1階記念室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 01:08 UTC 版)
1階北東隅にある記念室 記念室に飾られている鹿頭の剥製 1階北東端に位置する。この部屋は2階分の高さがある。壁一面にはチーク材で造られたパネルが張られていて、照明は天井からシャンデリアが下がっている。竣工時は記念室として造られ、東京帝国大学の歴史や図書館復興に関する資料などを展示していた。 戦時中には東京帝国大学出身の戦没者を供養するための戦没者記念室が置かれ、白木の箱に納められた戦没者の肖像写真を安置する祭壇が設置された。1941年と1943年の秋には遺族らを招待して慰霊祭が催された。 岸本館長下の改修工事では、従来記念室として利用されていたこの空間は自由閲覧室とされた。 裏田館長計画の改修工事では、当室は雑誌閲覧室に改められた。これは、当室に接して設けられていた東翼の雑誌閲覧室を拡張して、自由閲覧室として利用されていた当室にも雑誌を配架するようになったものである。南側には新着雑誌を配架する書架が並べられ、西側(正面玄関側)にはパンフレットや機関誌等をおく低書架が設置された。残りの部分は閲覧席が設置され、室名こそ改められたものの、引き続き自由閲覧室としての利用も可能であった。 2015年からの改修工事期間中は、一時期利用者用のECCS端末が設置され、メディアプラザとして利用された。改修工事にあわせて、戦時中に撤去されていたと思われるシャンデリアが復元され、設置された。2020年11月17日には、再び記念室として開室された(通常時は閲覧室として利用可能)。 記念室として造られ、長らく利用されていたことから、多くの文物や館史に関係する資料などがこの室に飾られるようになった。現在展示されているものとしては、以下のようなものがある。 グヒエーシヴァリー寺院の模型 ネパールのカトマンズ郊外にある寺院の模型で、1967年(昭和42年)、ネパール国の王子ビレンドラ・ビール・ビクラム・シャハが東京大学に留学した際に寄贈したものである。同寺院は、ヒンドゥー教における三大神の一であるシヴァの妃を祀っている。 図書館模型 関東大震災後の図書館復興に対する寄附の返礼として、図書館完成時にロックフェラー・ジュニア氏に贈られた模型と同じ型で造られた鋳銅性の模型である。なお、竣工式では同じく図書館を模ったインク壺、灰皿が配られているが、この模型よりも一回り小さい。 鹿頭剥製 アカシカの頭部の剥製である。台座に付けられたプレートによれば、ウィンザーグレートパーク(英語版)で捕獲されたアカシカで、1913年に英国王ジョージ5世が東京帝国大学に贈ったものであるという。震災以前は大学本部(御殿)の壁に同じものが複数掛けられていて、震災後の火災の中でその中の一つが救出されたものである、との証言がある。 ダゴール肖像 高さ2メートルに及ぶ大きな油絵である。1957年10月8日に、インドの首相ジャワハルラール・ネルーが東京大学を訪問した際、Calcutta Art Societyを通じて寄贈したもの。 南葵文庫扁額 関東大震災後、南葵文庫の蔵書が寄贈された際に同時に寄贈されたもの。この扁額の掲示が蔵書寄贈の条件とされたと伝えられる。徳川慶喜による筆。
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