週刊東洋経済インタビュー騒動
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「奥谷禮子」の記事における「週刊東洋経済インタビュー騒動」の解説
週刊東洋経済2007年1月13日号で、「格差社会と言いますけれど、格差なんて当然出てきます。仕方がないでしょう、能力には差があるのだから」と発言し、インターネット上などで波紋が広がったことがある。 記事では、「下流社会だの何だの、言葉遊びですよ。社会が甘やかしている」と持論を展開。過労死については「経営者は、過労死するまで働けなんて言いませんからね。過労死を含めて、これは自己管理だと私は思います。ボクシングの選手と一緒」とした上で、「自分でつらいなら、休みたいと自己主張すればいいのに、そんなことは言えない、とヘンな自己規制をしてしまって、周囲に促されないと休みも取れない。揚げ句、会社が悪い、上司が悪いと他人のせい。今の風土がおかしい」と、経営者側よりも労働者側の意識が問題との認識を示した。 2月7日の衆議院予算委員会で、川内博史が「あまりの暴論なので提示させてもらった。柳澤伯夫厚生労働大臣の諮問委員に日本国憲法を無視している人がいて、ホワイトカラーエグゼンプションを推進しようとしている」と詰問し、奥谷の当該発言を読み上げた。この質問に対し、柳澤は「その発言自体が、もし執行者であれば大変な問題」と答弁している。 この後、奥谷はマスコミの取材に対し「発言の一部分だけをとらえた質問は遺憾」と反論したが、2月19日の予算委員会で、枝野幸男が「十分釈明を聞きたい」と述べ、参考人招致を要求した。結局、自民・公明の与党側が3月2日に委員長職権で審議を打ち切り予算案が衆議院を通過したので実現しなかったが『週刊ポスト』『女性セブン』(以上、小学館)や『サンデー毎日』(毎日新聞社)でも奥谷発言が取り上げられた。 この発言に関して奥谷は朝日新聞の4月2日付けインタビュー記事で、「真意が伝わっていない。工業化社会から知的創造の時代に移り、長く働けば生産性が上がる時代では無い。自分で労働時間を管理し、生産性が上がるよう働けばいいという意味だった」とコメントしている[要文献特定詳細情報]。 5月22日の参議院厚生労働委員会で、櫻井充は奥谷について「この方が労働政策審議会のメンバーですね、ホワイトカラーエグゼンプションをどんどん進めていって、やられている方ですね。この方は、規制改革会議のメンバーでしたね。過労死は自己責任と言った人ですよ。こういう人が本当に有識者ですか」「何回も、いつもこの委員会で問題になっていますけれども、過労死は自己責任だとか、そういうことをおっしゃっている方が(労働政策審議会の委員として)適切なのかということです」と批判している。
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