2021系(2071系)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 02:30 UTC 版)
「阪急2000系電車」の記事における「2021系(2071系)」の解説
本系列は、1963年の神戸線と宝塚線の架線電圧昇圧(600V→1500V)決定に伴って製造された2000系の複電圧対応型である。1964年までに電動車である2021形と制御車および付随車である2071形が各21両ずつ、合計で42両が製造された。 複電圧車ではあるが、電圧転換器による車上転換ではなく、車庫あるいは工場で各車の床下の主回路や補助回路の切り替えスイッチの切り替え、あるいは端子板の結線変更による方式であり、走行中の電圧切り替えはできなかった。また、2000系と同等の定速運転機能も装備していたが、電気関係、特に主制御器の構造が極めて複雑で保守に問題があったために、以降は比較的構造が単純な昇圧即応車である3000系・3100系の製造に移行した。主電動機は2000系同様の複巻電動機であるが、定格電圧は750Vとなった。2000系との併結は不可能であるが、車両番号は2000系の続番で、それぞれ2021 - 2041・2071 - 2091と付番された。 車体は2000系に準ずるが、側窓のサッシがフレームレスとなり、操作性が向上した。また、一部車両ではドアエンジンに新型の上戸閉機が試用された。2071F・2074Fは初の6両貫通編成で投入され、広幅貫通路で6両が繋がったが、加減速時の風の流れが強くなったため対策が必要になり、以後の新造車で妻引き戸を設けることとなった。 他、4両編成・2両編成各2本(2031 - 2036・2081 - 2086)が汽車製造製のエコノミカル・トラックと称する1自由度系空気ばね台車を装備して竣工した。 2081F・2084F・2087Fの6両編成3本は宝塚線に配属された。 昇圧に際しては、事前調査によって直流1500Vでの走行性能に問題があることが判明したため、複電圧仕様から1500V専用車として改造されることとなった。ただし磁気増幅器の改造程度であり、2000系の様な大規模な工事は行われなかった。 昇圧後しばらくの間は、定速運転機能、回生ブレーキ機能を残したまま神戸線と宝塚線で使用されていたが、昇圧後は電気配線や制御器関係の故障が相次ぎ、神戸線では高速走行中に主電動機のフラッシュオーバー事故に悩まされた。 2021系は電装解除が行われ、その後の冷房化に伴う改番以降は2071系と称することとなった。
※この「2021系(2071系)」の解説は、「阪急2000系電車」の解説の一部です。
「2021系(2071系)」を含む「阪急2000系電車」の記事については、「阪急2000系電車」の概要を参照ください。
- 2021系のページへのリンク