選挙後の集計ミス・トラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 00:09 UTC 版)
「第25回参議院議員通常選挙」の記事における「選挙後の集計ミス・トラブル」の解説
兵庫県尼崎市では、事前に把握していた市内の投票者数よりも選挙区で20票、比例代表で13票多いトラブルが発生。22日0時過ぎから改めて全ての票を計数機を使って数え直すなどしたため、開票結果の確定が同日3時30分にずれ込む事態となった。原因は不明で票数の間違いも見つからなかったため、帳尻を合わせるために選挙管理委員会は計33票を「持ち帰り・その他」でマイナス計上した。 宮城県仙台市では、若林区の開票終了が投票所での集計ミスや愛知治郎への222票を石垣のりこへ集計していたミスの修正などが原因で5時間半以上遅れ、確定したのは翌22日午前7時前となった。また、宮城野区・泉区では投票者数と投票総数の不一致もあった。宮城野区は投票総数が1票少なく、泉区は5票少なく、いずれも不明票とした。泉区では比例代表の開票結果を県選管に送信できないトラブルも発生。開票作業は午前4時半ごろに終了していたが、確定得票数の発表は約2時間半後の午前7時ごろと大幅に遅れた。これにより、宮城県選挙区は午前7時19分、比例代表は同7時20分で、全45選挙区で最も遅く結果が確定した。 静岡県富士宮市の選挙管理委員会は比例代表の開票作業で、山田太郎の票を山本太郎の票として誤って集計したことが発覚。その結果、同市で山田太郎の得票数は0となった。結果を見た実際に山田に投票した市民からの問い合わせが相次ぎ、選管が再確認したところ山田の得票全515票をまとめていたのを同一人物として山本に誤って計上していたことが判明した。指摘のあった当日中に票数は修正され、当落への影響はなかった。他にも新潟県上越市では山田太郎の得票数が非常に少なく、山本太郎の票が比較的多めという開票結果になっていることが指摘されたが、市の選挙管理委員会は「立会人にも確認され、票の取り間違いはないと考えている」と集計の誤りを否定し、県の選挙管理委員会も「まずは市の対応を見守る」と静観の構えであった。 千葉県選挙管理委員会では、4市町で開票結果に誤りがあったことを発表した。いすみ市と鴨川市では、「山本」とだけ書かれた票を同姓の候補者6人に案分する際、誤って山本太郎ではなく山田太郎を算定対象に加えていたため、山田太郎の票は約4票多くなり、山本太郎の票は約5票少なくなった。また、神崎町では、「山本」票の按分の際に基礎票で算出ミスが発生した。富里市では、田中久弥が獲得した25票を無効票扱いしていた。いずれのミスも当落には影響しない。 同様に比例区での「山本」票のミスが、京都府宮津市でも発生し、午前0時10分の結了発表後の同3時25分に訂正した。 愛知県岩倉市では、投票をしていない有権者を投票済みとして不正に処理していたことが発覚。岩倉市曽野町の投票所で投票管理者の男性職員が交付機から出た状態の投票用紙1枚を発見。この職員は受付を終えた有権者に渡しそびれたものと判断して、白票で投票箱に投函。その後、実際に投票所を訪れた人数より投票用紙が1枚多いことに気づいたこの職員は、行為の発覚を恐れ別の職員に指示して、投票に訪れていない有権者を投票済みとして虚偽の登録をさせるなどして隠蔽。男性職員が翌22日に自ら申し出たことにより発覚した。 三重県松阪市では、比例区の投票者総数を実際より48人少なく県選管に報告していたことと、40人分の無効票を見落として計上しなかったという2点のミスが発覚。ただし、有効投票数と当落に影響はないとしている。 岡山県の5市区(岡山市中区、岡山市南区、新見市、美作市、浅口市)では、自民党、労働の解放をめざす労働者党、れいわ新選組の比例代表特定枠の候補者5人が計63票を得票していたにもかかわらず、県選管に0票と誤った報告をしていた。なお、各票は候補者の所属する政党・団体の得票分として計上しているため、選挙結果に影響はない。 大阪府堺市美原区の有権者4人が、比例区において山下芳生(日本共産党)に投票したが、いずれも山下への得票が0票となっていた。これに対してこれら4人の有権者は、同市と同区の選挙管理委員会に対し再調査を求めているが、両選管は訴訟で裁判所が決定を出さない限り再調査はできないとして応じていない。問題点として、地方選挙では投票用紙を保管するのに対し、国政選挙では封印してしまうことが挙げられる。
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