高速道路の開通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 03:34 UTC 版)
日本における高速道路の本格的な実現は、昭和30年代の高度経済成長期に入ってからで、モータリゼーションを背景として大都市間を結ぶ幹線高速道路、そして東京や大阪をはじめとする大都市内の都市高速道路が急ピッチで建設されていくようになる。これらは国家的施策として計画が立案され、日本道路公団に管理を委ねるかたちで21世紀初頭まで引き続いて高速道路網の整備が促進され続けた。その進展と共に、日本の貨物輸送の主力は、従来の貨物列車からトラックによる自動車輸送を主軸とするようになっていった。 日本国政府が、高速道路建設の実現に向けて世界銀行に融資を求めた際に、1956年(昭和31年)に来日したアメリカ合衆国のワトキンス調査団から、日本の高速道路実現の是非について提出された報告書、通称「ワトキンス・レポート」の冒頭の内容は、当時の日本の道路事情の劣悪さを痛烈に批判するものであった。ワトキンスの発言に刺激された日本国政府は、翌年の1957年(昭和32年)に高速自動車国道法を制定し、これまで鉄道優先としてきた陸上交通政策から高速道路建設へと舵を切ることとなった。 日本の高速自動車国道の開通は、1963年(昭和38年)7月の名神高速道路 栗東IC - 尼崎IC間(71.7 km)が最初である。東海道新幹線開業の前年にあたるこの年に、自動車が時速100 kmで疾走する道路誕生のニュースは、世間を大いに沸かせることとなった。このルート上にあたる京都市は、政令指定都市のなかで最初に高速道路が走った都市となった。1965年(昭和40年)には、名神高速道路の名古屋 - 阪神地区間の全線(小牧IC - 西宮IC、193.9 km)が完成し、これまで自動車で5 - 6時間を要した移動時間が、2時間程で結ばれることになり、名古屋 - 大阪間において自動車での日帰り移動が可能となった。
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