誕生と普及
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:39 UTC 版)
EMは、微生物による農業資材を開発していた森山紹一が1983年にサン興産業という会社を起こし、バイオスターなどとして販売していたものから開始される。1986年には沖縄農林水産部長の命名でサイオンと命名されて変名し、このサイオンの効果検証実験を琉球大学の比嘉照夫に依頼し、比嘉は研究を通して1994年にEM(有用微生物群)の概念を発表した。その発見は偶然なもので、微生物の研究も行っていた比嘉は、微生物の入った水をこぼしてしまった草むらが異常に生育したところから注目した。研究を重ねた比嘉は『地球を救う大変革』を著し、数十万部が売れて世間に広まっており、実業家の船井幸雄が「ほんもの」だと取り上げたことから世間での認知に拍車をかけた。1989年にはJA岐阜が養鶏場にEMを導入して慎重な試験を繰り返して、県内全域から「無毒鶏」として出荷できるようにした。1992年には岐阜県可児市で生ゴミのリサイクルにEMが応用され、日本の十数県の自治体でも生ゴミ処理や浄水に応用された。1982年から年一回の公開研究会が実施され、EMの万能性ゆえ、研究会は農業、畜産、水産、建築、医学、生活など分科会が設けられ、同時に開催される展示には国内外からの一般参加者が参加した。 比嘉照夫の主張するところでは、EMは、光合成細菌・乳酸菌・酵母を中心とし、様々な抗酸化物質を産生する微生物の複合体である。EMは誰でも簡単に増やすことができる。支持者は、増やした液を農業や環境浄化のみならず、生活のあらゆる場面(掃除、洗濯、トイレ、お風呂等)で使用することにより居住環境や衣服も抗酸化的になり、病気にならない場を作ることができ、EMを水や空気のように使う生活を徹底すれば、健康や環境問題の多くは自然に解決されていくということである。
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