セメントコンクリートの研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/26 03:21 UTC 版)
「狩野春一」の記事における「セメントコンクリートの研究」の解説
今日ほど試験機が発達していなかった時代コンクリートの引張と変形に関する研究を進める。当時も圧縮に関するものは多く発表されていたが、考案された引張試験用型枠に各種調合のコンクリートを充填して供試体を製作し研究、引張に関しては世界的にみても例が極めて少なかった。コンクリートの混和材料の使用の研究と透気透水に関する研究も進め、以上の一連の研究は、現在問題化しているコンクリートのひび割れと防水に関連する基本的研究をいち早く洞察。これらの研究により工学博士の学位や日本建築学会学術賞を受賞した。なお、コンクリート防水の基本的研究から、アスファルト被覆防水、合成高分子材料によるメンブレン防水やシーリング防水等防水全般に研究の域が発展、これら材料の品質と生産の改良と発展に長く尽力。 一方、コンクリートブロックの標準化、コンクリートの海砂の使用の研究、さらには、セラミックタイル、石綿スレート、石こうボード、軟硬質繊維板や木毛セメント板等の改良と生産の拡大に尽くすほか、ビルコンの仕上げ、建材関係の研究と生産、JIS化やJASS化に貢献。なお、コンクリートの施工性能の向上のためのAE剤の・導入の先駆的役割を果たし、今日の表面活性剤使用の基礎を築いたことと、建築の設計と建築材料の生産に必要なモデュラーコーディネーションを、意見が多く非常に困難な状況下で、建策学会の標準として取りまとめた。これら建築材料の研究と指導による工業標準化に、日本工業標準調査会委員として、また同建築部会長として尽くしたことにより昭和32年に藍綬褒章を受賞、また昭和41年に勲三等旭日中綬章も受賞。
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