馬上槍試合
馬上試合(Tounament)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 07:38 UTC 版)
「アイヴァンホー」の記事における「馬上試合(Tounament)」の解説
王弟ジョンの人気取りのため馬上試合が開かれた。1日目は5人の選ばれた騎士に対し参加者が挑戦する形式であり、2日目は2組に分かれての集団戦、そして3日目は弓の腕比べの予定であった。1日目に最も活躍した騎士は愛と美の女王を選ぶ権利が与えられ、その女性は2日目に最も活躍した騎士に対し栄誉を与えることになっていた。 セドリックはロウイーナ姫とアセルスタンと共に馬上試合にやってきた。アセルスタンは参加するように促されたが、やる気を示さない。 ギルベールは5人の選ばれた騎士の中でもリーダー格であった。挑戦する者たちが全員撃退され観客が失望する中、兜をかぶったままの騎士が勘当された騎士と名乗りギルベールに実槍での勝利を申し込んだ。騎士は誓約を立てているために顔を明かせないといい、そういった誓いは当時一般に認められていたため許された。勘当された騎士はギルベールを破ると残りの4人にも勝ち、王弟ジョンが苦い顔をする中で愛と美の女王を選ぶ騎士に選ばれた。騎士はロウイーナ姫を指名する。 勘当された騎士はセドリックの館に泊まった巡礼であった。セドリックの豚飼いガースを従者とし、ユダヤ人アイザックから約束通り武具を借り参加していた。慣習として勝者は敗者の武具を戦利品とする。4人の騎士からは武具の代わりに相当する代金を受け取るが、ギルベールからの使いには決着をつけることを望み武具の受け取りを拒否した。勘当された騎士は受け取った金をガースに託し、借りている武具を買い取る代金としてアイザックの元へ行かせた。アイザックは喜んで代金を受け取るが、娘のレベッカは父の命の恩人に対する礼として武具を貸したのに代金を受け取るのはおかしいとして、ガースに代金を返した。帰途ガースは山賊に襲われたが、勘当された騎士の従者と知られると、昼の痛快な活躍を見ていた首領が何も取らずに解放した。 翌日、ギルベールと勘当された騎士はそれぞれの組の主将となり、2組に参加騎士が分けられた。アセルスタンは婚約者のロウイーナ姫が目の前で愛と美の女王に選ばれたのが面白くなく、ギルベール側についた。集団馬上試合ではやがてギルベールたち3人の騎士に勘当された騎士が追いつめられるが、それまで試合場の隅で何もしていなかった黒い騎士が突然割り込み、助太刀をした。そのため勘当された騎士の組が勝利しギルベールは打ち負かされたが、勘当された騎士も手傷を負ってしまった。その日の最優秀騎士も勘当された騎士だと衆目は一致していたが、王弟ジョンは面白くなく黒い騎士を指名した。だが黒い騎士は試合終了後に立ち去っており、勘当された騎士が2日目も最優秀に選ばれた。栄誉を受けるために顔を明かすように言われ、勘当された騎士はやむなく顔を明かすが、それはウィルフレッドであった。 ジョンは兄のリチャード王が虜囚から逃れたことを知らされ、日程を繰り上げ、3日目の弓の腕試しをすぐ行うことにした。そこでロックスリーと名乗る者が恐るべき腕前を見せる。 ウィルフレッドの怪我は思ったより深かった。セドリックはウィルフレッドを連れ帰るように命じるが、その前に観戦に来ていたユダヤ人アイザックの娘レベッカが看病のために連れ出していた。従者をしていたガースは農奴であるために、セドリックに見つかり捕えられてしまう。 森の中で黒い騎士は1人の僧の元へ一晩の宿を借りようとする。僧は生臭ですぐに黒い騎士と意気投合し、酒盛りを始めて盛り上がる。
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