電子メールの起源
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電子メールはインターネットに先行して開発された。既存の電子メールシステムはインターネットを作るに当たって重要な道具となった。 最初の電子メールは1965年、メインフレーム上のタイムシェアリングシステムの複数の利用者が相互に通信する方法として使われ始めた。1970年代初頭までに、アメリカ国防総省の自動デジタル・ネットワーク(英語版) (AUTODIN) は1350台の端末間を繋ぎ、1件あたり平均3000文字のメッセージを月間3000万件取り扱えるようになった。AUTODINは18台の計算機化された大きな切替装置が運用を支え、さらに約2500台の端末を繋げるアメリカ共通役務庁(英語版)のアドバンスト・レコード・システムとも接続された。正確なところは不明だがその類の機能を持つ最初のシステムとして、SDC(ランド研究所からのスピンオフでSAGEのソフトウェア開発を行った会社)のQ32システムがある。マサチューセッツ工科大学は1961年にCTSSを導入し、複数の利用者が離れた端末から電話回線を使って中央システムにログインし、ディスクにファイルを保存し共有できる体制を整えた。電子メールは間もなく利用者が異なるコンピュータ間で情報をやり取りするための「ネットワーク電子メール」に拡張された。1966年には異なるコンピュータ間で電子メールを転送していた(SAGEでの詳細は明らかではないが、もっと早い時期に実現していたかもしれない)。 1962年:事務管理用端末システム (IBM)(英語版)1440/1460 1968年:事務管理用端末システム (IBM) ATS/360 1972年:UNIXメール(英語版) 1972年:ラリー・ブリード(英語版)によるAPLメールボックス 1974年:PLATO IV Notes - オンラインのインターネットコミュニティシステムにおいて、「個人的な注意」を通知するための電子メールが広く使われた。 1978年:ニュージャージー医科歯科大学(英語版)の電子メール 1981年:IBM OfficeVisionのPROFS 1982年:ディジタル・イクイップメント・コーポレーションのALL-IN-1 ARPANETは電子メールの発展に多大な影響を与えた。その誕生直後の1969年にシステム間電子メール転送の実験を行ったという報告がある。BBN社のレイ・トムリンソンは1971年にARPANET上の電子メールシステムを開発し、初めて@を使って利用者名と機器とを指定できるようにした。ARPANET上では電子メール利用者が急激に増大し、1975年には1000人以上が利用するようになっていた。 その他にも、1978年までにUNIXメールがネットワーク化されUUCPとなり、1981年にはIBMのメインフレームの電子メールがBITNETで接続された。
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