軍配差し違え
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「式守伊之助 (41代)」の記事における「軍配差し違え」の解説
立行司昇進前2010年7月場所12日目 平幕豪風-平幕徳瀬川戦豪風の二丁投げが決まったと見て豪風に軍配をあげたが、豪風が先に膝をついていたため差し違えとなった。 2012年5月場所3日目 関脇豊ノ島-小結安美錦戦豊ノ島が掬い投げで安美錦を転がしたように見えたが、投げを打つ際豊ノ島のつま先が俵の外に出たと判断し軍配を安美錦にあげた。しかし協議の結果、つま先は出ておらず行司軍配差し違えとなった。 2013年11月場所14日目 小結松鳳山-平幕豊真将豊真将が松鳳山を押し込んだが、松鳳山が土俵際で突き落としを打ったため勝負がもつれ、両者ほぼ同時に落ちた。勘太夫(当時)は松鳳山の突き落としを有利と見て軍配をあげたが、松鳳山の足が先に出ていたとして差し違えとなった。 2014年1月場所10日目 平幕安美錦-平幕勢戦勢が安美錦を勢いよく押し込んだが、安美錦が土俵際で掬い投げを打ち勝負がもつれた。勘太夫(当時)は勢の押しを有利と見て軍配をあげたが、勢の肘が先についており軍配差し違えとなった。 2014年7月場所10日目 小結安美錦-平幕松鳳山戦松鳳山が安美錦を押し込んだが、安美錦が突き落としに行ったため勝負がもつれた。勘太夫(当時)は松鳳山の押しを有利と見て軍配をあげたが、スローで見ると松鳳山の膝がかなり早くついており、差し違えとなった。 2014年9月場所10日目 平幕豊ノ島-小結千代大龍戦千代大龍が豊ノ島を押し込んだが、豊ノ島が土俵際で突き落としを打ったため勝負がもつれた。行司軍配は千代大龍の押しを有利と見て軍配をあげたが、豊ノ島の足が残っていたと判定され差し違えとなった。しかしNHKの解説では豊ノ島のかかとも微妙なのではないかと放送され、なんとも言えない雰囲気となり、勘太夫自身も動揺からか懸賞金を落としてしまうハプニングを起こした。 2015年7月場所2日目 小結宝富士-大関豪栄道戦豪栄道が宝富士を押し込んで行ったが、宝富士が土俵際で突き落としを打ち、豪栄道が落ちるのと宝富士が土俵を割るのがほぼ同時に見えた。行司軍配は豪栄道に上がったが、スローで確認したところ宝富士の足が明らかに残っていたため、差し違えとなった。 2017年1月場所2日目 横綱鶴竜-平幕松鳳山戦寄って行った鶴竜に対して土俵際で小手投げを打った松鳳山に軍配を上げたが、物言いがつき協議の結果松鳳山の足が先に出ていると判断され、差し違えとなった。しかし鶴竜の体も大きく飛んでいたため微妙な一番であった。 2018年1月場所初日 横綱稀勢の里-小結貴景勝戦稀勢の里の押しに対して貴景勝が土俵際で引っ掛けを打ち、稀勢の里が早く落ちた。しかし行司軍配は稀勢の里に上がったため、すぐに物言いがつき、協議の結果行司軍配差し違えとなった。 同年7月場所12日目 関脇御嶽海-大関髙安戦御嶽海が勢いよく高安を突いて出たが、高安が土俵際で咄嗟の突き落とし、最後は両者がほぼ同時に勢いよく土俵から飛び出した。行司軍配は迷った末に最初は高安に上げたが、その後回し団扇で御嶽海に変更。物言いがつき、館内からは取り直しコールが起こるほど盛り上がったが、協議の結果、高安の足が残っていたため差し違えとなった。この一番で御嶽海は初黒星を喫した。 同年11月場所4日目 横綱稀勢の里-平幕栃煌山戦寄って行った稀勢の里に対して栃煌山が土俵際ですくい投げ、稀勢の里の方が早く落ちた。しかし行司軍配は稀勢の里に上がったため物言いがつき、協議の結果差し違え。 立行司昇進後2019年9月場所6日目 大関栃ノ心-平幕玉鷲戦玉鷲が栃ノ心を押し出したかに見えたが、玉鷲の体も飛んでおり、軍配は栃ノ心に上がった。しかし物言いがつき協議の結果、押し出しで玉鷲の勝ちとなった。 同年11月場所千秋楽 関脇御嶽海-小結阿炎戦御嶽海が阿炎を突き押しを浴びせて出たが、阿炎が土俵際で叩き込み、御嶽海の体も大きく飛んだため勝負がもつれた。軍配は御嶽海にあがったものの、スローで見ると阿炎が明らかに残っており、差し違えとなった。 2020年1月場所8日目 大関豪栄道-小結阿炎戦阿炎が土俵際で豪栄道を叩き込んだが、豪栄道に軍配があがったため物言いがつき、差し違えとなった。 同年3月場所14日目 横綱鶴竜-関脇朝乃山戦土俵際で投げの打ち合いとなり、軍配は朝乃山に上がったが、朝乃山の肘が先についており、差し違えとなった。 2021年1月場所11日目 平幕隠岐の海-大関正代戦この一番では一度目の相撲でも物言いがつき、取り直しとなった。取り直し後の相撲では、隠岐の海が正代を寄り倒したかに見え軍配も隠岐の海に上がったが、隠岐の海に勇み足があったため差し違えとなった。打ち出し後、八角理事長に口頭で進退伺を申し出たが慰留された。2019年1月場所場所の立行司昇格後、5度目の差し違え。 同年5月場所14日目 平幕遠藤-大関照ノ富士戦投げの打ち合いで両者が倒れた際、照ノ富士に軍配を上げたが、3分半にわたる協議の末、照ノ富士の肘が先についているとの判断で、軍配差し違えで遠藤の勝ちとなった。これで立行司昇格後6度目の差し違えとなってしまった。 2022年1月場所4日目 平幕若隆景-大関正代戦若隆景が寄り切ったと見て若隆景に軍配を上げたが、物言いの結果若隆景の右足が先に出ており、勇み足として軍配差し違えで正代の勝ちとなった。 同年1月場所9日目 小結明生-大関正代戦土俵際で正代がうっちゃり気味に明生を投げたものの、正代の体が明らかに先に落ちており、NHKの解説でも明生の勝ちと放送した。しかし伊之助の軍配は正代に上がり、物言いの結果、軍配差し違えで明生の勝ちとなった。伊之助は「明生が勝ったのは分かっていたけど、東西が分からなかった」と説明した。立行司が一場所中に二度目の差し違いをする異例の事態となった。これに対して八角理事長は、「(4日目の)勇み足は仕方ないけど、今日のはしっかりしなければ駄目だ」などと苦言を呈した。取組後、進退伺を協会に提出したが、八角理事長から慰留を受けた。際どい相撲でないにも拘らず差し違えたことから、一部相撲ファンからも進退論が取り沙汰された。 同年3月場所3日目 平幕宇良-横綱照ノ富士戦照ノ富士が宇良を押し込んだが、宇良が肩透かしに行ったため土俵際でもつれ、ほぼ同時に土俵を割った。伊之助は照ノ富士の足が先に出たと見て宇良に軍配を挙げたが、物言いがつき、協議の結果、宇良の踵が先に土俵を割っていたとして軍配差し違えとなった。これで立行司昇格後9回目、実質的な首席として結びの一番を裁くようになってから12回目の差し違え。
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