軌道運動の基本とは? わかりやすく解説

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軌道運動の基本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 03:29 UTC 版)

人工衛星の軌道」の記事における「軌道運動の基本」の解説

地表平方向に物体投げてみる。もし、地球平面果てしなく続き重力地表向かって働くのなら、どんなに初速度大きくて物体はいずれ地上落ちてしまう。これは図1で、重力加速度により物体速度ベクトル最終的に地表に向かうことが理解できるだろう。 しかし、実際に地球概ね球体であり、重力はその中心に向かう。このため、図2のA点(図は誇張して書いてあるが、地表からの高さは地球直径にくらべ十分小さものとする)から水平に投射した物体は、初速度大きさによりp1p2p3と段々遠くまで届くようになり、ある速度になるともとの投射点に戻り、あとは繰り返して地球周回するうになる。すなわち物体地球人工衛星になったのであり、この周回軌跡軌道orbit)と呼ぶ。このときの軌道の形は円軌道である。また、このとき速度第一宇宙速度といい、約7.9 km/sである。 初速度をさらに大きくしていくと軌道楕円になり、ある速度になると物体放物線描き周回して再び同じ点に戻ることはなく、地球引力脱出する。この時の速度第二宇宙速度脱出速度)といい、約11.2 km/sである。 さらに初速度大きくして、第二宇宙速度上の速度になると、軌道双曲線描き脱出軌道をとる。 なお、物体地表からの高度を大きくすると、円軌道達す速度地球脱出する速度も、上記地表すれすれ速度より小さくて済む。 高度を変えたとき、円軌道達成するために必要な初速とその高度での円軌道周期次の通りである。 高度初速(km/s)周期 (分)1m 7.9064 84.37 1km 7.9058 84.39 10km 7.90 84.57 100km 7.85 86.36 1,000km 7.35 105.0 10,000km 4.93 347.6 35,786km 3.07 1,436(1恒星日静止衛星となる) 話題人工衛星に限ると、初期の高度が大気圏外実用上は概ね100 km以上)で、円軌道または楕円軌道を描く場合取り扱うことになる。 人工衛星運動近似的にニュートン力学範囲記述可能であり、その結果ケプラーの法則にしたがう(別に人工衛星限らない)。但し、重力及ぼしあう複数物体運動は、物体数が3以上の場合では解析的に解くことができない多体問題)。このため物体数を2個、すなわち地球人工衛星のみとして(二体問題解き、他の天体例え太陽月の重力による影響摂動として加えて実用的な解を得るのが普通である。 また、二体問題では物体質点として扱うが、地球‐人衛星の系の場合後者はともかく前者現実には質点ではない。一応、軌道計算では球対称であれば質点看做しても構わないが、地球真球体ではないため、これも考慮する必要がある通常回転楕円体として扱う(ベッセル楕円体GRS80楕円体)。 人工衛星の軌道一定の平面内に限定される後述摂動により多少のずれが生じるが、意図的な軌道変換を行う場合除き短期的に同一平面上にあると言ってよい。この平面軌道面という。

※この「軌道運動の基本」の解説は、「人工衛星の軌道」の解説の一部です。
「軌道運動の基本」を含む「人工衛星の軌道」の記事については、「人工衛星の軌道」の概要を参照ください。

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