鋳造手法とは? わかりやすく解説

鋳造手法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 05:06 UTC 版)

東大寺盧舎那仏像」の記事における「鋳造手法」の解説

東大寺要録』に引く「大仏殿碑文によれば天平17年8月23日平城東山の山金里で大仏造立開始されている。『続紀によれば天平18年10月6日聖武天皇金鐘寺に行幸し、盧舎那仏燃灯供養行っているが、これは、大仏鋳造のための原型完成したことを意味する解されている。「碑文によれば鋳造天平19年9月29日開始され天平勝宝元年10月24日終了した。「恋」は「三箇年八ヶ度」、つまり3年にわたり、8回に分けて鋳造が行われたと言っているが、実年数は2年間強である。「八ヶ度」は、巨像を下から上へ、8段に分けて順次鋳造したという意味に解釈されている。その造像手法次のように推定されている。 まず、木材支柱縦横組み、これに細い麻縄などを巻きつけ、塑像芯材要領大仏原型造る大仏おおよその形ができたら、これに土をかぶせる。かぶせる土はきめの荒いものから塗り始め、だんだん外側へ行くにしたがって粒子の細かい土を塗っていく。こうして金銅像と同じ大きさ土製の像ができる。これを原型または中型(なかご)という。 中型の土が十分乾燥してから、今度中型外側から覆うような形で「外型」をやはり粘土造る巨像のため、外型は下から上へ、8段に分けて造られた。中型と外型が接着しないように、剥離剤として薄い紙をはさむ、あるいは雲母をまくなど、何らかの方法取られたはずである。 外型を適当な幅で割り中型から外す。 外型の内面を火で焼き、型崩れないようにする。 中型表面を削る。この作業削った厚みが、完成像のの厚みとなる。 一度外した外型を再び組み合わせる。外型と中型ずれないようにするため型持入れる。正倉院文書によれば型持は4寸四方厚さ1寸の金属片を3,350造ったという。 炉を持ち込み高温を溶かし、外型と中型すき間溶けたを石の溝から流し込む。 鋳加(いくわえ)、鋳浚(いさらい)という、鋳造後の表面の仕上げ螺髪取り付け、像表面鍍金光背制作など、他にも多く工程があり、これだけ巨像造立するには想像を絶する困難があったものと思われる作業中の事故や、鍍金溶剤として用いられ水銀中毒により多く人命失われたとも言われる含まれていた砒素鍍金使用され水銀による推定数百人の中毒患者のため、これを専門とする救護院が設けられていた。また、巨大な大仏製造のためのによる鋳造過程での環境破壊問題についても指摘されている。

※この「鋳造手法」の解説は、「東大寺盧舎那仏像」の解説の一部です。
「鋳造手法」を含む「東大寺盧舎那仏像」の記事については、「東大寺盧舎那仏像」の概要を参照ください。

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