風俗と生活文化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 10:29 UTC 版)
「en:Glossary of Japanese words of Portuguese origin」も参照 宣教師の来日や南蛮貿易の隆盛にともない庶民のなかにも南蛮風の衣服を身につけるものが現れた。また、一神教の教義やヨーロッパにおける一夫一婦制、およびそれにもとづく倫理などは、多神教と汎神論に馴染みの深かったそれまでの日本人には強い衝撃をあたえた。 文物としては、鉄砲(火縄銃)、油絵、銅版画、地球儀、機械時計、眼鏡、西洋楽器(オルガン、クラヴォ、ヴィオラ)などがもたらされた。 いわゆる「コロンブス交換」により、新大陸起源のものももたらされた。特にアメリカ大陸から東南アジアを経てタバコがもたらされ、日本人のあいだに喫煙の習慣が広まった。 南蛮人・南蛮文化の渡来はまた、単に新しい科学的な道具や珍奇な物品・文物をもたらしただけではなく、従来の日本人の視野や精神になかった地域との遭遇でもあった。そして、古代以来の「インド・中国・日本」という三国をもととした世界観は打ち破られた。 衣食・医療のほか音楽などの面でも南蛮文化は意外なほど当時の日本に浸透しており、今日、最も日本的な文化のひとつとされる茶の湯も、当時にあっては多分に異国趣味の要素を含むものと見なされていた。南蛮文化そのものは江戸幕府の貿易・情報統制策(いわゆる「鎖国政策」)のために短命に終ったが、カルタやタバコはその後も広く普及し、パン、カステラ、カッパ、コンペイトウ、シャボン、ラシャ、ジュバン、メリヤスなどのポルトガル語も日常的に用いられ、現代の日本語にも単語として残っている。
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