飯田線北殿駅列車正面衝突事故
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「日本の鉄道事故 (1950年から1999年)」の記事における「飯田線北殿駅列車正面衝突事故」の解説
1989年(平成元年)4月13日 16時58分ごろ(列車衝突事故) JR東海の飯田線北殿駅において、停車中の天竜峡発長野行き下り普通537M列車(169系電車3両編成)に上諏訪発天竜峡行き上り普通248M列車(119系電車2両編成)が正面衝突。下校途中の高校生ら146名が負傷した。 原因は、上り列車運転士がATSロング地上子の警報を受け、確認扱いを行い、出発信号機の進行現示を場内信号機の停止現示から進行現示に変更したものと誤認、速度節制を行わず運転を継続、場内信号機の停止信号を冒進した。場内信号機のATS直下地上子による警報が作動したが、車両接触限界内に停車できず、下り列車の過走対策によりポイントが下り列車方向を向いていたタイミングだったため正面衝突した。 飯田線ではATS-Sが使用されていたが、このシステムでは、警報が鳴動し運転士が確認扱いを行った後は、停止信号を忘れて、あるいはこの事故のように信号を誤認して運転しても非常ブレーキが作動しなくなる、運転士の注意力に全面的に依存したものであり、この弱点を突かれた事故であった。 上記の東中野追突事故とこの北殿駅正面衝突事故を受けてJR各社はATS-Sの緊急改良を決め、非常停止機能を追加したATS-SN開発をJR東日本と東海が担当してJR全社が採用し、ATS-Sの場内信号機と出発信号機などの絶対信号機の直下地上子をこの非常停止地上子に換装、これをJR北海道はATS-SN、JR東日本はATS-SNとした。JR東海はさらに車上時素式速度照査機能を追加してATS-STとし、-STから列車番号通知機能を除き車上装置をMPU制御式としてJR西日本が再設計し (ATS-SW)、それをJR九州 (ATS-SK)・四国 (ATS-SS) が採用、追ってJR貨物(新ATS-SF)がST速度照査ボード追加で採用した(駅間に設置する閉塞信号機は停止信号警報のみのATS-Sのままである)。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}平成初の鉄道事故。[要出典]
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