CRUISE (中森明菜のアルバム)とは? わかりやすく解説

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CRUISE (中森明菜のアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/27 15:28 UTC 版)

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CRUISE
中森明菜スタジオ・アルバム
リリース
録音 1989年4月3日 - 4日[1]
ザ・ヒット・ファクトリー[2]
ジャンル ポップ・ミュージック
時間
レーベル リプリーズ・レコード/
ワーナー・パイオニア
チャート最高順位
中森明菜 アルバム 年表
BEST II
(1988年)
CRUISE
(1989年)
AKINA EAST LIVE INDEX-XXIII
(1989年)
EANコード
JAN 4988014700801
『CRUISE』収録のシングル
  1. LIAR
    リリース: 1989年4月25日
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CRUISE』(クルーズ)は、日本歌手中森明菜の14作目のスタジオ・アルバム。このアルバムは1989年7月25日にワーナー・パイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)よりリリースされた (LP: 25L1-80, CT: 25L4-80, CD: 29L2-80, GOLD CD: 36L2-5103)。

背景と構成

『CRUISE』は、中森がワーナー在籍時に発表した最後のスタジオ・アルバムで、1989年7月25日にLP (25L1-80)とカセット (25L4-80)とCD (29L2-80)とGOLD CD (36L2-5103)の4形態で同時発売された[6][4][7]

収録曲は、ミディアムやスローテンポの楽曲で構成された内容となっている[8][9]。また『ザテレビジョン』は、シングル「LIAR」同様に ″ロスト・ラブ″ を歌ったバラード中心の内容と指摘している[10]。それまでのシングル候補の曲を集めたもので、『Stock』のバラード編といった感じであると、当時のファンクラブ「MILKY HOUSE」の会報にて説明されていた[11]

アルバム・タイトルの ″CRUISE″ は、″巡航″、″航海″ を意味する[12]。ちなみに、中森は当時トム・クルーズの大ファンであったという背景もあり、ダブル・ミーニングという訳ではないが、タイトルはすんなり決まったという[13]。レコーディングは、1989年4月3日から1989年4月4日にかけてニューヨークザ・ヒット・ファクトリーで行われた[1][2][10]。また、本作との連動企画として、中森が編集長を務めたマガジン・タイプのファッションブック『CRUISE 中森明菜ファッションブック』(ほんの木)が、本作より1か月余り早い1989年6月16日に発売されている[14][12]。撮影は塚田和徳の手によって、パリロンドンニューヨーク東京の4都市で行われ、その素材は本作のジャケットにも使用された[13]

アルバムの特典には、カラー・ポスターに加え、LPの初回プレス分のみポートレートが2種類封入された[2][15]。LP盤でのリリースは本作が最後となっており稀少盤である[9]。そのために発売から30年経った現在も中古レコード市場やオークションなどではプレミア価格で取引されている。また、CDは国内プレス盤に加えてUSプレス盤も存在している(カタログ番号は同じ29L2-80)[† 1]

CD-BOX『リプリーズ・パーフェクト・コレクション1982~1991』の中に収録されている本アルバムの楽曲は、ミックス違いがあったり(「URAGIRI」など イントロ部分で確認できる)、エンディングが再編集されている(「赤い不思議」「風は空の彼方」などに顕著である)。また「LIAR」においては、シングル・ヴァージョンは収録されているが、アルバム・ヴァージョンは収録されていない。

シングル

LIAR」が、本作からのリード・シングルとして1989年4月25日に発売された[2][16][9]。中森にとって通算23枚目のシングルとなったこの楽曲は、1989年のオリコン年間シングルチャートでトップ30入りした[9][17]。本作ではこの楽曲はアルバム・バージョンで収録され、4曲目に配置された[9][7][2][16]

批評

『CDジャーナル』は本作について、アップ・テンポな楽曲はなく、入念なアレンジによる揺るぎない深みのある出来と指摘し、さらに「テンションの高さは半端じゃなくて、他人事のようによそよそしいクールな歌唱に、時折のぞく激しさが聴き物。」と批評した[18]。批評家の堤昌司は、シングル「LIAR」のレビューの中で本作について言及し、「試行錯誤の末にたどり着いた到達点とまではいわなくても、良質なポップス・アルバムとして再評価されるべきかもしれない。」と評した[9]

チャート成績

『CRUISE』は、オリコン週間アルバムチャートの1989年8月7日付で初登場し、最高順位1位を記録した[19][4]。以降1989年8月21日付まで3週連続で1位を獲得した[4][20][21][22]。同チャートの100以内においては、計14週に渡ってランクインしている[4]。別集計となったGOLD CD盤 (36L2-5103)は、1989年8月7日付の同チャートで最高順位4位を記録し、100以内には計8週に渡りランクインした[19][4][20][23]。メディア別ではLP盤、CD盤、CT盤共にオリコンの週間LP、CD、カセットチャートで最高順位1位を記録し、100以内にはそれぞれ、計15週、計13週、計17週に渡ってランクインした[4]。1989年度のオリコン年間アルバムチャートでは、31位を記録した。

中森はデビューした1982年からこの1989年の8年間連続でのアルバム首位記録を獲得した[4]

