音楽性・他アーティストとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 14:45 UTC 版)
「プリンス (ミュージシャン)」の記事における「音楽性・他アーティストとの関係」の解説
プリンスはアフロアメリカンとして、音楽に革新をもたらし、ジェームス・ブラウン、ジョージ・クリントン、ジミ・ヘンドリックスやスライ・ストーンらと並び称された。プリンスは、スティーヴィー・ワンダーを憧れのアーティストの一人に挙げているが、エレキ・ギターに興味を持ったきっかけはアイク・ターナーであったという。また、ギタリストとしてはジミ・ヘンドリックスよりもジョニ・ミッチェルとカルロス・サンタナの影響が大きいとインタビューで発言している。両親はジャズ・ミュージシャンであったため、幼い頃からジャズを聴き育ち、幼少時にジェームズ・ブラウンのバックバンドまで完璧にコントロールしたコンサートを観て「自分も同じようにやりたい」と思ったという。その他、カーティス・メイフィールド、Pファンク、ハードロックからも影響を受けた。後進のアーティストではコクトー・ツインズを好んで聴いていたとインタビューで度々語っている。 ギター、ベース、ドラム、ピアノとあらゆる楽器を弾けるマルチプレイヤーとして有名だが、サックスやトランペットのような管楽器は習得する事ができなかったという。これらの管楽器の代わりにシンセサイザーを使用したことがミネアポリスサウンドの成立に繋がったという。 また、プリンスは数多くの変名を持っている。Jamie Starrとして、ザ・タイムのデビュー・アルバムをプロデュース(メンバーの名前だけがクレジットされているが、実際にはプロデューサーのプリンスが作詞作曲演奏のすべてを行っている。)したり、Christopherとしてバングルスに「マニック・マンデー」(全米2位のヒット曲となる。ちなみにこの時の1位は、プリンスの「KISS」であった。)を提供した。他にもCamille(プリンスのアルバムに登場する)、Tora Tora(NPGでベーシストを担当した時に使用)等がある。 プロデューサーとして、ヴァニティ6(アポロニア6)やシーラ・E、ジル・ジョーンズ、ザ・ファミリー等を手掛け、その非凡さを証明する。特にザ・ファミリーに提供した曲「ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー (Nothing Compares 2 U)」は、シネイド・オコナー(シニード・オコーナー)がカヴァーし、欧米でヒットした。 シーナ・イーストンやキャンディ・ダルファー、カルメン・エレクトラなどの魅力ある女性ミュージシャンから、マイルス・デイヴィスやジョージ・クリントン、ラリー・グラハム、メイシオ・パーカーといったジャズやファンク・ミュージシャンと、多岐に亘ってセッションを行っている。また、マドンナやアーニー・ディフランコ、グウェン・ステファニー、チャックDともレコーディングを行っている。実現しなかったが、マイケル・ジャクソンも「BAD」を当初はプリンスとのデュエットとして作曲し、プリンスにレコーディングの依頼をし会食の段階まで行ったが、終始険悪なままプリンスは「この曲は君一人で歌ったほうが良いよ」と丁重に断ったとされる。マイケルは、2007年にも自身の復活ツアーへの出演をオファーした(が、プリンスがこれを断った)。チャリティープロジェクトUSAフォー・アフリカの「ウィー・アー・ザ・ワールド」にも参加予定だったが、レコーディング・スケジュールが合わず断念。代わりにアルバム楽曲提供を行った。 ケイト・ブッシュやチャカ・カーン、パティ・スミス、トム・ジョーンズ、アート・リンゼイ、スペース・カウボーイ、松田聖子、坂上忍など、プリンスをカヴァーするミュージシャンはジャンルを問わず数多い。ヨ・ラ・テンゴのジェイムズ・マクニューは自身のソロプロジェクトDumpで全曲プリンスのカバーのアルバムを制作(ジャケットもParadeのパロディ)したが、ジャケットと内容にプリンスサイドからクレームがつき販売中止・回収となった。 プリンスもライブに於いてはジャズのスタンダードナンバーからジョニ・ミッチェルやアレサ・フランクリン、さらにはレッド・ツェッペリンやジャクソン5、ザ・クラッシュ、レディオヘッドなど数多くのミュージシャンの曲をカバー演奏している。 プリンスの声域は、公式に発表された楽曲に基づくとE2からB6の約4オクターブ半ほどとされる。ちなみに、一番低いのが「Daddy Pop」で一番高いのが「God」である。 2014年にBusiness Insiderが発表した記事によると、彼をミュージシャンとしてブッキングするために必要な金額は150万ドルから、最大で200万ドルにのぼり、当時の音楽業界でも最も高い位置にいたとしている 日本のアーティストとの関わりとしては、1989年発売の小比類巻かほるのアルバム『TIME THE MOTION』で「MIND BELLS」「BLISS」をプロデュースしている。 また、岡村靖幸や及川光博、SUGIZO、西寺郷太、向井秀徳らが熱心なプリンスのフォロワーとして知られている。現代音楽家の武満徹もプリンスの才能を高く評価していた。
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