財政再建

日本の財政の姿を一般家庭に置き換えて説明します。一家の収入は月に50万円、これに対する支出は80万円、足りない分の30万円は借金で穴埋めします。この収入を歳入、支出を歳出、借金を国債発行と言い換え、兆円単位にしたものが国家財政です。
一般家庭が何カ月も続けて借金をしようとすると、断られるでしょう。しかし、政府は国の信用をバックに、長年にわたり借金を続けることが出来るため、借金総額が膨らんでいます。現在、国と地方が抱える借金の総額(これを長期債務残高といいます)は実に750兆円という想像を絶する金額です。
財政の歴史は歳入不足・歳出過剰、つまり赤字の歴史と言っても過言ではありません。古くはローマ帝国が社会インフラの整備、軍隊の派遣や異民族侵入への備えといった歳出が膨らんで、財政が破綻し、帝国崩壊を早めたといわれています。わが国の財政を立て直すためには、まず歳入を増やして、歳出を抑え、単年度の収支を黒字にしなければなりません。そうして初めて債務残高を減らしていくことが可能になります。
歳入は法人税、所得税、消費税が3大項目で、景気が良く、企業や家計の経済活動が活発なほど税金による収入が増えることになります。一方の歳出の代表は年金,医療などの社会保障に必要な費用で、少子高齢化が進む現在では増加傾向に歯止めがかかりません。このため、いかにして歳入を増やし、歳出を減らすかの方策を同時に議論することが急務となっています。その際は庶民の生活に身近で、抵抗が大きい消費税も対象となります。財政を立て直すためとはいえ、消費税の増税に理解を得るのは容易なことではなさそうです。
※グラフは「債務残高の国際比較(対GDP比)」(財務省のホームページより)
(掲載日:2007/08/13)
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