類型の総説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 13:35 UTC 版)
「スポーツカー (モータースポーツ)」の記事における「類型の総説」の解説
自動車競技の中でも、主に自動車の走行性能を競う製造者対抗ロードレースと、ヒルクライムでそれぞれ運用することを前提に企画、開発、製造される。2020年以降においては国際自動車連盟 (以下、FIA) 国際モータースポーツ競技規則 (国際スポーツ法典、以下、CSI) 付則J項部門IIのグループCN「プロダクションスポーツカー」と、同グループE (フリーフォーミュラレーシングカー群) のSC (スポーツカー) に属する類型が該当する。SCは国際ヒルクライム技術規定のグループE2-SC、FIA世界耐久選手権およびル・マン地域シリーズ技術規定の「『ル・マン』プロトタイプ」("Le Mans" Prototype, LMP) 1から3およびハイパーカー (LMH)、IMSAスポーツカー選手権技術規定の「デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル」(Daytona Prototype Int., DPi) が代表的であるが、CSIの既存グループに適合しない2座席車両は全てが該当する。E2-SCはCNから、DPiはLMP2からそれぞれ派生した類型である。 FIAの管理下で技術規定がなされているが、規定の基本趣旨は製造者が公道運用に自由な発想で製造した乗用車を競技運用する場合の、階級分類と形式分類である。これはツーリングカーやグランドツーリングカーと同じであるが、それらとは異なり1台だけの特別製造車から対象となるため、実質的にはほぼすべてが競技専用として製造されている。また、生産台数の要件がある場合でも、それはごく少数であるため、競技専用のまま要件台数が生産され、不良在庫車は無理にでも公道用に仕立てて富裕層(コレクター)などへ売却される。本来から自由製造されるものであるため、諸元や投入技術に制約が少なく、これが製造者の技術先進性や知見、開発能力などを競う下地となってきた。ただし、1982年以降は諸元に上限または下限が設けられるようになり、その制限内での競争となっている。 ロードレースにおけるスポーツカーの競技性高度順位は、一つ上位にフォーミュラレーシングカーがあるのみであり、下位にシルエットタイプカー、グランドツーリングカー、ツーリングカーと続いている。スポーツカーはフォーミュラレーシングカーレースに参加することはできないが、過去にはフォーミュラレーシングカーとの間に存在した二座席レーシングカーのレースに参加することができた。またヒルクライムは個別スタートであるため、スポーツカーとフォーミュラレーシングカーは同部門として競合する。 スポーツカーの製造者 (マニュファクチャラー) とはシャシの製造者を指す。エンジンは大規模製造者では自身で開発、製造する場合が多く、小規模製造者では他者 (大規模製造者またはエンジン専門製造者など) から供給 (供与、貸与、売却など) を受ける場合が多い。なお、大規模製造者が他者 (多くは小規模製造者) へシャシの開発、製造を委託する場合もあるが、スポーツカーの名称であるメイクは委託者のものを名乗り、開発、製造を請負った受託者のメイクが名乗られることはない。また、小規模製造者は自身のメイクに連ねてエンジンメイクが表示される場合がある。
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