1996〜2011年 大学教授期
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1999年 - 始原楽器の研究と制作 国立劇場退職後、札幌大学から京都造形芸術大学(現京都芸術大学)の教授となる。京都造形芸術大学研究センター「春秋座」に於いて、これまでの音楽運動の延長展開する。国立劇場=「日本文化」という制約から解放され、世界に視野を広げて音楽運動を継続。具体的には「正倉院宝物楽器復元」からルーツである古代シルクロードの楽器(ルーブル美術館所蔵、カイロ博物館所蔵古代エジプトの楽器、大英博物館所蔵古代ギリシャ楽器資料等)の構造力学的研究と復元模造製作を開始。正倉院楽器「箜篌」と同族楽器「アングルハープ」ルーブル美術館所蔵の復元作業では、「箜篌」復元に培った知識を生かし、オリジナル残材の使用痕から失われているパーツの存在確認し、核当するパーツ補填することで楽器としての機能を回復することに成功する[要出典]。 2004年 - コンサート・ジュネシスを提唱 正倉院、古代シルクロードの楽器には地域、時代の「差異を超越した本質」の存在に注目し、これらを一括して「始原楽器」と名付けた。同一の視座=楽器構造から必然的に帰納する「自然倍音率」による音楽運動「コンサート・ジュネシス」を提唱する。三輪眞弘氏作曲「蟬の法」はコンサート・ジュネシス米国公演にて絶賛された。 2005年 国立劇場期に開催した海外音楽祭参加は「聲明」、「雅楽」等の日本伝統音楽を主としたが、この期は始原楽器を主軸にしたコンサート・ジュネシスとし、EU諸国に於ける公演ではグローバルな視座に共感を得た。 2007年 - 「虚階」の可視化を発想 京都造形芸術大学在職中、京都三条で大量に発掘された美濃陶器破片を整理した結果が公表された。その陶片を観察してる自分の意識の中に「虚階」と共通する概念が湧き上がり、「陶片」が「虚階」を発生する装置として機能していることを発見。「虚階」をテーマに舞台芸術に於いて再構造化し、音という物理現象による再現が瞬間芸術として消滅する宿命であることの残念さを感じていた。「陶片」が、物質というの永続性あるメディアによる「虚階」の再構造化を考える重要なヒントとなった。
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