2018年理事選
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2017年10月25日に日馬富士公平が貴ノ岩義司を暴行、負傷させる事件が発生し、九州場所後の11月29日に日馬富士が責任を取って引退した。この事件に関して、日馬富士の師匠である9代伊勢ケ濱は監督責任を取る形で、12月20日に理事を辞任した。一方、貴ノ岩の師匠である貴乃花は、事件の報告や調査などを巡って協会執行部と対立し、2018年1月4日、評議委員会決議において理事を解任された。一方で、貴乃花一門外で特に貴乃花に近いとされていた錣山部屋(20代錣山、元関脇・寺尾および部屋付きの19代立田川、元小結・豊真将)と湊部屋(23代湊、元前頭・湊富士)が12月18日付で時津風一門から離脱し、無所属となった。 来る2月の理事候補選については、貴乃花一門は直前に理事を解任された貴乃花に代わり、12代阿武松(元関脇・益荒雄)を擁立する考えで、他一門の候補9人と合わせて無投票となる可能性もあったが、貴乃花は無投票を避けて選挙を行うべく、自身も立候補をする考えを示す。一門会では反対されたが、結果、一門の8人と無所属の3人のうち、自身を除く10人が阿武松に投票、自身は自薦の1票の他は一門外の年寄の投票に委ねることとなった。 2月1日、理事候補選の立候補届出の受付が行われ、年寄11人が届け出た。また、同時に改選される副理事候補も前回落選した井筒(時津風一門)と新規立候補の錣山(無所属・貴乃花一門と共闘)の兄弟、現職の藤島(出羽海一門)、新規立候補の15代花籠(元関脇・太寿山、二所ノ関一門)と計4名が立候補、選挙となった。 定員10人に対して101人の親方が投票することから、10票を取れば当選。9票でも当選が確実視される状況だった。このうち持ち票20人の二所ノ関一門は、病気療養中の二所ノ関に代わり、現職の尾車と副理事の芝田山を擁立、副理事には花籠を擁立。16人で1候補を擁立する時津風一門、12人で1候補を擁立する高砂一門、9人で1候補を擁立する伊勢ケ浜一門も当選が確実視されていた。最大派閥で親方33人の出羽海一門は現職4候補を擁立。これに対して8人の貴乃花一門は、無所属の錣山・立田川・湊を加えて11人で2名を擁立。先述のごとく阿武松に一門の票を集中させ、貴乃花は他一門の浮動票を獲得する狙いを取った。鍵を握ったのは16人の時津風一門であり、鏡山を11票で当選させたうえで、残り5票を他候補へ回した。貴乃花親方へ投票した2票は、貴乃花自身と、高砂一門の陣幕とされる。 翌2日に投開票が行われ、貴乃花を除く10名が当選。貴乃花は2票しか獲得できず、連続4期務めた理事から落選した。また、副理事も錣山以外が当選し、貴乃花一門からは阿武松が理事に当選したのみに留まった。 同時に行われた副理事選では高砂一門は候補は立てず、時津風一門の井筒を支援。前回2名を当選させた出羽海一門は、候補者を武双山に一本化。花籠と錣山の争いになったが、花籠が当選した。 同年6月に貴乃花一門から貴乃花らが離脱し一門の名称を返上。日本相撲協会は同年7月の理事会で、全ての親方が5つある一門のいずれかに所属することを決定したため、旧貴乃花一門は消滅、立浪親方は出羽海一門へ、阿武松親方へ投票したと思われる親方は二所ノ関一門へ合流した。 当落候補者名年齢一門当選回数得票数当 13代高島(関脇・高望山大造) 60 伊勢ヶ濱 1 12票 当 8代鏡山(関脇・多賀竜昇司) 59 時津風 5 11票 当 13代境川(小結・両国梶之助) 55 出羽海 2 11票 当 8代八角(横綱・北勝海信芳) 54 高砂 4 11票 当 8代尾車(大関・琴風豪規) 60 二所ノ関 4 10票 当 12代芝田山(横綱・大乃国康) 55 二所ノ関 1 10票 当 11代春日野(関脇・栃乃和歌清隆) 55 出羽海 2 9票 当 11代出羽海(前2・小城ノ花昭和) 50 出羽海 2 9票 当 12代阿武松(関脇・益荒雄広生) 56 貴乃花 1 8票 当 20代山響(前1・巌雄謙治) 47 出羽海 2 8票 落 一代貴乃花(横綱・貴乃花光司) 45 貴乃花 2票 当落候補者名年齢一門当選回数得票数当 15代井筒(元関脇・逆鉾昭廣) 56 時津風 2 31票 当 18代藤島(元大関・武双山正士) 45 出羽海 2 30票 当 15代花籠(元関脇・太寿山忠明) 58 二所ノ関 1 26票 落 20代錣山(元関脇・寺尾常史) 55 無所属 14票
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