燃料不足
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 05:59 UTC 版)
「イギリスにおける1946-1947年の冬」の記事における「燃料不足」の解説
寒冬の影響は、石炭供給の減少などエネルギー部門の諸問題によって悪化した。石炭産業や電力産業は、クレメント・アトリー政権によって直近に国有化され、燃料動力大臣エマニュエル・シンウェルの統制下に置かれていた。シンウェルは増産の取り組みを監督したが、石炭が充分供給されないことへの懸念があった。石炭備蓄は、大戦前には10-12週分の通常供給量が存在していたのに対し、今回の冬が始まった頃には4週間分しかなかった。しかしシンウェルは、全国炭鉱労働組合(英語版) (NUM) から受け取った、生産性についての楽観的過ぎる報告書に安堵するという失態を犯した。だが実際の生産は、これらの報告書の通りにはならなかった。これは、組合員の欠席率が戦前の2.5倍というありさまであったNUMと争うのを政府が恐れた結果といえる。石炭不足のリスクが生じたことから、国民は家庭用熱源確保のために電気ストーブを購入した。これにより結果的に、電力供給に大きなひずみが生じた。1946年の電気ストーブによる毎月の電力需要の伸びは発電量の毎年の伸びとほぼ同じであった。シンウェルは1946年10月中旬、石炭不足の恐れがあるとの警告を受けたが、暖冬となって電力消費量を低く保てる方に賭けた。彼は鉱山労働者と対立する危険を冒したくなかったのである。
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