音声ライブラリの構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/25 03:38 UTC 版)
UTAUで使用する音源は、日本語の音素や音節に切り出した音声ファイルなどを1つにまとめてライブラリ・ファイルとしたものであり、基本となる複数の音声ファイルに加えて付加情報のファイルなどから構成される。 WAV音声ファイル集。エンジン部で加工データをもとに使用する。 音源の説明や表現・利用についての規約テキストファイル:readme.txt 音声の発音・消音部、伸縮可能部、前後の音と被せられる範囲を数値でまとめた原音設定表:oto.ini(UTAU-SYNTHはoto_ini.txt) 原音の基音・音色関係を設定し、音高変更時の加工波形で使用する周波数表:frqファイル。使用するエンジンによって専用ファイルを用いる 違う音高の音声で同名のファイルを混載した、識別情報:prefix.map その他アイコンとして使用する画像ファイル 単体の台詞音声、イラスト素材など 原音設定表は、UTAUで使用する音源の中でも、後述の音源方式を含む発音にかかわる基本かつ重要部分。エディタ部で楽譜データから加工データを出力する際、音源ファイルにあるこの原音設定表を参照も参照しデータを作成する。設定表は、UTAUでもGUIで設定が可能であり、周波数表は該当する音声を再生する際に自動的に作成されるが、どちらもファイルが膨大であるほど設定と作成に時間がかかるほか、誤差が生じることもあるため、あらかじめ同梱されている場合が多い。原音設定は、他のユーザーによって配布される場合もある。まとめた音声ライブラリは、UTAUのフォルダ内に直接移動するか、zipのままUTAUのアイコンに受け渡すことで使用可能になる。zipファイルで受け渡す場合は、uarと拡張子を書き変えて明示することができる。また、DLL化することで容量を圧縮できる。このDLL化は、UTAUのデフォルト音声で使用されている。 特殊な音声ファイルに、音声合成の連結的合成の用法(VCVの合成(ダイフォン・トライフォン接続、母音-子音-母音)を利用した、通称「連続音音声ファイル」を使用することで、単一音声を使用した時のものと比べて無調整でもある程度発音の流れを自然にすることができる。録音するモーラの長さによってもその扱いが変化するが、モーラ数とそれに伴って変化する収録音源数によって音源設定もやや複雑で、音源取り直しの手間や収録時間も相対的にかかるようになる。 これから発展して、日本語だけでなくそれ以外の発音以外での歌い方にも滑らかに適合するよう、母音-子音(VC)で構成された音素を挟みこみ「CV VC CV」な流れになるように分けて作る「CVVC音源」という手法や、「連続音」の流れをくんで1音素が子音-母音-子音(CVC)で構成された「CVC音源」、「れんたんじゅつ」という調整初心者向けに作られた「連単音」音源(連続した音節で収録した音声ファイルを単独音音源のように設定する)の作り方も生まれた。 音声ファイルデータそのものは独立したファイルであるため、他の波形編集ソフトやDAW等のソフトに使用できる。
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