各キャブレターについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/09 00:02 UTC 版)
「ウェーバー (企業)」の記事における「各キャブレターについて」の解説
DCOE型、DCO/SP型、IDA型などのハイエンドモデルは、ソレックスやデロルトなどのライバルモデルと比較して、より細かいセッティングが可能になっている。特にソレックスよりもアイドルジェット、インテークディスチャージバルブやエマルジョンチューブなどの種類が多く、ある程度の知識がないとセッティングに時間がかかる。また、一部のジェットはデロルトとは共用しているが、ソレックスと共用できる部品はほとんどない。 50DCO型は1931年に開発され、後に50DCOE型にモデルチェンジ、スペイン移転後に50DCO/SP型に進化した。デザインや鋳造手法、ベアリングなどの細部を改良しつつ、基本設計を変えることなく80年間近くも製造が続いている。60年代には58DCO型という大口径モデルまで発展し、クーパー・クライマックスのF1マシンやコルベット・グランスポーツなどに装着されたが、現在は55DCO/SP型が最大サイズである。 製造期間が長いDCOE型には多くのバリエーションが存在する。例として45DCOE型にはシリーズ9、14、14/18、15/16、17、38/39、62/63、68/69、152などがあり、ポンプ機構のピストンストロークやフロートレベルなどが細かく異なる。シリーズ152はDCO/SP型と同様のツノつきと呼ばれるカバーに変更され、それ以前のシリーズ9までは未対策型と呼ばれる。この対策とは排ガス規制やターボへの対策を示す。 DCO/SP型は48、50、55ともに本体、口径、ベンチュリは共通し、スロットル径のみが異なる。 ポルシェの水平対向6気筒エンジンには40IDA3型、46IDA3型というトリプルバレルのモデルが用意されていた。これはマツダの3ローターエンジンにも応用されたが、既に製造中止になっている。 48IDA型はスロットルバルブ径を拡大する改造がユーザーによってしばしば行われたが、それなりの加工費用がかかる上、限界サイズも51.5mm程度。その為、大径サイズのIDA型アフターマーケットモデルが数社から発売された。これらは外見や内部構造はIDA型をコピーし、各セッティングパーツはウェーバー純正品を使用するが、スロットル径以外にもいくつかの改良が加えられている。 48IDA型はサイドドラフトのDCOE型やダウンドラフトのIDF型などよりもフロート室容量が小さいので、高出力エンジンに装着した場合に油面の影響を受けやすかったり、燃料不足に陥ったりする不利がある。ニードルバルブの交換でも不十分な場合は、最終手段として箱型のアルミを溶接しフロート室の容量を増やす改造が行われた。ただし、溶接時の熱による歪みが発生しやすく、フロート室容量の大きなアフターマーケットモデルの開発に繋がる要因の一つとなった。 IDF型には中国製のノックダウン生産モデルも存在する。 DCOE型などによく見られるEWというロゴはエドアルド・ウェーバーのイニシャルを基にしている。
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