2020年 日本初モニュメント
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「吉野美奈子」の記事における「2020年 日本初モニュメント」の解説
2018年春、富山県経済界の有志による富山駅モニュメント設置委員会では、駅周辺にシンボルとなるランドマークを作りたいと考えて様々な作家を検討後、同年8月、講演会などを通じて県下の若者たちから支持の厚い吉野に制作を依頼。これを受けて吉野は「人と街・人と人・過去と未来」の「3つのつながり」をコンセプトに代表作『Lovers - 恋人たち』を提案した。その後、故郷富山のモニュメント素材として最高の大理石を求めてイタリアに渡り、苦心の末ようやくみつけた石切場の近くで制作を開始した。ニューヨークのLoversが大理石粉の鋳造であったのに対し、富山のLoversは、25トンの大理石からすべて手彫りで彫刻された。記者会見では「今時は3Dプリンターで模型を作ってロボットに切らせるのが主流と薦められたけど、一切ロボットを使わないで、人の手から生まれる優しい形にこだわった」と話した。 完成作品は、2ヶ月かけてイタリアから海上輸送され、富山駅北のブールバールに設置された。設置当日のインタビューでは、「語り尽くせないほど大変なことだらけだったけど、みんなが応援してくれたから頑張れた。このモニュメントから、たくさんのつながりが生まれて広がってほしい」と語った。 2020年3月21日、富山市がかねてから進めてきた路面電車南北接続に合わせ、モニュメント除幕式が行われた。3メートル45センチの彫刻本体が、2メートルの御影石の台座に設置され、周りには吉野のデザインをもとに花壇とベンチが作られた。設置委員会の中尾哲雄代表は「多くの人に愛されるシンボルとなってほしい」と述べ、吉野は「応援してくださった富山の皆様、日本の皆様、世界の皆様に心からの感謝を申し上げたい」と挨拶した。そこには、制作資金の一部がクラウドファンディングによって集められており、富山県外や海外からの支援も多数寄せられていた背景があった。除幕式後、吉野は県内の若者たちや一般から届いていた「夢のお手紙5798通」を「モニュメントの魂」として台座の中に封印した。吉野による日本初の大理石モニュメント「つながり」の象徴である『Lovers 』は、まさに全世界がソーシャルディスタンスを唱え、オリンピックをはじめあらゆるスポーツ文化事業も経済活動も何もかもがキャンセルされてゆくコロナ禍の最中、奇跡ともいえるタイミングで(除幕式時点の富山県感染者はゼロで、9日後に初めて一人目が確認)誕生した。
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