酒母造りとは? わかりやすく解説

酒母造り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 15:45 UTC 版)

日本酒」の記事における「酒母造り」の解説

酵母増やす工程のこと。杜氏蔵人言葉では「酛立て」(もとだて)という。 酵母にはブドウ糖アルコール変える働き、すなわち発酵作用があるものの、酒蔵で扱うような大量の米を発酵させるためには、微生物である酵母一匹二匹はまったく不十分で、米の量に見合っただけの大量酵母が必要となる。 こうした状況の中で酒蔵では、アンプル入っている少量優良酵母特定の環境大量に育てることになる。このように大量に培養されたものを酒母(しゅぼ / もと)または酛(もと)という。 作業としては、まず酛(もとおけ)と呼ばれる高さ1mほどのもしくはタンクに、麹と冷たい水入れ、それらをよく混ぜる。これを水麹みずこうじ)と呼ぶ。酛は、最近では高品質ステンレス鋼など表面琺瑯ほうろう加工した金属製タンク使われることが多いが、醸造器としてはあくまでも「酛」と呼ばれる一方で、酒母造りの前後工程使われる甑や含めて木製道具使い続けたり、復活させたりする酒蔵もある。 そのあと水麹醸造用乳酸と、採用する決めた酵母少量だ入れる。採用する酵母は、多種多様な清酒酵母から、造り手が目指す酒質適すると考えるものが通常一種類だけ選ばれるが、その酵母あまりにも強い特性を持つ場合などには、それを緩和するためにもう一種類の酵母ブレンドし入れることも多い。 上記のものに蒸し米を加えると酒母造りの仕込み完成する。あとは製法によって2週間から1ヶ月待つと、仕込まれの中で酵母大量に培養され酒母すなわち酛の完成となる。 酒母造りの場所は、酒母室(しゅぼしつ)もしくは酛場(もとば)と呼ばれ雑菌野生酵母入り込まないように室温は5ぐらいに保たれている。しかし麹室比べる管理の厳重さを必要としないので、酒蔵によっては見学者入れてくれる所もある。酒母室の中では、酵母発酵する小さな独特の音が響いている。 酒母造りの際には、タンク開け放しの状態になるから、空気中からタンク内にたくさんの雑菌野生酵母容易に入り込んでくる。そのため硝酸還元菌乳酸菌加え、乳酸を生成させることによって雑菌野生酵母死滅させ駆逐することが必要となる。この乳酸を、どのように加えるかによって、酒母造りは大きく生酛系(きもとけい)と速醸系そくじょうけい)の2つ分類される

※この「酒母造り」の解説は、「日本酒」の解説の一部です。
「酒母造り」を含む「日本酒」の記事については、「日本酒」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「酒母造り」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「酒母造り」の関連用語

酒母造りのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



酒母造りのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日本酒 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS