軌道運動の理解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:05 UTC 版)
惑星(例えば地球)の周りの軌道運動を説明するモデルとしては、よく用いられる大砲のモデルが有用である。地球上の非常に高い山の山頂に大砲が据え付けられているとし、この大砲が砲弾を水平に撃つことを考える。ここで大砲のある山は非常に高く、大砲がある山頂は地球の大気圏よりも高いために砲弾に作用する大気の抵抗は無視できると仮定する。 大砲が非常に遅い初速で砲弾を発射した場合、砲弾の軌跡は下方向に曲がって地面に達する(図中A)。 砲弾の初速を大きくしていくと、砲弾は大砲からより遠くへ着弾するようになる。ここで、砲弾の軌跡と同様に、砲弾が着弾する地面も遠くに行くほど下方向にカーブしていることに注意する。この時の砲弾の軌跡は、大砲から遠い方の焦点に地球の中心があるような楕円である(図中A→C)。 砲弾の初速が重力を脱するのに十分な場合には、砲弾の軌跡と地面とが同じ曲率となり、砲弾は地球を一周する円軌道に乗ることになる(図中D)。 初速をもっと大きくすると、砲弾の軌道は大砲から近い方の焦点に地球の中心があるような楕円軌道となる(図中E,F)。 さらに初速を上げて脱出速度と呼ばれる値に達すると、大砲から遠い方の焦点までの距離が無限遠となり、砲弾の軌道は楕円から放物線に変わる。すなわち砲弾は地球に戻らなくなる。
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