III アナグリプチン α相:1.87~2.02β相:5.75~6.20 100~200 (慎)重度腎機能障害 I サキサグリプチン 6.0~6.8 2.5~5 特になし II トレラグリプチン 54.3 >168 100 mg/週 (禁)高度腎機能障害(慎)中等度腎機能障害、脳下垂体機能不全、副腎機能不全 III オマリグリプチン 38.9 25 mg/週 特になし DPP-4阻害薬は、インクレチンの分解酵素のDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)を阻害する事で、インクレチンの血中濃度を上昇させる。インクレチンは血糖値依存的に膵β細胞からのインスリンの分泌を促進させると共に膵α細胞からのグルカゴンの分泌を抑制し、上昇した血糖値を正常値へと下げる働きを持つと共に、胃からの内容物排出速度を遅らせて血糖値の急激な上昇を抑える効果がある。DPP-4と阻害薬の結合部位は5箇所あり、それぞれS1、S2、S1'、S2'、S2Eと呼ばれているが、DPP-IV阻害薬は結合部位によりクラスI(S1、S2)、クラスII(S1、S2、S1'(、S2'))、クラスIII(S1、S2、S2E)に分類される。DPP-IV阻害薬がより効きやすい患者は、1.肥満度(BMI)が小さく、2.HbA1cが高く、3.治療開始後3ヶ月以内にHbA1cが低下し、4.冠動脈疾患がない患者であるとの研究がある。米国FDAは2015年8月、7年間で33例の重篤な関節炎が報告された事を公表した。その中には、投与中止後に改善した症例や、他のDPP-IV阻害薬に切り替えて再発した症例もある。
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DPP-4阻害薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/09 06:12 UTC 版)
近年、インクレチンをターゲットとした血糖降下薬が新規開発された。これらはインクレチンエンハンサーとGLP-1受容体作動薬に代表されるインクレチンミメティクスに大別される。DPP-4阻害薬は前者に分類され、2型糖尿病の治療を目的に経口投与される。既述の通り、DPP-4はインクレチンの分解を行う酵素であり、DPP-4阻害薬は内因性GLP-1およびGIPの血中における濃度を上昇させ、インスリン分泌を促す。経口糖尿病薬の副作用として低血糖が挙げられるが、インクレチンは食事後の血糖値上昇に伴い分泌されるため、血糖値が低い状態ではインクレチンの分泌量は少なく、したがってDPP-4阻害薬により低血糖が生じる頻度は低い。DPPsにはほかにも多くの酵素が含まれるが、DPP-8やDPP-9はDPP-4と構造が類似しているため、DPP-4阻害薬によって活性が阻害される可能性がある。 GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬は共にヒト膵β細胞の機能亢進を引き起こすことが報告されているほか、GLP-1受容体作動薬が体重減少を引き起こすのに対してDPP-4阻害薬は体重に影響をほとんど与えない。また、投与経路もGLP-1受容体作動薬が注射であるのに対してDPP-4阻害薬は経口投与であり投与しやすいというのが特徴である。膵炎リスクについて懸念されていたが、システマチックレビューとメタ解析の結果、膵炎リスクの上昇は認められなかった。一方でDPP-4阻害薬であるシタグリプチンとビルダグリプチンを対象とした臨床試験のメタアナリシスでは、これらの薬剤が感染や頭痛のリスクを増大させることが示されている。 シタグリプチン(Sitagliptin) アログリプチン(Alogliptin) ビルダグリプチン(Vildagliptin) サキサグリプチン(Saxagliptin) リナグリプチン(Linagliptin) アナグリプチン(Anagliptin) テネリグリプチン(Teneligliptin) トレラグリプチン(Trelagliptin) オマリグリプチン(Omarigliptin)
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