類型としてのイージス艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:50 UTC 版)
「イージス艦」の記事における「類型としてのイージス艦」の解説
ザクセン級フリゲート 052C型駆逐艦 上述のとおり、イージス艦とはイージスシステムを搭載する艦のことである。イージスシステムは実用化から40年近く経過しているにもかかわらず、とくにその中核となるSPY-1レーダーなどは、今でも他機種の水準をはかるための基準として利用されている。また、一般に対する知名度も比較的高いため、イージスシステム以外の防空システムを搭載する艦艇まで含めてイージス艦と呼ぶことがある。 例えば、ドイツのザクセン級フリゲート、オランダのデ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲート、英仏伊の45型駆逐艦、フォルバン級駆逐艦、アンドレア・ドーリア級駆逐艦、日本のあきづき型護衛艦などはしばしばミニ・イージス艦と称される。また、同じく四面固定式のフェイズドアレイ・レーダーを採用していると思われる中国の蘭州級(052C型)/昆明級(052D型)駆逐艦は、中華イージス(中華神盾)と呼ばれる事が多い。これらの艦を「○○イージス艦」と呼ぶ場合には、下記のような共通点が認められる。 NTU改修艦の場合のような数個程度ではなく、十数個〜数百個という非常に多数の空中目標への同時対処が可能な防空能力を備えている 高度に統合された戦闘システムを備えている(NAAWSやPAAMS、FCS-3など) フェーズドアレイ・レーダーを搭載している 多機能レーダーの運用に重点を置いた船体構造に設計されている 垂直発射式のミサイル・ランチャーを搭載している 海上自衛隊の汎用護衛艦であるむらさめ型においては、「ミニ・イージス艦とも言うべき高性能艦」などと紹介される一方で、「ミニ・イージス艦となる予定だったが断念した」など報道される事もあり、表現の混乱が見られる。むらさめ型は1面回転式のフェイズドアレイ・レーダーであるOPS-24を搭載しているが、これは純粋の捜索レーダーであるので、多機能レーダーであるSPY-1とは別種のものである。また、むらさめ型は対空戦闘システムFCS-3の搭載を断念した経緯がある(後にあきづき型が搭載)が、たとえ搭載されたとしてもFCS-3は国産の対空戦闘システムであり、イージスシステムとは別物である。 詳細は「商標の普通名称化」を参照
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