収録曲

CD

#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「URAGIRI」松本一起井上大輔武部聡志
2.「赤い不思議ミステリー小坂明子小坂明子椎名和夫
3.「さよならじゃ終わらない」松井五郎玉置浩二武部聡志
4.LIAR(アルバム・バージョン)白峰美津子和泉一弥西平彰
5.「乱火」大津あきら鈴木キサブロー馬飼野康二
6.「Close Your Eyes」有川正沙子Osny S. Melo中村哲
7.「Standing in Blue」SHOWOsny S. Melo中村哲
8.「風は空の彼方」Qumico FucciNick Wood西平彰
9.「SINGER」SHOWOsny S. Melo中村哲
10.「雨が降ってた…」岩里祐穂上田知華若草恵
合計時間:

クレジット

リリース履歴

発売日 レーベル 規格 品番 備考
1989年7月25日 ワーナー・パイオニア LP 25L1-80
CT 25L4-80
CD 29L2-80
36L2-5103 ゴールドディスク完全限定盤
1991年7月17日 ワーナーミュージック・ジャパン WPCL-428 廉価盤、紙帯[18]
2006年6月21日 CD、デジタル・ダウンロード WPCL-10292 紙ジャケット仕様完全生産限定盤[7][3]
2006年8月16日 デジタル・ダウンロード N/A [25]
2012年8月22日 SACD/CDハイブリッド WPCL-11150 紙ジャケット仕様完全生産限定盤[26]
2014年1月29日 CD WPCL-11735 廉価盤、赤帯
2018年7月4日 LP WPJL-10099 高音質180g重量盤
2024年2月21日 2CD WPCL-13535 オリジナル・カラオケ付、2024ラッカーマスターサウンド
LP WPJL-10210 完全生産限定カラー盤

脚注

注釈

  1. ^ ケースの裏側にはどちらも″MADE IN JAPAN″表記なため、開封してCD本体を検盤しなければ認識できない。

参照

  1. ^ a b 中森明菜 1989, p. 120
  2. ^ a b c d e f g 『CRUISE』(LP)中森明菜ワーナー・パイオニア、1989年7月25日。25L1-80。 
  3. ^ a b iTunes - ミュージック - 中森明菜「Cruise」”. Apple. 2012年12月9日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 『ALBUM CHART-BOOK COMPLETE EDITION 1970 〜 2005』オリコン・マーケティング・プロモーション、2006年4月25日、3、455-457、881-884頁頁。ISBN 4871310779 
  5. ^ a b オリコンランキング情報サービス「you大樹」
  6. ^ 澤田英繁 (2012年6月18日). “中森明菜 SACDボックスセット発売決定”. 週刊シネママガジン. 2013年7月19日閲覧。
  7. ^ a b c CRUISE | 中森明菜 | ワーナーミュージック・ジャパン - Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン. 2011年7月30日閲覧。
  8. ^ 中森明菜 1989, p. 115
  9. ^ a b c d e f 堤昌司『コンプリート・シングル・コレクションズ〜ファースト・テン・イヤーズ<ライノ・プレミアム・エディション>』(4×12cmCD)中森明菜、ワーナーミュージック・ジャパン、2009年6月10日、29頁。WPCL-10681/84。 
  10. ^ a b 「オリジナルファッション・ブック「CRUISE」誌上初公開! 中森明菜 私の鼓動、つたえたい」『ザテレビジョン』第8巻第25号、角川書店、1989年6月23日、19頁。 
  11. ^ (1989年)中森明菜ファンクラブ「Milky House」会報 ケン企画
  12. ^ a b 中森明菜 1989, p. 5
  13. ^ a b 中森 2024
  14. ^ 中森明菜 1989, p. 148
  15. ^ 中森明菜 1989, p. 149
  16. ^ a b LIAR』(EP, 8cmCD, CT)中森明菜、ワーナー・パイオニア、1989年4月25日。06L7-4070、09L3-4070、09L5-4070。 
  17. ^ クラブハウス『オリコン No.1 HITS 500 1986〜1994 (下) オリコンチャート1位ヒットソング集』クラブハウス、1998年11月1日、132、145頁頁。ISBN 490649613X 
  18. ^ a b 中森明菜 / CRUISE [再発] [CD] [アルバム] - CDJournal.com”. 音楽出版社. 2011年4月10日閲覧。
  19. ^ a b AKINA』(4×12cmCD)中森明菜、ワーナーミュージック・ジャパン、1993年11月10日。WPCL-770〜3。 
  20. ^ a b 検索結果-ORICON STYLE アーティスト/CD検索”. 1989年08月第1週の邦楽アルバムランキング情報. オリコン. 2012年4月12日閲覧。
  21. ^ 検索結果-ORICON STYLE アーティスト/CD検索”. 1989年08月第2週の邦楽アルバムランキング情報. オリコン. 2012年4月12日閲覧。
  22. ^ 検索結果-ORICON STYLE アーティスト/CD検索”. 1989年08月第3週の邦楽アルバムランキング情報. オリコン. 2012年4月12日閲覧。
  23. ^ 中森明菜-リリース-ORICON STYLE ミュージック”. オリコン. 2012年4月12日閲覧。
  24. ^ a b 『オリコン年鑑1990別冊 オリコン・チャート・データ'89』オリジナルコンフィデンス、1990年4月20日、219頁。ISBN 4871310248 
  25. ^ 音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora 〜“WALKMAN”公式ミュージックストア〜”. レーベルゲート. 2012年12月9日閲覧。
  26. ^ 中森明菜 / CRUISE [SA-CDハイブリッドCD] [紙ジャケット仕様] [限定] [CD] [アルバム] - CDJournal.com”. 音楽出版社. 2012年7月26日閲覧。

参考文献

外部リンク




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