設計と建築
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「中国中央電視台本部ビル」の記事における「設計と建築」の解説
OMA代表のレム・コールハースと、OMA に所属するドイツ出身の若手建築家オーレ・シェーレン(Ole Scheeren)が本部ビルおよび電視文化センタービルを設計したが、特にオーレ・シェーレンがコンセプトデザインの作成や400人規模の設計チームの指揮をとった。構造デザインにはセシル・バルモンドをはじめアラップ社(Arup)が協力している。 本部ビルのデザインは特異で、6つの辺が環状に連なるように組み合わされており、中央には巨大な開口部がある。特異な形状と耐震性の確保の必要から、建物の構造計算は非常に難関が多かったが、構造設計の分野で実績のあるアラップ社が外壁の支柱の配置などの解を出している。北京市民からは、本部ビルは「大ズボン」(大褲衩)とあだ名されている。レム・コールハースが著書『Content』の中で、「中国中央電視台(CCTV)新社屋は本部が女性が四つん這いで女性器を突き出している格好、電視文化センタービルが男性器と、『男女の性器』をモチーフにしていた」と打ち明け、中国人の怒りを買った。 中国建築工程総公司(CSCEC)が本部ビル(総部大楼)を中心とするA工区を、北京城建集団有限責任公司が電視文化センター(北配楼)を中心とするB工区を受け持った。起工式は2004年9月22日に行われ、地上に横たわる二つの辺と、そこから斜めに立ち上がる二つの辺の建設から始まった。工事は24時間3交代制で行われ、鉄骨工事や外装には5,000人が、内装には10,000人以上が従事した。上空で地面と水平に伸びる二つの辺は、2007年12月26日に接続され、環状の構造が完成した。気温による鋼材の伸び縮みにかかわらず二つの塔を上空で一つにしっかりと接続するため、二つの塔を構成する鋼材が同じ温度にまで冷えて収縮する一年で一番寒い季節の夜間に接続工事が行われた。本部ビルの外装は、北京オリンピックの行われた2008年8月までに完成し、中国中央電視台開局50周年である2008年10月には業務可能な状態になったが、この時点でもまだ内装工事は続いていた。本部ビルは2008年12月に竣工した。 中国中央電視台本部ビルの周辺は「メディアパーク」として整備され、ホテルやスタジオなどが入居する付属高層ビル(中央電視台電視文化センター)、一般市民が参加する催しものや野外撮影などが行われる公開緑地が周囲に設けられる。このメディアパークは、北京東部の新都心の中心に伸びる緑地軸の延長上にある。この新都心(北京商務中心区、北京CBD)には300以上の超高層ビルが立ち並ぶ予定だが、中国中央電視台本部ビルはその皮切りとなる。
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